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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
 
今まで耳鼻科治療を受けたことのないという人はあまりいないだろう。それだけ耳鼻科は、我々が身近に感じている診療の一つでもある。「耳、鼻、咽喉」は、日常生活を営むうえで常に機能していなければならない。もし、異常をきたしたら・・・。仙台耳鼻科界の第一人者・三好耳鼻咽喉科クリニックの三好彰院長が、諸症状について分かりやすく説明する。


これまでに登場していただいた医師の中で、これほどユニークな先生は初めてだ。三好耳鼻咽喉科クリニック(仙台市泉区)の三好彰院長は医学という固いイメージの殻を破り、その医学の知識を人々の生活の中で日常的なものとするため、耳鼻科に関連する症状等を漫画化。その監修・解説を担当し、大人から子どもまで分かりやすく理解できるように努めている。

「まんが みみ・はな・のどシリーズ」と銘打って、毎年一冊のペースで発行。漫画は架空の人物がストーリーを発展させるが、その中に実例も織り交ぜられ、後半には文章による症状の解説もされている。

今年は九冊目となる嗅覚・味覚障害を題材にした「味気ない世界の中心で」が発行されたばかりだが、一冊目発行から今日に至るまで、「カラオケポリープは踊る」、「難聴・早期発見伝」、「さつきさんの憂鬱(めまい・五月病)」、「いびきをかく夜は恐ろしい」、「中耳炎世界の冒険」、「愛しのダニ・ボーイ(ダニアレルギー・アレルギー性鼻炎)」、スギ花粉症ハックションコミック「美人アナ・花子さんの場合」など、各症状について分野ごとに詳細な説明が成されている。原作は山形三吉氏、作画は西原雅夫氏・たかはしよしひで氏と、制作メンバーも毎回同じ。息の合った連帯感でコンスタントに発刊を続けている。

コミック「いびきをかく夜は恐ろしい…」はこちら コミック「味気ない世界の中心で」はこちら
漫画本を出し始めた動機について、三好院長はこう答える。

「共同通信に連載していたものを単行本にまとめたのが山形の出版社。 理解しやすいようにいわば平仮名語を多用したのですが、実に評判が良かった。そして、漫画ならもっと分かりやすいのでは?ということで、その単行本のイラストを担当した人達に(漫画を)描いてもらった。最初は花粉症の漫画(九五年春発行)を描いてもらいましたが、それから毎年1冊ずつ本を出してきました。それらはインターネットでも見られるようになっています」

さて、今回は鼻と咽喉との繋がりが深い「いびき」について聞いてみよう。どのような人がいびきをかきやすいか?というと、

「一言でいうと、いびきというのは、呼吸器を通過する空気がスムーズに流れなくて摩擦音を引き起こしてる状態のことです。スムーズに流れなくなる原因には、例えば肥満とか、喉の粘膜の形、アゴの形、寝相などがあります。アゴの形については、若い女性に多い小さなアゴ、引き気味のアゴがなりやすい。また、肥満の人の場合は空気の通る気道が狭くなっていることに起因します」

それでは、三好院長がこれまでに発表したいびきの原因疾患(大人の場合)の主なものを詳しく紹介しよう。

『形態的な理由』
軟口蓋の粘膜が他の人より狭く、呼吸に際して振動し易い人、そして舌の厚い人も振動によっていびきの元となる。また、鼻腔と咽頭の間の鼻咽腔と呼ばれる部分が狭く、鼻呼吸のしにくい人は、口呼吸する事によっていびきを生じ易い。

『扁桃肥大』
成人しても扁桃の大きな人は、それが原因でいびきを引き起こす。

『アレルギー性鼻炎』
鼻水・鼻詰まりがひどくなるため、自然と口呼吸となり、いびきの原因となる。

『副鼻腔炎』
かつては蓄膿症と呼ばれていたが、副鼻腔に膿の溜まった状態で、鼻水・鼻づまりを起こすことによって口呼吸となる。

『肥満』
咽頭の内側など、気道(空気の通り道)に脂肪がたくさん付いていると、気道が狭くなり呼吸するにあたり摩擦音(いびき)を生じるようになる。

『老齢化』
年齢とともに筋肉が衰えてくるので、咽頭の粘膜も弛暖して垂れ下がり、呼吸の際、振動しやすくなる。

その他、過労やお酒の飲みすぎ、寝癖や寝具の不具合なども、いびきを引き起こす原因となる。勿論、病的要素を有するいびきに関しては病院等で外科的(レーザー治療含む)な治療を要する場合もあるが、普段の生活の中でいびきを最小限に抑える方法もあるのでお伝えしよう。

まず「横向きに寝るだけで、いびきは大幅に減少する」ということ。具体的な方法は、

(1) 枕を傾斜させ、頭が横を向くようにする。例えば、本などを枕の片方の下に敷き、その傾斜を利用する。
(2) パジャマの背中部分に丸めたタオルを縫い付け、自然と体が横向きになるようにする。
(3) 抱き枕を使い、横向きに寝るように習慣付ける。可能であれば、足まで絡めることのできる大きめの抱き枕であれば、より楽に横向きで寝られる。
(4) 後頭部に詰め物した帽子をかぶって寝る。柔らかいタオルなどを丸めてスキー帽などに入れて寝れば、頭に負担がかからない。

一方、手や腕の位置もいびきの原因となる場合もある。例えば、腕が首・頬・アゴなどを圧迫するような位置にあると、空気の通り道が狭くなり、いびきを発生させやすくなる。また、胸の上に手を置くと、胸郭を圧することで呼吸が浅くなり、無呼吸やいびきの原因となる。そして万歳の格好をしながら寝ると首が圧迫されて空気の通り道が狭くなる。この寝方は 中年女性や肥満男性に比較的多く見られるので、横向き睡眠をお勧めする。

さて、次回はストレス性難聴など、「耳」について三好先生のアドバイスをお伝えする。


さて、今回の医療特集に登場した三好耳鼻咽喉科クリニック・三好彰院長が監修・解説を担当した「まんが みみ・はな・のどシリーズ・『味気ない世界の中心で 〜調理師をめざすほのかさんの場合〜』(いちい書房、税別八百円)」の出版記念パーティーが二月二日、青葉区のパレスへいあん五階で催され、パーティーに先立ち「味覚障害・嗅覚障害に関する講演会」を開催。医学関係者や一般の聴講者で会場は熱気に包まれた。

講演は二パターンに分けられ、前半が「味覚障害」と題して、三好院長が講師を務め、座長として東北大学大学院農学研究科の駒井三千夫教授(生物産業創成科学専攻・食品機能健康科学講座・栄養学分野)が舵取りを行った。

後半は「嗅覚障害の診断と治療」と題して、昭和大学藤が丘病院の三邉武幸教授が講師となり、九州大学大学院医学研究科の小宗静男教授(臨床医学外科学講座耳鼻咽喉科学分野)が座長を務めた。

会場では、新書の中に描かれた絵や説明文を用いたスライド写真を使用。三好院長が諸症状について分かりやすい解説を行った。そして三好院長は、
「人間は、体に必要なものに対して『美味しい』と感じる。美味しいと感じないのは、その料理に含まれる栄養素が既に摂取されているのです。そして視覚・聴覚の影響によって、食べ物自体が良い味にも悪い味にも変わってしまう」

その三好院長に対し、九州大学大学院の小宗教授は、
「私は若い頃から三好先生の名を知っていました。東北の三好一族というのは(耳鼻咽喉科の世界では)有名で、代々、耳鼻科を継いできた家系として広く知られていた。その三好先生と、こうしてお会いできるのも何かの縁でしょう」と感慨深く語った。

来年には、みみ・はな・のどシリーズの十冊目を発刊予定。三好院長の「絵で見せる医療」に益々磨きがかかる。

 

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