3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

患者110番

読者の皆さんからよせられた質問に対し、専門医がアドバイスをします。ご質問内容はできるだけ詳しく、具体的にお書きください。既往症や家族構成などもお書き添えいただくと、詳しいアドバイスをするのに役立ちます。


しゃがれ声になってしまった…喫煙のせいでしょうか?

Q 数週間前から声が出にくくなり、しゃがれ声になってしまいました。カラオケで歌を唄うなど、喉を酷使するようなことはしていませんが、タバコを1日に1箱以上吸う生活を何年も続けています。何かの病気の兆候でしょうか。
(52歳・男性)
   
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声を出す声帯の動きが悪くなると、声が出にくくなったり、しゃがれ声(嗄声)になったりします。

●考えられる原因は炎症や腫瘍など

 さまざま声帯の動きが悪くなる原因としては、
(1)声帯が炎症を起こし粘膜がはれて動きが悪くなっている、
(2)鼻の炎症が原因で鼻水が喉に流れて声帯にへばりついている、
(3)声帯にポリープもしくは悪性腫瘍(がん)ができている、
(4)声帯を動かしている反回神経にマヒが生じて声帯が動かなくなっている(反回神経の通じている胸廓内に腫瘍が生じた場合や、反回神経の幹である迷走神経の核が存在する延髄に腫瘍や出血、もしくは梗塞が発生した場合に生じるもの)、
などが考えられます。

  ご質問では、カラオケなど声帯の過度使用はないとのことでしたので、(1)の炎症は考えにくいと思われます。(2)は鼻の症状についてご質問のなかで触れられていませんが、可能性は否定できません。(3)の声帯のポリープは、声帯の過度使用が背景に存在するはずですから、今回は想定しにくいところです。一方、(4)の反回神経のマヒによる嗄声は否定できません。

  ただし、延髄に病変が存在すれば、何か中枢性の症状がほかにも現れるでしょうから、延髄ではなさそうですが、胸廓疾患による反回神経マヒは、良性・悪性を間わず起こり得ます。良性のものでは大動脈瘤が代表ですし、悪性のものでは肺がんの可能性も出てきます(特発性と称して、原因の見つからない反回神経マヒも存在します)。

●ヘビースモーカーなら喉頭がん、肺がんの検査を

 タバコを1日に1箱以上吸う生活を何年も続けているとのことですので、悪性腫瘍の可能性も考えられます。声帯の悪性腫瘍の代表は喉頭がんです。これは肺がん同様、喫煙と深い関係が見られます。ご質間の方が、もし10年以上のヘビースモーカーならば、まっ先に喉頭がんか肺がんについて精密検査を受けてみられることをおすすめします。

  三好耳鼻咽喉科クリニック院長・南京医科大学教授
三好 彰

関連リンク: 用語集 嗄声
用語集 カラオケポリープ
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