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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

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1. スギの分布と植生


スギ(Cryptomeria japonica)は古来から日本固有の有用木 として天然林のスギが建設材などに利用され、植林も江戸時代の元禄年間(西暦1700年頃)には植栽もされていた記録がある。現在では天然林が細々と本州最北端の青森県(図1.c)から九州の屋久島(図1.a)まで点々と存在するにすぎない。それ以外のスギ林は全て植栽されたもので、日本全体では約450万haも植栽されており、主に東北や九州に多いが、神社の多い日本では神木と呼ばれる1000年以上を生き抜いてきた老木がそれらの境内に植えられ、信仰の対象となったりしている。日本のスギは外国の植物園や日本庭園などにも植えられているのを見ることもしばしばであるが、筆者は1999年9月、南米アルゼンチンのブエノスアイレスにある日本庭園内で植栽され、雄花を着けていたスギ(図1.e)を見ることができたが、南米なのですでに9月は春のため開化直前であった。この年は1年に2度スギの開花時期の状態を観察することができたが、まるっきり季節が日本と反対の南米で、いわば日本の春3月に相当する9月に開花するスギは季節の180度転換をどこで察知して開花するのか不思議でならないが、イチョウも同様に雄花の蕾を観察したので、恐らく若い苗木から育てて、気候に順応させたために、正反対の季節変化に順応したものと思われ、スギやイチョウは意外にも環境の変化にすばやく(僅か一世代)順応できる能力があることを垣間見た気がする。この環境に順応するすばやい適応力が今から200万年前の氷河期以前に出現したとされるスギが約100万年前から始まった4回の氷河期を日本南部及び中国南部でのみ生き延びた原動力の1つであったと思われる。今後花粉症と切り離してスギ材の有用性を考えれば、砂漠化しつつある世界の地域にスギを植林することで、緑を再生できるはずであり、すでに中国では禿山に空からスギの種子を蒔いて森林再生を試みているとのことである(三好彰私信)。スギは水を好み光を好む陽樹で、高温にも低温にも弱いとされるが、反面強かで筆者は北海道の網走付近の神社境内で雄花を沢山着けたスギを観察し、炎天下の南京市内ですらすくすく成長しているスギを見ると、亜熱帯から亜寒帯までよほど乾燥していなければ植林できるのではないかと思われてならない。

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