3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
 

患者110番

読者の皆さんからよせられた質問に対し、専門医がアドバイスをします。ご質問内容はできるだけ詳しく、具体的にお書きください。既往症や家族構成などもお書き添えいただくと、詳しいアドバイスをするのに役立ちます。


鼓膜が破れるほどの痛みで飛行機に乗るのが怖い・・・

Q  

出張で飛行機に乗る機会が多いのですが、近頃、耳が痛むようになりました。鼓膜が破れるほどの痛みを覚える時もあります。治療法はあるのでしょうか?「また出張するのでは・・・」と、怖くて仕事が手につかなくなりつつあります。(36歳・女性)

     
  飛行機に乗り、急上昇や急下降などで急激に気圧が変化する際に、耳がひどく痛むことがあります。通常、鼓膜内外の気圧は、耳管というのどと耳の内側をつなぐ管が適宜開いて、調整しています。

●気圧の変動により鼓膜が強く圧迫されることが原因

この耳管機能のおかげで、鼓膜内外の圧は常に等しい状態に保たれ、鼓膜が音波の振動をキャッチして音が聞き取りやすくなっているのです。しかし、前述のような気圧の急変時では、耳管機能が追い付けず、鼓膜が強く圧迫されることがあります。

具体的には、飛行機の急上昇時は機外の気圧が極度に下がるので、鼓膜の内側の気圧が相対的に高くなり、鼓膜は外側へ圧迫されます。逆に、飛行機の急降下時には機外の気圧が上がるので、鼓膜の内側の気圧は下がり、鼓膜は内側へ向けて圧迫されます。

気圧の変動によって鼓膜が緊張状態に置かれると、鼓膜の神経が刺激されて強い痛みが生じます。それが飛行機内で起こる耳の痛みの正体なのです。

●あくびやつばを飲むことで痛み緩和
 鼓膜切開術を受けることも

逆に言うと、飛行機の上昇と下降時に、耳管がうまく開いて鼓膜内外の気圧の調節が行なわれるならば、耳の痛みは発生しないことになります。

耳管をうまく開かせるには、いくつかの方法があります。主に、(1)あくびをする、(2)嚥下する(つばを飲む、など)、(3)鼻を摘んで息む(ヴァルサルヴァ法)、などです。飛行機で乗務員がキャンデーを乗客に配るのも、実は嚥下を促す効果を期待してのことなのです。

それでも急性中耳炎などの炎症のために、耳管がどうしても開きにくくなっていることもあります。その場合は、あらかじめ耳鼻科で鼓膜切開術を受け、鼓膜に窓を開けておくと気圧の調節がうまくいき、痛みはひどくならずに済みます。

←中耳炎に関する医学コミックを
こちらのページで読むことができます。
    三好耳鼻咽喉科クリニック院長
南京医科大学国際アレルギーセンター主任教授
三好 彰



トップページへ 前ページへ