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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

2月1日 NHK「よじらじ!宮城」に出演しました。その要旨抜粋を掲載したします。

Q:今年は花粉の飛散が早いと言われていますけれども、本格的な飛散はいつ頃に今年はなりそうですか。

A:例年、宮城県内ですと3月上旬に花粉が飛び始め、花粉飛散のピークは大体3月の20日ごろだと言われております。おまけにその前後に春分の日がありまして、皆さんお墓参りに行くものですから、外へ出なければ花粉を吸わなくても済む人たちがどうしても外へ出ざるを得なくて、たくさん花粉を吸い込んで帰ってくる。それで発作がひどくなるみたいな話があります。去年の夏が暑かったものですから、今年は花粉の量も多いですし、恐らく早めに飛ぶんじゃないかと言われています。実際去年の暮れからもうスギ花粉の飛散は確認されていまして、発作の起こっている方も何人かいらっしゃいます。

Q:大体今年はいつごろでしょうか。

A:間違いがないのは3月の上旬だと思いますので、予防なさるんだったらその前からお考えのほうがいいと思いますよ。

Q:具体的に花粉症の症状というと、どういったものがありますか。

A:花粉症は、要するにアレルギー反応で、抗原抗体反応なんですけれども、花粉やダニのような異物が鼻から入ってこないようにする、それが発作の目的なわけですから、くしゃみをして花粉を吹き飛ばす、それから鼻みずを流して花粉を流してしまう、そして鼻づまりで花粉が体の中に入ってこないようにする。そのくしゃみ・鼻みず・鼻づまりが鼻についてはメイン、それに目からも入ってこないように目から涙が出てくる。そういった症状になっていますね。

Q:そういう症状を特にこの季節はカゼと混乱してしまう方もいらっしゃるんじゃないかと思うんですが。

A:カゼも要するにウィルスが鼻の粘膜から入ってこないように人体が反応するその結果ですから、やはりくしゃみ・鼻みず・鼻づまりで入ってこないように防御するわけですね。ただし、ウィルスだと全身的に熱が上がったり、あるいは感染を起こして青っ洟になってきたりしますから、少し経過を見てれば区別がつくと思います。全身症状も変わってきますしね。

Q:症状が出たらまずは病院に行って診てもらって、どちらかを判断してもらうというのがいちばんいいかもしれないですね。

A:そうですね。特に花粉症の予防のシーズンですから、早めに手を打つことは重要だと思いますね。

Q:花粉症という言葉なんですが、昔は聞かなかったように思うんですけれども、なんで急に最近聞くようになったんでしょうか。

A:スギ花粉症が日本ではじめて社会的な問題になったのは、1979年の大飛散だったんですね。その前にも76年に1度こんなことあったんですけれども。と言いますのは戦後日本は復興のために山々の木々を切り倒してそれで建築をしたんですね。そしたら山が禿山になっちゃったものですから大洪水を起こすようになってしまった。その治山治水のために全国一斉にスギ・ヒノキの木を植えたのが1950年なんですね。そうしますとスギやヒノキは大人になって、樹齢30年になると花粉を一定の量飛ばすようになるわけです。ですから50年に植えられた杉は80年前後、つまり79年の大飛散はそのために時期的に一致して起こったと考えることができるわけです。それ以降毎年スギは花粉を飛ばしていますから、その前は聞かなかったスギ花粉症が日本人の国民病になってしまった。無理がないことだと思いますねえ。

Q:花粉症の治療というのは具体的にどんなものがあるんでしょうか。

A:われわれとしては最初きちっと診断をしていただいて、というのはご自分でスギ花粉症だと思っていてもダニのアレルギーだったり、あるいは蓄膿症だったりすることも少なくないものですから、おかしいなと思ったら1度はやはりちゃんと専門医で診断をしてもらって、最近は以前と違ってお薬にしても2ヶ月3ヶ月シーズン中、ずうっと飲めるだけの量を差し上げることが出来るものですから、しっかりした診断をしてその対策としてお薬をもらうのもいいんじゃないかと思っています。市販のお薬でも十分役に立つとは思いますけれども、いまはもうシーズン前にお医者さんに行ってしまえば1シーズン楽に過ぎるようなシステムになっていますから、活用なさるのはベターかなと思っていました。

なお、花粉症のお薬ですけれども、飲み薬、鼻のスプレーとそれからお注射があると思うんですよ。飲み薬で言いますと、これは大きく2つに分けられまして、抗アレルギー剤というアレルギー反応を抑える予防的な作用を持つお薬と、それから抗ヒスタミン剤と言って実際症状が起きてしまったその症状そのものを抑えるお薬との、2種類があるわけなんですね。抗アレルギー剤の場合には花粉が飛び始める前の2週間前という余裕を持って飲み始めると、お薬が十分効くと言われています。まあそのシーズンによって花粉の飛び始める時期が違いますし、人によって転勤があって他のところで早めに花粉に接触したりということもありますから、理想を言えば、例えば3月初め飛び始めるとしたら、1ヶ月前の2月初め頃から治療を始めるというのがいいんじゃないかと考えていました。

それから抗ヒスタミン剤なんですけれども、これは症状が起きてからその症状に合わせてお薬を使います。昔はこの抗ヒスタミン剤、眠くなるものもあったんですけれども、最近はそうでもなくなってきましたので、わりと受験生でも使える方が多くなっています。それはご相談いただきたいと思っていました。

それから鼻に使うお薬、スプレーがありまして、これは抗ヒスタミン剤のスプレーがあったり、あるいはステロイド剤で、体に吸収されないタイプの点鼻薬があります。ステロイドは体に吸収されると副作用がありますけれども、鼻の表面だけスプレーして体に吸い込まなければ副作用がないものですから、シーズン中ひどいときにうまく活用するというのは利口な方法だと思っていました。

お注射というのがありまして、減感作療法というのは根本的な治療だという言い方をよくされるわけなんですけれども、確かにまじめに受けていただければすごく役に立つとは思うんですが…。

Q:それはどういう治療法なんですか。

A:それは、そのスギ花粉のエキスを少しずつ少しずつ間をおいて、時間をかけて体の中に投与していく。まあ体をスギに慣らしてしまうという言い方がいいでしょうか。ただ、そのためには毎週2回3回とお医者さんに通って、1年2年と行かなくちゃならないものですから、どうしてもスギ花粉症、3、4月の2ヶ月だけで終ってしまう、そのために2年も3年もかけて通う方というのはときどき…、んー、たいてい挫折するみたいです。

Q:その外に手術療法というのもあるそうですね。

A:われわれが多く行っている手術療法は、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりの発作が起こらないようにするレーザーで照射する方法と、それから鼻づまりはあとで述べるように非常にてこずるものですから、高周波を使って治療する対症方法とがあります。レーザーの場合には、要するに鼻の粘膜の表面を軽く焦がしてやってその細胞を落としてやると、そこは花粉が入ってきても反応を起こさない状態になるわけですから。人間の体というのは細胞が常に入れ替わっておりますので、1年間経ったらまたもう一遍レーザーを受ける必要はあるかもしれませんけれども。

Q:そうしますと、毎年受けたほうがいい手術ということになりますか。

A:その方によっては2年3年なんともない方というのも、それはいらっしゃるんですけれども、住んでいらっしゃる状況が違うものですから一概には言えないんですね。その人間の鼻粘膜の細胞の入れ替わる時期を考えて、できるだけ毎年受けていただければありがたいとは話しています。これで、くしゃみ・鼻みずの発作はわりと楽になると思うんですけれども、鼻の表面だけしか焼けないので、裏側から入ってくる花粉に対してはお薬が必要かもしれないんですけれどもね。それと、レーザーではどうにもならないのが、いつもいつも鼻がつまっちゃってものが考えられなくなるといった鼻づまりの症状が辛いわけなんですね。これはアレルギーの炎症が慢性化する結果、鼻の粘膜が繊維化するという言い方をしますけれども、タコになってしまう、硬くなるものですから。それをどうしてもお薬だけでは…、まあタコってお薬塗っても治らないですからね。それは、別の方法で解決しなくっちゃならないんですよ。よく昔は鼻の粘膜を切ったりして縮めていたんですけれども、そうしますと痛いし血が出るし、鼻の粘膜の機能である加温加湿が出来なくなるものですから、できたら鼻の粘膜の表面に傷をつけたくないということで、われわれは高周波治療を使っているわけなんです。これもレーザーも日帰りで出来るんですけれども、高周波の場合には鼻の粘膜の腫れてるところに針を刺してやって、その奥のほうで高周波を発生してやるんですね。そうしますと、その針の先だけ電子レンジに入れたみたいになって、表面には傷をつけずに内側だけ引っ込んでしまう、つまり全体的に鼻の粘膜が腫れが引っ込むということが出来るわけです。われわれはレーザーとその高周波を使って、そういった花粉症の辛い苦しい時期をコントロールするように努力をしています。

Q:先程の病院での治療法以外、私たちが普段生活の中で気をつけたほうがいいポイントはどういったところでしょうか。

A:非常に当たり前な表現になってしまうんですけれども、スギ花粉症というのはアレルギーであって、抗原抗体反応の問題ですから、その原因であるスギ花粉に接触しないのがいちばんいいわけですね。ですからよく言われているように晴れた日には外に出ない、出るんだったらマスク、ゴーグルをつける。出るときには花粉が吸着しやすい服じゃなくて、つるつるして滑るような、花粉がつかない衣服を着けていただく。家に入るときは花粉を落としてから入っていただく。それから家の中でも掃除機をかけたりして落ちた花粉を処理してしまう。この場合掃除機は、後ろから空気が出てしまうようではまた掻きまわしてしまうから、ちゃんとそれなりの対策がなされた機種を選んでお使いになることが役に立つと思います。それからわれわれが強調しているのは、布団をなるべく晴れた外で干さないほうがいいんじゃないかと。どうしても寒かった時期、じめじめしていた布団を晴れると干したくなるんですけれども、干したらスギ花粉がすっかり布団の中に吸い込まれてしまって仕込み布団になってしまうものですから、夜中までスギ花粉症の悪夢に悩まされるということになってしまいます。可能でしたらカバーを掛けて、そのうえで干していただく。それから取り込むときに、はたいていただく。そういったことが必要になってきますし、もし可能だったら布団、丸洗いに出していただくのもそれもひとつの方法だと考えています。

Q:世の中には最近特に花粉症対策グッズなるものがたくさんありますが、特にお勧めのグッズはなにかありますか。

A:平凡な言い方ですがマスク・ゴーグルが役に立つと思います。ただ選ぶ場合に、いろんな材質のマスクがあってそれなりの効果はあるんだと思いますけれども、ポイントは漏れがないかどうかですね。どんなにマスクが効果があっても、隙間があってそこから花粉が入ってきたんではまったく意味がないものですから、ピタッと密着して漏れがなく使えるマスクかどうか、それのほうが材質やなんかよりも重要な選ぶときのポイントだと思っています。

Q:そしていま、わりと私の周囲でもよく聞くんですが、ヨーグルトを食べ続けるとどうも花粉症にいいようだという話があるんですが。

A:これは、成分である乳酸菌というものを抽出しまして、われわれは実際に花粉症の方に使っていただいて、その結果を統計とったことがありますけれども、明らかに役に立ちます。もし可能だったらヨーグルトのような乳酸菌製剤をおとりいただくと、それはかなり効果が期待できると思います。

Q:そして最後になりますが、ラジオをお聴きの皆さんに三好先生からアドバイスがありましたらお願いします。

A:花粉症はもう抗原抗体反応で、原因がなければ絶対発作は起こりません。その意味で非常に平凡ではありますけれども花粉を吸い込まない、先程のいろんな工夫、晴れた日の外出はマスク・ゴーグル、それから布団干し、そういった基本的なことを着実にやっていただくこと。それからシーズン前に診断をしっかりつけていただいてそれなりに効果のある対処法を心がけていただくこと、それがいちばんじゃないかと思っております。

きょうは花粉症の今年の傾向そして予防方法などについて耳鼻咽喉科の専門医でいらっしゃいます三好彰先生にスタジオでお話を伺いました。
どうもありがとうございました。

 
関連リンク: スギ花粉症〜レーザーとソムノプラスティによる新しいアプローチ〜
用語集 花粉症

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