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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

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5.他山の石と前車の轍

他山の石とする、という言葉がある。他人の行為を参考に、自分の行いを正すことを意味している。

一方、前車の轍を踏む、という例えもある。以前に他人が失敗した経験を、自分が活かせなかった苦い体験のことを指す。

どうも人類は少なくとも花粉症に関しては、他山の石よりも前車の轍を踏む傾向があるように見受けられる。

ここまで書いて来た、英国初の花粉症発生の事例や日本のスギ花粉症激増の経緯と似たようなことを、人類はもう一度繰り返しているようなのだ。

その現場は、なんと日本のお隣の国、中国である。

中国でも実は、19世紀の英国や戦後の日本のように、国中の木々をほとんど切り倒してしまいそうになった時期があった。それは1958年の、大躍進運動のときである。

その折中国では毛沢東の号令一下、世界の一流国に肩を並べるべく粗鋼の生産を上げようと、狂奔状態に陥った。そして全土の木々は、燃料として燃やし尽くされたのである。その事実はあの「ワイルド・スワン」にも書いてあるが、中国の山々は結果的にほとんどハゲ山となった。

当然の帰結として中国では、戦後の日本のように治山や治水が問題となった。1998年に、江沢民首席が人民解放軍を指揮して大洪水に立ち向かった姿が新聞に掲載されたが、あんな長江の氾濫(写真3:武漢市における長江の洪水現場)だって大躍進の名残と形容できなくはあるまい。

それゆえに中国でも、日本と同じようにハゲ山に木々を植えた。そうした植林の際に、どうやら他の多くの木々と共に杉も、大量に植樹された形跡がある。

もしも中国でも、こうして植えられた杉の木からの花粉が、多数の花粉症患者を発生させたとしたならば、中国も日本や英国の花粉症の轍を踏むことになるであろう。

それにしても中国ではなぜ、植林すべき木々の中に杉を加えたのだろうか。われわれは、中国共産党揺籃の地である井岡山の光景を見たとき、そのなぞが解けたような気がしたものである。

なぜならこの井岡山は、全山杉によって覆われていたのである(写真5)。そして当時の毛沢東の寓居は、今でも杉林の前に位置している。もしかすると、毛沢東と一緒に革命を戦った共産党幹部の頭の中には、植樹と聞いてあの懐かしい杉の木しか、思い浮かばなかったのかも知れない。

 

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