3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
 

院長が学会発表をしました。

 


われわれは1989年以来17年間、日本・チベットを含む中国・ブラジルなどで、約2万例の被験者にアレルギー学的疫学調査を施行してきました。

その結果、花粉症など1型アレルギーは、抗原抗体反応であり、反応の発生は抗原の存在を示唆すること、を確信するに至りました。

スライド(1)は、日本と中国における調査地の地図です。またスライド(2)は、ブラジルにおける調査地のペルナンブッコ州マカパラーナ地域の地図です。
 

スライド(1)

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スライド(2)

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スライド(3)は、これら調査地のうち小中学生に対して調査を実施した、栃木県栗山村・北海道白老町・江蘇省黎里鎮・江蘇省宜興市・チベット自治区ラサ市近郊の、HD・ダニ・スギ3種抗原のうち1種類以上陽性例の検査結果です。

興味深いことに、日光国立公園内に位置する栗山村だけでなく、杉の存在しないはずの白老町や江蘇省の調査地において、スギに反応を示す被験者がみられます(スライド(4))。けれどもこれらのうち白老町には、杉の人工樹林のあることが、町職員の証言で明らかとなりました。
 

スライド(3)

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スライド(4)

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そしてわれわれは、中国において日本杉と同一の柳杉(中国産杉)の存在を確認し、スギ花粉症症例の実在することを証明しました。杉の地上に出現した200万年前には、日本とアジア大陸は陸続きであって、杉も陸伝いに日中両国に植生していたことが、その原因と考えられました(スライド(5)(6)(7))。

実際にわれわれは、日本の屋久島と中国の天目山とで杉の針葉30サンプルずつを採取し、遺伝子解析を行いました。すると両国の杉の遺伝子同一度は0.97であり、両者は双子でないものの兄弟であることが実証できました(スライド(8)(9)(10))。

これにより中国に杉が存在し、スギ花粉症が発生していることの裏付けがなされたことになります。
 

スライド(5)

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スライド(8)

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スライド(6)

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スライド(7)

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スライド(9)

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スライド(10)

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それにしてもスライド(3)に見られるように、標高3640メートルのラサ市でもスギ陽性反応となる被験者が確認されています。われわれの理論からは、ラサ市にもスギ花粉もしくはそれに類する花粉の飛散が、想像されます(スライド(11))。

ただしラサ市の光景は、スライド(12)(13)に見るごとく緑に乏しく、スギ花粉などが飛散しているかどうか、疑問があります。

けれどもわれわれの調査でも、ラサ市の400キロ東方の林芝には、スギ花粉と共通の抗原性を有するヒノキの、樹齢2600年の巨木の植生していることが判りました(スライド(14)(15)(16)(17))。とはいえ400キロの距離をヒノキ花粉が飛んで、ラサ市近郊の被験者に影響を与えているとは考えにくいのも事実です。
 

スライド(11)

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スライド(14)

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スライド(12)

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スライド(13)

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スライド(15

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スライド(16)

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スライド(17)

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スライド(18)

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ついでわれわれは、2005年1月1日から12月31日まで1年間。ラサ市人民医院屋上で空中飛散花粉調査を施行しました。するとスライドのごとくヒノキ花粉を観察することができました(スライド(18))。

地図はラサ市のそれで、測定地の人民医院とダライ・ラマの冬の宮殿ポタラ宮そして夏の宮殿ノルブリンカが示されています(スライド(19))。
 
スライド(20)はそれに対応するラサ市の空中写真ですが、ほとんど緑の見られないラサ市にあって一カ所のみ、ノルブリンカには密集した緑が観察されます。
 

スライド(19)

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スライド(20)

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スライド(21)はポタラ宮でスライド(22)(23)はノルブリンカですが、ノルブリンカには多量のヒノキの植生していることが見て取れます。
 

スライド(21)

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スライド(22)

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スライド(23)

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つまりラサ市内ではノルブリンカにその源のあるヒノキ花粉が飛散していて、われわれの調査地のスギ陽性者はそのヒノキに感作されてスギにも陽性反応を呈していたことになります(スライド(24))。

以上の調査結果からラサ市近郊の被験者についても、スギと共通抗原性を有するヒノキ花粉飛散の影響を受けていたことが理解できます。

こうしたことから、われわれの理論の正しかったことが今回の調査において、改めて実証されたことになります(スライド(25)(26))。

最後に、2006年7月1日開通したチベット鉄道ラサ駅の写真をお見せして、ご静聴に感謝致します。(スライド(27))。

 

スライド(24)

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スライド(25)

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スライド(26)

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スライド(27)

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