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スタッフ紹介

秘書室勤務の高橋さんに自己紹介を兼ねて、お得意の中国関係図書の感想文を書いてもらいました。
第37回 平衡機能検査技術講習会レポート

秘書室 高橋 淳子
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中国てなもんや商社・北京大学てなもんや留学記を読んで 高橋 淳子

「香菜(シャンツァイ)が食べられない人は、思い通りにならない中国にまいるのが早い」―この2冊を読み終えて、思わず大きく首を縦に振りながら頷いてしまった私。

この2作品の著者・谷崎 光は、大学卒業後、中国貿易商社に就職して五年間の勤務後、退職。その後フリーライターとして活躍しながら北京へ留学しています。第一作の「商社」の方は、彼女が社会人として初めて勤務した会社、即ち中国を専門とする商社で繰り広げられたドタバタ劇が、実にユーモラスに書かれてあります。彼女は入社するまでは大学での専攻も造形芸術、中国語も全く話せないいわば、中国という国へ無免疫の状態。日本の習慣、常識にどっぷり浸かった彼女が入社初日から直面する数々の珍(?)事件―例えば、工場が竜巻で飛ばされたので生産できないという中国側の言い訳、Tシャツのプリントが乾ききる前に箱詰めされた為にみなくっついてしまい、まるでアコーディオン状態での納品等々。中国無免疫の彼女はその大胆さ、且つ衝撃的なまでのいい加減さにさぞや驚き、戸惑ったに違いないでしょう。終始この本では商社側の要求と中国生産側のそれに対する意識の温度差を感じずにはいられません。ですが、彼女が日々奮闘していく中で、彼女を取り巻く上司達の存在もまた見逃せない部分でもあります。直属上司の仕事熱心さ、コワモテ上司の外見とは裏腹なデキる人ぶり、その他出てくる仕事関係者はみな個性的で、彼女に与える影響はとても大きいといえるでしょう。

有り得ない様な中国出張経験を繰り返して着実に成長していく彼女の姿は痛快ながらも、時折見せる弱音にはしんみりさせられたりもします。

第二作は私事ですが、タイトルからして興味津々でした。なぜならば「北京大学」、そこは私もかつて留学した場所そのものだったからです。その様な意味もあり、こちらは正に一気読みでした。文章中に出てくる北京大学の校舎、留学生寮、北京の町並みや自転車の大群、そして露店の食べ物までもが私の経験と見事に重なり、当時の記憶がアリアリと甦ったのでした。彼女の場合、社会人として今度はある程度免疫をつけての中国留学。

それでも尚、中国へ実際行った事がある人ならよくわかる、あの一種独特のどうにもならないパワーが容赦なく彼女を襲います。私もそうだった様に、この国では自分がこれまで常識としていたもの一切が通用せず、培ってきたものが無用の産物にすら感じる様子も見てとれます。正に「郷に入りては郷に従え」このひと言に尽きると強く感じるはずです。

実際、著者が北京へ留学しているのは2001年以降で、ここ最近の中国社会、特に若者の意識や反日への変化についても詳しく書かれています。私も北京にいる間は、周囲の反日を時々意識していた様な記憶はありますが、この本を読む事で更に変化した`旬aの反日の本音を知る事が出来るでしょう。

この2冊を読んで私自身の体験した記憶が鮮明に思い出され、あの思い通りにいかない日々の事達さえも懐かしく思えてきました。

そして、改めていろいろな意味で圧倒的パワーを持った国、中国の偉大さを感じさせられました。 2008年・北京オリンピック開催で躍起になっている中国。私も再びあの街を訪れてみたくなりました。



 

著書・谷崎 光のホームページ
http://blog.goo.ne.jp/tanizakihikari
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