3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

いびき10 <マウスピース>

いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の人では、時にあごが小さかったり、噛み合わせが悪かったり、上の歯に較べ下の歯が奥に引っ込んでいる、などの歯科的な問題のあるケースが、散見されます。

また、こうした現象の結果か、固い食物もしくは噛みごたえのある食物の苦手な方もおられます。

更に、この連載の「いびき@」にも書いたように、近年の若い女性に多く見られる細いあごも、いびきの原因となり易いものです。

こうした事実から、噛み合わせを改善させることによって、いびきの治療に効果を期待できるのではなかろうかと、想像することができます。

なぜなら噛み合わせの悪い下顎は、睡眠時下へ落ち込みがちで舌根部の沈下をもたらし、その結果気道の狭窄が生じることもあるからです。

そうした機序を考えた場合、マウスピース(いびきや睡眠時無呼吸に使用するそれを、スリープスプリントと呼んでいます)を使用して噛み合わせを改善してやることは、いびき治療の1方法となるはずです。

図1・2にサンプルを示しましたが、夜眠るときにこうしたマウスピースを装用することになります。噛み合わせの悪い人では、このマウスピースにより下顎の落ち込みがなくなります。そしてその結果、舌根部の沈下が消失して、睡眠時の気道狭窄が改善し、いびきや無呼吸が楽になる訳です(図5)。

図4のように、装用時の噛み合わせの適・不適は、歯科用のレントゲン写真で確認できます。

図5は噛み合わせのモデルで、図6は製作装置です。

このスリープスプリントつまりマウスピースは、図1・2で見る限りどこの歯科医でも作ってくれる、歯軋り防止用のナイトガードそっくりです。このため、近所の歯科医で見様見真似のスリープスプリントを作成して来られる方も、時に見かけます。けれどもナイトガードは、上の歯だけ歯形を採取して作成するのが普通です。

それに対してスリープスプリントは、下顎を固定するのが目的です。つまりいびき防止のためには、下顎と舌根部の沈下を予防せねばなりません。この目的のためには、むしろ下の歯形の採取がより重要となります。

総入れ歯の人や歯槽膿漏の人には使用できませんが、一度は試してみたい治療法と言えます。

       三好耳鼻咽喉科クリニック 院長 三好 彰

トップページへ 次ページへ いびきトップページへ