3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集


スギ花粉症を追って(2) [1ページ2ページ3ページ]
前へ[←前のページの内容を読む]
和平旅行社の写真
それにしても標高3640メートルの現地には、スギ花粉やそれに類する(抗原性の共通する)花粉が観察されるのでしょうか?

私たちが2001年10月の調査でラサに余りにも縁の少ないことから、花粉の飛散やそれによる飛粉症の存在に疑問をもったことは事実です。でもその印象は早とちりだった可能性も皆無ではありません。

不思議に思いながらネットで「チベット」をキーワードにサーチしていたところ、和平旅行という旅行社のホームページに「チベットの大杉」と名付けられた写真の掲載されていることに、ある日気付きました。

それが右にお示しする、巨木の写真です。なおこの写真は、和平旅行社のご好意でここに掲載してあります。
 
ラサ上空から見た市内の光景
中央にポタラ宮とヤルツァンポ川が見える
  樹齢2600年のヒノキ科巨木はラサ市の東方400キロに当たる八一鎮内の林芝地区に存在する
画像をクリックすると拡大図がご覧いただけます 
林芝地域の光景
ラサ市内に較べて緑が豊富
改めて旅行関係の書物で確認するとこの地は林芝と呼ばれる地域で、スギではなく樹齢2600年のヒノキの植生の見られることが判りました。

林芝はラサ市の約400キロ東方に当たる、比較的温暖な地域にあります。

調査スタッフはここで和平旅行社の写真と全く同一の巨木に出会いました。巨木から採取した標本は東邦大学生物学教授・佐橋紀男氏によりまちがいなくヒノキ科の樹木であることが確認されました。
   
巨木と調査スタッフ   和平旅行社の写真と
同じ角度から見た巨木
  樹齢2600年の巨木との掲示(林芝にて)
講義を終えて白川教授一家(後列向かって左側)
程先生一家(同じく向かって右側)とともに
チベットすなわち世界の屋根に、スギ花粉など花粉症の原因花粉は存在しないと私たちは先入観を抱いていましたが、スギにスクラッチテスト陽性反応を示す被験者の確認によってそれは覆されました。そして、同じチベット内にスギと共通抗原性を有する可能性のあるヒノキ科の巨木を観察し得たことで、この林芝ばかりでなくチベット国内に花粉症の原因となる植物の植生地が存在する確率と、それがラサ市の被験者に与える影響について無視し得ないと考えるようになりました。なお、ラサ市における飛散花粉の調査はこれまで必ずしも完全とは言えませんでしたので、今後私たち自身の手で再調査したいと計画しています。

ともあれ花粉症は抗原抗体反応であり、原因があって初めて結果が惹起されるのだというシンプルな考え方は、ここに述べて来たようにスギ花粉症を追っていく中でより強固になっています。

今後、スギ花粉症をさらに追及する中で何が見出されるのか、興味は尽きません。
こちらのページで講義の様子がムービーでご覧いただけます。
アレルギー性鼻炎解説については『愛しのダニボーイ』のダニアレルギー解説もご覧下さい
前へ[←前のページの内容を読む]
関連リンク: スギ花粉症〜レーザーとソムノプラスティによる新しいアプローチ〜
トップページへ 前ページへ