3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
 

TV取材をうけました

06年9月1日に、NHK番組・てれまさむね「健康とくらし」コーナーの取材を受けました。以下はその要旨です。




Q 乗り物酔いとは何が原因で起きるのか?
A:耳の中には音を感じる部分つまりかたつむり管と、めまいを感じる部分すなわち三半規管などの前庭が存在します。これら内耳からの信号は、脳神経の一つである聴神経(前庭過牛神経)を通じて脳へ伝えられます。乗り物酔いのときには、乗り物による揺れが前庭を強く持続的に刺激するために、迷走神経とそれに接続する副交感神経の症状を引き起こします。迷走神経は内臓の知覚つまり「塩梅良い」とか「塩梅悪い」に関わっていますので、乗り物酔いでは消化管症状として気持ちが悪くなり吐き気を生じます。また副交感神経の症状として、あくび、過呼吸、顔面蒼白、冷汗などが生じます。前庭への刺激からめまいを生じ、頭痛や何とも言えない不快感それに疲労感を伴います。目から入る刺激(視刺激)と体の感じる揺れの方向が異なるとめまいを感じ、乗り物酔い悪化を引き起こすことがあります。また迷走神経の症状があるときに、いやな臭いを嗅ぐと症状がひどくなりますが、これは迷走神経と嗅神経とが脳の中で接続しているために生じるものです。さらに、恐怖や心配など情緒的な要因が乗り物酔いを悪化させることも知られていますが、嗅覚中枢が扁桃体という大脳の古皮質であって、本能的な恐怖を感じる部分であることを考えれば、理解できます。乗り物酔いは慣れてしまうことも少なくないのですが、揺れがひどくなったり休止を挟んで再び揺れたりすると、また症状がひどくなります。乗り物酔いで嘔吐が続くと、低血圧や脱水が生じうつ状態となるので、注意が必要です。なお乗り物酔いには、動揺病とか加速度病とかいう別名もあります。英語では Motion sickness  と称します。


Q 乗り物酔いwo
A:乗り物酔いは、前庭への揺れの刺激に迷走神経が反応して生じるものです。この前庭から迷走神経への神経繊維の接続の詳細は、まだ良く判っていません。いずれにしても前庭への過剰な刺激をうまく人間の体が処理できない場合や、迷走神経への無用な負担がかかっている場合など、乗り物酔いになりやすい条件はあります。つまり体調が悪く睡眠不足の状態などでは、前庭への刺激をうまく処理できませんので乗り物酔いに弱いといえます。これはめまい疾患と共通することです。また乗り物に乗る前に過食をしたり、大量のアルコールを摂取することは、迷走神経に負担になりますので乗り物酔いの引き金となります。逆に、内耳とくに前庭の発育の良くない人では、乗り物酔いになりにくいと言えます。ドイツでの実験では、乗り物酔いになりやすい犬の内耳を除去したら乗り物酔いにならなかったとされています。


Q 乗り物酔いを防ぐ心掛けは?
A:乗り物酔いは予防が大切です。迷走神経への負担を避ける意味で、過食やアルコールの摂取を控える必要があります。内耳前庭の刺激を最小限にする目的から、乗り物酔いになりやすい人は乗り物のもっとも揺れの少ない座席を選びます。嗅覚刺激の影響を避けるために、新鮮な空気を意識して吸うようにするのも一つの方法です。視覚刺激と体の振動にずれがあるとめまいが起こり、乗り物酔いにつながります。ですから揺れている乗り物の中では読書したり、仲間とはしゃいで無理な姿勢をとったり、揺れとは方向の異なる視刺激の加わることは酔いのもとです。車の運転手は乗り物酔いになりませんが、揺れの方向と視刺激の方向が一致しているためかと想像できます。逆に、子どもは乗り物酔いになり易いとも言われていますが、仲間とはしゃいでの無理な姿勢と疲労が関係しているように思われます。乗り物酔いに「トラベルミン」などを内服すると、迷走神経を介した消化管症状を抑えることができます。(三好 彰)

 

取材光景
※画像をクリックすると拡大画像がご覧いただけます
関連リンク: 用語集 めまい

トップページへ 前ページへ