自分たちでピアシングすると?
親や教師に禁止されているから、という訳でもないのでしょうけれど、今だに女子高校生などが自分たちでお互いの耳たぶに安全ピンなどで穴を開け、ピアシングしてしまうことも皆無ではないようです。
噂話でしかありませんが、そんな女子高生のピアシングは以下のような手順で行なわれるのだそうです。
まずお互いの耳たぶを、氷で感覚の無くなるまでガッチリ冷やします。
それから安全ピンを持って、2人のうち一人(以下、女子高生A)が身構えます。
女子高生A「いーいっ?」
女子高生B「いーわよ!」
A「行くわよッ。」
B「来てぇ。」
A「えーいっ!!(ブスリと耳たぶに穴)」 B「キャーッ。」
こういった自分たちでのピアシングに、もっとも多く用いられるのは安全ピンのようですが、われわれのアンケート調査では、時には布団針やまち針さらには画鋲を用いたとの回答も、見られました。
このように、安全とは程遠い環境で行なわれることの多い自分たちでのピアシングですが、当然後に記すようなトラブルが絶えません。しかも、困ったことに親に内緒でピアシングした手前、トラブルが生じたとしても親の保険証を借りて医療機関を受診することは、むろんできません。トラブルは治療されないままに、放置されることとなります。
これらの、自分たちでピアシングしたためのピアス・トラブルでは、第一に感染の問題があります。
細菌感染はもちろんですが、本当に恐いのは消毒が不十分なまま安全ピンを大勢で使用した場合などの、肝炎ウィルス蔓延の危険性です。もちろんエイズ・ウィルスなど、他にも恐ろしいものはたくさんあります。
現実に日赤における献血でも、自分たちでピアシングをした献血希望者には、ピアシング後1年間の血液提供を断っているそうです。ウィルス感染の可能性が、どうしても否定できないためです。
第二に、金属アレルギーになり易くなります。これはピアシング後の管理の問題でもあるのですが、通常ピアシング後その穴に皮膚が張る(上皮化)までに、最低1ケ月はかかります。非衛生的な管理のために化膿して上皮化が遅れ、1年以上かかってしまう人も中にはいます。この間ピアスの穴はいわば生キズですので、感染に弱いだけでなく、ピアスの金属がイオン化し非常に金属アレルギーになり易い状態にあります。この間の管理が重要で、上皮化までの時間が長いほどアレルギーを生じがちなのですが、わりと無関心な人が多いようです。
第三に市販のピアス製品には、金の純度の低いものが多く見られます。ご存じのように、金は皮膚(上皮)の上からはイオン化して吸収されることがまず無く、トラブルをあまり起こしません。けれども金の純度が低く他の金属成分が多いと、金属アレルギーになり易いのです。ですから可能でしたら、24金コーティングされたピアスを、上皮化の後も装用して頂くべきだと思われます。
なお、本当にごく稀に24金に対する金属アレルギーのある人も、存在します。これは上皮化するまでの、ピアスの傷の剥き出しである期間が感染などのために長引き、この間に金のイオン化が生じたものと考えられています。例え24金でも皮膚の張っていない生キズと接触していると、イオン化することがあるのです。その結果金は体内に取り込まれ、蛋白質と結合してアレルギー反応の元となるアレルゲン化してしまいます。すると金に対してアレルギー反応が生じますから、金のネックレスや入歯を使用したときに、アレルギー反応が発生します。もちろん金のピアスは、装用できません。
これを防ぐ目的でピアシング時のピアスには、人工関節などに使用され人体に対する安定性の確認されているチタンを使用する方法もあります。またセラミック製のピアスも発売されており、それらは金属アレルギーの心配がありません。
こうした工夫で、金属アレルギーの恐れ無くピアシングを実施できますので、くれぐれも安全ピンなどを使用して隠れて自分たちでヒアシングしたりすることの無いよう、心懸けてください。
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