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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
 
スタッフ紹介


看護課
工藤智香
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当院の技師である工藤智香さんに、アニメ『銀河鉄道の夜』を観ての感想文を書いていただきました。幼少の頃より、宮沢賢治が好きだったという工藤さんですが、久々にふれた宮崎ワールドに感化されたのか、心が銀河鉄道で夜空を巡っているような、夢幻的な感想文です。


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「銀河鉄道の夜」を観て

 独特な色をした言葉の粒が跳ねまわる。それはそれはとても綺麗でそして、時に不可思議で、もう少しだけと覗き込みたくなる。

  銀河鉄道は滑るように星々を巡る。銀河ステーションから世界の果てまで。乗り合わせた乗客は様々な日常を抱え、それぞれの荷を背に旅をする。 『どこまでだって行く』というその箱に揺られて。乗車券をその手に握り締めながら……。

  私が賢治と出会ったのはまだ幼い頃。他の童話にはない、どこか物寂しくも力強い魅力に引き寄せられたのを覚えています。そして私は賢治という人をもっと知りたいと思ったのです。

  自然を愛し歩き続けた彼の人生は、とても早足ではあったけれど、後世の私たちにたくさんの素晴らしい贈り物を遺してくれていると感じます。彼が注いだ軌跡に触れる時、なんだか暖かな気持ちになるのです。

  彼の物語を幾度となく読み返したくなるのは、その一つ一つが放つ、途方もない力が教えてくれるから。人間は命の輪に組み込まれたほんの一部であることを。その宿る全てに両手を広げ、真っ直ぐにみつめることの大切さを。

  生き急いでる人々に、立ち止まるきっかけを与えてくれるような気がするのです。決して押し付けではない賢治の想いが散りばめられたお話。

  彼には聴こえていたのでしょう。風の歌声、小石の囁き、そして星のメロディーが。生命のあるがままを綴った物語には優しさも厳しさも含まれているようなのです。

 余韻の残る結末は霧に包まれたようにモヤモヤするけれど、それは読み手の深くへと届けられた彼の謎かけなんだろうと思います。

  もしかすると彼自身へ向けられた問いだったのかもしれません。

  夜空を見上げ、赤星を探す。さそりの巨大な赤色の瞳は、その身を焼く炎の中心でいつまでも輝き続けることでしょう。

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銀河鉄道のモデルとなったJR山田線のめがね橋。山田線は、盛岡〜釜石間を結んでいます。
院長は岩手医大在学中の6年間、ずっと山田線のそばの大学寮に住んでいました。




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