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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

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 お年寄りの方が、自分に都合の悪いことは「ハアー、なんですって?」と聞こえないふりをするコントは昔からありますね。でもドクターの話によるとまんざら嘘ではないことがわかりました。また若い方でも聞こえにくくなる場合もあります。音楽を聴いたり、携帯電話をイヤホーンで受け応えする機会の多い方は今回のお話きちっと受け止めましょう。

 人間の体の中で一番ちいちゃなホネって、どこにあるか知っていますか。手のひらにあるんでしょうか、それとも足の小指の骨のどこかにひっついていると思いますか?ブーッ!

 実はどっちもはずれ、です。

 人体最小の骨は耳の中にあって、音を伝える役目を果たしています。正確には、鼓膜の内側に耳小骨と呼ばれる3つつながった小さな骨があり、その中のもっとも内側のアブミ骨が話題のそれです。この骨は縦の長さが3.5mmで重さ3mgですから、どれくらいちいちゃいか判っちゃいますよね。

 音は鼓膜からこの耳小骨を通じて内耳へ入り、音を感じる感覚細胞へ伝達されます。だけど、そんな細かい骨につながっている内耳細胞がどんなに繊細なものか、これも簡単に想像できますよね。

 ですから内耳細胞は、ひどく揺すられたり乱暴に扱われ続けたりすると、少しずつ壊れて行きます。そうすると内耳は音を感じにくくなり、つまり難聴(聞こえが悪いこと)となります。

 一方、大きな音は内耳を強く揺することになりますから、大きな音を突然聞かされたりすると内耳は揺れ、細胞がダメージを受けます。さほど大きな音刺激でなくとも、何時間も音を続けて聞くと、細胞もくたびれます。これも、難聴につながることになります。

 ですからヘッドフォンで何時間も音楽を聴き続けると、難聴になることはあり得ます。


 そんなわけで内耳細胞は、長く音刺激を受け続けるとダメージが積み重なり、一言でいうとすり減ります。音を感じる細胞がすり減れば、音は聞こえにくくなります。それが老人性難聴です。

 だけど内耳細胞は、すべて均等にすり減って行くんじゃありません。高い音域を担当する細胞から、先にダメになります。

 これは、アブミ骨につながるカタツムリ管と呼ばれる内耳細胞の入れ物の、入口付近に高音を感じる細胞が位置しており、奥に行くほど低音を担当するようになることと関係があります。

 カーペットを敷き詰めてある部屋で、ドアに近い部分のカーペットと、部屋の奥の人のあまり通らない部分のカーペットでは、どちらの減りが激しいでしょう。

 アブミ骨はカタツムリ管のドアの役割を果たしていますから、低音担当のカタツムリ管奥に位置する内耳細胞より、アブミ骨のそばの高温域を担う感覚細胞の方が、すり減り方がよりひどいとことになります。

 「アイウエオ」を母音、「サシスセソ」を子音と言います。この母音はその成分が比較的低い音域にあり、子音は高い音域に主成分があります。ですから高齢者の、高音域担当細胞がにぶくなった内耳では、「サシスセソ」が聞きにくいことになります。

 すると聞き言葉はゴモゴモして聞こえますから、お年寄りでは話し掛けられていることは判るが、話の内容を把握しにくいという現象が生じます。年令による難聴は、単に聞こえにくいだけじゃないんです。


 耳栓が、騒音対策には有効です。耳栓をすると職業上危険がある場合はやむを得ませんが、それ以外の場合にはご活用頂きたいと思います。

   
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