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激痛伴う急性中耳炎
《まれに髄膜炎発生、うみ出れば痛みなし》
寒い時期、特に風邪がはやっているときに、子供が耳の痛みを訴えたら、まず急性中耳炎を考えねばなりません。
通常、熱があったり、風邪のほかの症状を伴うので、容易にそれと想像がつきます。ただ、ときに風邪の治った直後、もしくは風邪の治りかけに、突然急性中耳炎が発症することもあります。油断は禁物です。
この中耳炎は、風邪をひいたときに、のどの炎症が、耳管という耳とのどの裏をつなぐ管を通して、中耳に波及するために発生します。決しておふろなどで、耳に水が入って、中耳炎になるわけではありません。
急性中耳炎の耳の痛みは刺すように激しく、子供は転げ回るようにして、痛がります。この痛みは細菌感染で中耳(鼓膜の奥のスペースのこと)にうみがたまり、内側から鼓膜を圧迫するために起きるもので、うみが耳だれとなって鼓膜の外に出てしまえば、うそのように痛みはなくなります。
子供が激しい耳の痛みを訴えた後に、その耳からうみが出てくると、はた目にはとても悪くなったようで心配です。特に、そのうみに血が混じっていたりすれば、なおさらのことです。けれども実際にはそれで痛みはなくなります。不安を募らせる必要は全くありません。
急性中耳炎になって、耳鼻咽喉(いんこう)科へ行くと、耳鼻科医は鼓膜の内側にたまっているうみを出してやる目的で、鼓膜に小さな傷をつけます。これを鼓膜切開といって、先に述べたような理由から、耳の痛みをすぐに楽にしてやる最良の方法です。
耳鼻科医から、子供の耳を切開するとか、鼓膜を切る、などと説明されて、おびえてしまう親もいますが、決して心配はいりません。"耳なし芳一"になるわけでは、もちろんありませんから。
こうして鼓膜切開をした後、あるいはその必要性がなく切開しななかった場合でも、抗生物質と消炎鎮痛剤の投薬が行なわれます。それを子供に服用させ、2、3日は少しおとなしくさせておかねばなりません。
当日は、おふろを控えた方が賢明です。おふろも結構体力を消耗するものです。湯冷めしてしまうのも心配です。
夜間、突然耳が痛くなって、どうしようもないときには、痛みを少しおさえる意味で、耳の周りを冷し、市販の痛み止めを飲ませてください。耳鼻咽喉科が遠くて、とても行けないときには、かかりつけの家庭医に相談するのもよいと思います。
ただ、余裕があったら、一度は耳鼻科医に診せておくことが、後に触れる滲出(しんしゅつ)性中耳炎を予防する目的からも必要です。
急性中耳炎で頭に入れておかねばならないのは、本当にごくまれなことですが、全身状態が悪くなり、髄膜炎の発生することもあることです。
そうなってしまうことはめったになく、珍しいといってよいのですが、耳の状態ばかりでなく、子供の全身状態にも気を配ることが重要です。
ぐったりする、ぼんやりして反応が鈍い、高熱が出る、などの症状があったら、一応医師にその旨を伝えてください。
急性中耳炎はなぜか休日の前夜に多いような印象がありますが、その理由はよく分かりません。親の興奮が子供に伝わるためでしょうか?
(三好 彰:三好耳鼻咽喉科クリニック院長)
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