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−中国アレルギー調査紀行− (1)
2002年中国調査報告(宜興・南京・西安の旅)

私たちが、日本・中国を始め世界各地でアレルギーについての疫学調査を継続していることは、皆様も良くご存じのことと思います。

私たちはこれまでこうした調査の結果から、日本特有の花粉症と誤認されて来たスギ花粉症が中国にも存在すること、それはスギが地上に出現した200万年前には、日本と中国(アジア大陸)とは陸続きで、スギはその頃中国から日本に連続して植生しているためであることを、両国の樹齢1000年以上のスギのDNA分析から明らかにして来ました。

また、一時期近年の日本でスギ花粉症の激増した原因と注目された回虫など寄生虫感染の減少が、実際には直接のきっかけではなかったことも、私たちは証明しています。

さらに、日光などでの報告からスギ花粉症激増の背景と信じられて来た大気汚染説がまったくの捏造であることをも、私たちは厳密な調査から証明しました。

これらの調査結果は、1月23日に出版した「スギ花粉症−レーザーとソムノプラスティによる新しいアプローチ−」に、詳しく書いてありますのでそれをお読み頂くとして、私たちは毎年中国での調査を恒例として実施しています。

昨年はこの通信上でチベット調査の光景をお目に懸けましたが、今回の調査は江蘇省の宜興市と南京医科大学で行われました。

さらに実現はしませんでしたが、旧・西安医科大学(現在の西安交通大学)での調査を予定して西安市にも足を運びましたので、その写真を含めてご紹介します。

今回の調査には、当院から三好と看護課の片寄が参加し、皮膚科の幸野健・市立吹田市民病院医長と栄養学の上田伸男・宇都宮大学教授そして運動学の玉川明朗・東北大学助教授、さらに植田美津江・愛知診断技術振興財団研究室長ら調査の常連に、建築学の八代克彦・札幌高専助教授と稲福繁・愛知医科大学耳鼻咽喉科教授や同科の稻川俊太郎医師が初顔として加わりました。

私たちはアレルギー疾患の一部分だけでなく、その全体像を把握しようと試みているために、多方面からの研究者を揃えて調査にあたる必要があるのです。

出発は2002年11月3日、名古屋空港発の上海行きフライトです。

今回のフライトから上海着は、新しい浦東空港に到着となりました。この空港は新しくて大きく近代的ですが、預けた手荷物の出て来るターンテーブルが突然表示とは異なる場所に変更になったり、大陸的な大まかさは健在(?)でした。

待ち合わせのガイドと出口で落ち合い、夜間の高速道路を宜興市へと向かいます。

この宜興市は、私たちの南京医科大学国際鼻アレルギーセンターから秋田大学耳鼻咽喉科に留学している殷敏医師の故郷で、今回はその伝手を辿って調査の実現に至ったのです。

宜興市の宿である国際飯店に到着したのは夜の10時過ぎでしたが、殷君のお兄さんたちのお陰で、それからゆっくりと晩餐を味わうことができました。

中国の朝は早い!早朝の公園では、大勢の人が太極拳などの運動に励んでいました(写真1)。

朝7時に小学校へ調査に赴くと、私たちへの歓迎の言葉が玄関に掲げてありました(写真2)。そこには「日本知名教授三好彰先生」なんて書いてあって、なんかこそばゆいなァ。


1.宜興(イーシン)の朝


2.熱烈歓迎


3.中学校の調査風景


4.アトピーも増えてきました・・・


5.大活躍!殷先生のお兄さん

写真3は中学校での調査光景です。その脇では皮膚科の視診を、幸野先生が担当しておられます(写真4)。1年前のチベットの調査ではアトピー性皮膚炎は一人も見られなかったのですが、今回はやはり多いような印象でした。もっとも軽症例ばかりで、典型的なアトピーはまったく無かったとのことでしたが。

調査後簡単な夕食会(写真5)が済んで、私たちは南京市へと移動しました。

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