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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

ブタクサの鼻アレルギー


秋になるとくしゃみ・鼻水鼻づまりが生じる、そんな季節性の鼻アレルギーの一つにブタクサ花粉症があります。

このブタクサという植物は帰化植物で、本来は日本に存在しなかったものです。自生地はもともと、北米のロッキー山脈より東部のアメリカ合衆国全土(ことにオハイオ州・イリノイ州)の荒野でした。

そのブタクサが日本に入ったのはなんとペリーの黒船の時だったとも言われます。もちろん第二次世界大戦後、進駐軍の日本駐留が、日本全土にブタクサの広がる最大のきっかけでした、北米本土から持参した進駐軍の荷物にブタクサが付着していたからです。

ところでブタクサという名前がなぜ冠せられたか、次のような説があります、メリケン波止場に到着した荷物と共に、そのクッションの役目を果たす目的で入れられて来たのが実はブタクサだった。そのブタクサの英名Ragweedの意味を英語の教師に質問したところ、ragには「ぼろきれ」とか「いやしい人」の意があることから「ブタ」、weedには「雑草」という意のあるところから「クサ」と訳した。つまり「ブタクサ」という言葉が出来上がり、それが定着した。そういうエピソードです。

ともあれブタクサは、欧米とくにアメリカでは花粉症の原因として極めて重要な病因とされています。この場合ブタクサは鼻アレルギーだけでなく、花粉によるぜん息をも引き起こします。それも、ブタクサが問題視されている理由の一つでしょう。

ブタクサによる鼻アレルギーの症状は、スギ花粉症と同じです。くしゃみ・鼻水・鼻づまりがあって、一見風邪みたいに見えます。時期的にも、夏の終わりで秋風の吹き始める頃がブタクサのシーズンですので、鼻風邪と混同されがちです。

ブタクサ花粉症についても、鼻アレルギー治療の基本は同じです。

1. 家の窓を開き放たない。花粉の家屋内侵入を予防します。
2.外出から帰ったら、衣服に付着した花粉を払い落とす。
3.抗アレルギー剤の内服や点鼻・点眼を早めに行なう。そのためには、鼻風邪かなと思っても長引く場合には耳鼻科医を受診する。

意外と知られていないブタクサ花粉症。適切な知識を基に、早めの対応を心掛けて下さい。
 
(三好 彰:三好耳鼻咽喉科クリニック院長・南京医科大学耳鼻咽喉科客員教授)
 
河北新報 マイタウンかほく泉10月号(平成7年9月27日)
花粉症・アレルギーについては、『スギ花粉症』コミック『愛しのダニ・ボーイ』でもご紹介しています。
関連リンク: 用語集 アレルギー性鼻炎
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