お話を伺った限りでは嚥下傷害は見られないようですので、差し当たり悪性疾患を心配する必要はなさそうです。
このような、痛みも嚥下の差し障りもまったくないのに喉に何かある感じがとれない、そんな状態を咽喉頭異常感症と称します。その背景にはさまざまの疾患の存在することが知られており、ことに鉄欠乏症性貧血や下咽頭もしくは食道の悪性腫瘍、そして心因性・精神病性の疾患の潜在することが報告されてきました。
それに加えて最近では、咽喉頭粘膜のアレルギー反応のために違和感を感じる症例の少なくないことが判ってきています。
お話では、抹茶・茶菓子の摂取直後から違和感が発生しており、喉の閉塞感を伴うことが理解できます。それ以前になんら症状は無く、夕食後に症状は消失しています。嚥下障害はまったくなく、何かできているわけでもなさそうです。このような場合、茶菓子の成分に対する植物アレルギーが潜んでいることがありますので、その可能性について確認しておくことが重要です。
具体的には、午後のお茶を中止してみて症状が出現しなくなってしまうかどうか、一度試して頂きたいのです。もしもそれによって喉の違和感が出なくなるようでしたら、それはお茶菓子の成分によるアレルギーが強く疑われます。
ものもお茶菓子の中止で症状が改善しないようでしたら、喉や食道に腫瘍が潜在する可能性を、完全に否定することはできませんので、やはり一度は耳鼻咽喉科などで喉を見てもらうほうが良さそうです。
(三好耳鼻咽喉科クリニック院長 三好 彰)
「ホスピタウン2003.12月号掲載」