3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
 

聞こえに関わる耳の疾患


耳は機能的には、聞こえと体のバランスに関わっており、耳に病変が存在すると難聴(聞こえの悪化)やめまいを生じます。一方耳は形態的に、外耳・中耳・内耳から成っており、病変の存在する部位によって症状が異なります。そこでここでは、外耳・中耳・内耳・中枢と部位ごとに、聞こえに関わる耳疾患を解説します。

1.外耳
外耳とは、耳介と外耳道そして鼓膜の外側面までを、指しています。

図1 耳せつ(矢印)
外耳道の外側1/3を形成する軟骨部におできが生じる。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

(1)小耳症
耳介(耳たぶ)の先天性形成不全のことです。外耳道(耳穴)の閉鎖を伴うことがあって、伝音難聴を伴うことがあります。

(2)先天性外耳道閉鎖症
胎生4〜5ケ月以内の、外耳道発達過程の障害が原因となって発生します。鼓膜や耳小骨そして中耳腔の奇形を、多く伴います。
伝音難聴ですが、治療として鼓室形成術の他に骨導補聴器が用いられます。

(3)外耳道炎(耳せつ)
外耳道の外側3分の1は軟骨部外耳道で、内側3分の2は骨部外耳道です。うち軟骨部外耳道には、皮脂線・耳垢線・汗腺が存在します。これらに感染が生じると一種のおできになり(図1)、それが外耳道を閉塞すると難聴が生じます。

伝音難聴で痛みを伴いますが、後述の外耳道ヘルペスと異なり、耳介を引っ張ったり耳珠を押したりすると(図2・3)、痛みの強くなることが特徴です。治療として、抗生物質を使用します。

図4 顔面神経の解剖
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
図2 外耳道ヘルペスと異なり、耳介を引っ張ると痛みが増強する。
図3 耳珠を圧迫しても痛みが増強する。 
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

(4)外耳道ヘルペス・ハント症候群
耳介や外耳道にヘルペスができて、痛みのある疱疹とめまい・難聴・顔面神経麻痺を生じます。内耳道に近い部分の顔面神経(図4)にヘルペスが潜在し、全身状態の不調時に発症、外耳のヘルペスと内耳の症状を引き起こすものと考えられています。

顔面神経と内耳神経(聴神経)とには多くの吻合がありますので、このためにウィルス感染が波及するものと考えられています。なお、ときに疱疹が目立たないのに痛みと内耳症状を示す症例も、存在します。治療には、抗ウィルス剤とステロイドを使用します。

(5)鼓膜炎
鼓膜の皮膚炎なのですが、鼓膜外側面に肉芽が発生しそこから耳漏が生じます(図5)。このため、耳閉感や難聴さらに耳鳴を伴います。治療には、抗生物質やステロイドの点耳薬が使用されます。

(6)耳垢栓塞
耳垢線と皮脂線の分泌物や剥離上皮が固まって、外耳道を閉鎖します。水泳後などに水でふやけて大きくなり、急激な難聴と耳閉感をもたらします。

図6 外傷性鼓膜穿孔
鼓膜に穴が開いている。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
図5 肉芽性鼓膜炎
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

(7)鼓膜損傷(外傷性鼓膜穿孔)
耳掻きを奥に差し込みすぎた場合などに、鼓膜を直接傷つけることがあり、外傷性鼓膜穿孔と称します。また、剣道の試合で相手が面を狙って来たのに対して、顔を背けた結果面の上から竹刀が耳に当たることもあります。このような場合に外耳道内の気圧が急激に高まり、鼓膜に傷のつくこともあります(図6)。相撲の張り手や夫婦喧嘩のビンタでも、同じ現象の観察されることがあります。外傷の直後より、軽度の難聴と耳閉感を自覚します。

図7 外傷性鼓膜穿孔の治療
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

穿孔が小さい場合には自然閉鎖を待ちますが、大きい場合にはパッチと称して薄い紙片で穿孔に蓋をしてやると、早期に閉鎖し易いと言われます(図7)。ただし、耳掻きなどで中耳腔まで損傷した場合には、鼓室形成術の必要となることもあります。

2.中耳
中耳とは、鼓膜内側面から内耳の2窓(前庭窓・蝸牛窓)までの空間(中耳腔)を指していますが、耳の後の乳様突起内の空間(乳突洞)をも含みます。

(1)中耳奇形
外耳や鼓膜に異常の見られない耳小骨奇形のことを指しており、伝音難聴を呈します。鼓室形成術の適応ですが、補聴器も有用です。

(2)中耳炎
中耳炎には主なものとして、急性中耳炎・滲出性中耳炎・慢性中耳炎(真珠腫性中耳炎を含む)の3種が存在します。伝音難聴が主体ではありますが、慢性中耳炎が長引くと内耳への炎症波及から、感音難聴を生じることもあります。

【1】急性中耳炎
小児に多く見られ、急性上気道炎(かぜ)に併発します。中耳腔も気道の一部ですから、耳管という管(図8)を経て換気をしています。この耳管が小児の場合、太く・短く・水平に位置しているために、上気道炎に際して上咽頭の細菌が耳管を通じて中耳腔に入り込み易いのです。

症状として、風邪に続発する激しい耳痛と発熱が特徴なのですが、この痛みは中耳腔内に貯留した膿の圧力で鼓膜がひどく外側に圧迫されるために、発生します。鼓膜がその圧に耐えかねて破れてしまう(自壊)と、膿が外耳に流れ痛みは消失します。

図9 小児の急性中耳炎により生じた脳膿瘍(矢印)
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
図8 中耳腔と上咽頭とをつなぐ耳管
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

治療として安静を保ち、抗生物質と消炎鎮痛剤を内服させます。鼓膜の腫脹がひどい場合には、鼓膜切開術と称して鼓膜にごく小さな穴を開けてやると、膿が排出され痛みは無くなります。

なお、中耳腔の感染は上咽頭から起こりますので、鼻咽腔の処置も必要です。もちろん青っぱな(鼻汁)をこまめに吸い取ってやることも役に立ちます。

また稀とは言え、髄膜炎など頭蓋内合併症も皆無ではありません。図9に、急性中耳炎から発生した脳膿瘍症例のMRI(矢印が膿瘍)をお示しします。それらの重篤な疾患も念頭に置いて、急性中耳炎の経過を観察せねばなりません。

【2】滲出性中耳炎
耳管の機能が不十分な際に、中耳腔内にほぼ無菌性の滲出液の貯留することがあって、滲出性中耳炎と呼ばれます。貯留液のために鼓膜が動きにくくなり、中程度の伝音難聴を来します。

年令的に小児と老人とで発生し易いのですが、背景因子がそれぞれ存在します。

つまり小児においてはアデノイド(咽頭扁桃)の肥大(図10・11)と、それに起因する炎症が原因で耳管がつまり易く、滲出性中耳炎を発生します。

図11 扁挑およびアデノイドの年令と大きさ
アデノイドは4歳のとき、咽頭扁挑は6歳のとき、最も大きくなる。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
図10 アデノイドの位置
小児では肥大しており耳管を閉塞することが多い。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

また老人においては、耳管を開く筋肉の衰えから耳管が十分に機能せず、滲出性中耳炎となります。

図13 上咽頭癌症例のティンパノグラム
右側滲出性中耳炎の存在を示唆している。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
図12 上咽頭癌症例の聴力像
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
 
図14 右側上咽頭癌症例のMRI
矢印が腫瘍。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

頻度は少ないのですが、成人病年令では上咽頭癌が耳管入口部を閉塞し、滲出性中耳炎の原因となっていることがあります(図12・13・14矢印が腫瘍)。

滲出性中耳炎では難聴と耳閉感が特徴なのですが、小児では子ども自身が難聴に気付くことは少ないので、周囲の大人が心配して耳鼻咽喉科へ連れて行くことが多いようです。

 

図15 ティンパノグラムの波形
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

一方、老人では老人性難聴を合併していることがありますので、難聴がより高度になっていることも少なくありません。老人性難聴を処置や内服で改善することはできませんが、滲出性中耳炎の聴力悪化は容易に改善可能です。老人性難聴に対して補聴器を選択する場合にも、滲出性中耳炎の存在を疑って検査しておくことは重要です。

滲出性中耳炎は、純音聴力検査と鼓膜の可動性低下を検出するティンパノメトリで診断するのですが、近年3歳児健診にティンパノメトリが取り入れられて、幼少時の滲出性中耳炎は発見され易くなりました。

図15にティンパノメトリ結果(ティンパノグラム)の具体的事例をお示ししますが、Aが鼓膜の可動性良好で正常型、BとCは可動性が低下していて、滲出性中耳炎の存在が考えられる型です。 

 

 

滲出性中耳炎の治療は耳管の機能改善が原則ですが、鼻咽腔に疾患が存在する場合には、その治療も忘れてはいけません。

滲出性中耳炎の治療として、耳管を介した換気を根気よく行なうのですが、なかなか改善しない場合には鼓膜切開術や、鼓膜に換気のためのチューブを留置する手術も選択されます(図16・17・18)。

図18 チューブ挿入と中耳腔の換気
チューブの入った鼓膜のみならず、耳管を介した換気も改善する。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
図17 チューブの挿入
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
図16 チューブの種類
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

【3】慢性中耳炎
慢性中耳炎とは、鼓膜に穿孔が存在して時に感染を生じて耳漏となる状態のことです。幼少児期の急性中耳炎もしくは外傷性鼓膜穿孔が、成人年令となるまで放置されていたのが原因と推測されます。

鼓膜穿孔の大きさに応じた難聴と、時に観察される耳漏が主症状です(図19)。

治療ですが、耳漏の出現する時期の抗生物質内服や点耳が、まず選択されます。ただし放置されると、細菌の耳毒性のために内耳がダメージを負って感音難聴の進行することがあり、要注意です。その場合には、鼓室形成術が適応です。

図19 慢性中耳炎
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

【4】真珠腫性中耳炎
これは慢性中耳炎の一種なのですが、側頭骨(耳の周辺の頭蓋骨)を破壊して内部へ食い込んでいくことがあるために、油断できません(図20・21)。

先天性と後天性の真珠腫性中耳炎がありますが、前者は胎児期に上皮芽が中耳腔内に迷入したものであり、後者は外耳道皮膚や鼓膜皮膚層の上皮が、中耳腔や乳突洞へ侵入した場合を言います。侵入した上皮塊は光沢があり、一見真珠のように見えますので、この名があります。

図21 上鼓室型真珠腫
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
図20 鼓膜癒着型真珠腫
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

上皮塊の侵入が進行すると、悪臭のある膿性耳漏が出現します。伝音難聴を当初は呈するのですが、侵入した上皮塊が大きくなるにつれて外側半規管を侵してめまいを生じたり、顔面神経管を破壊して顔面神経麻痺に至ることもあります。最悪の場合には頭蓋内に侵入して、髄膜炎その他の頭蓋内合併症を引き起こします(図22・23)

図23 頭蓋内合併症 感染の波及部位によって病態が異なる。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
図22 頭蓋外合併症
重要な器官に接近しているため、中耳炎では様々の合併症を生じる。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

原則的に真珠腫を摘出する外科的治療が行なわれますが、聴力を改善する目的から段階的鼓室形成術のなされることもあります。

*真珠腫性中耳炎後耳における補聴器
真珠腫性中耳炎の手術のなされた耳は、外見からは判断できないのですが、形態が術前とはかなり異なるものもあります。ことに外耳道入口部の形が一見正常に見えながら、病変除去のために内腔が大きく削り取られている術後耳は、気をつけねばなりません。イヤー・モールド(補聴器の耳栓)作成に際して不用意に印象剤を注入すると、固形化したそれを除去できなくなってしまうことがあるからです。文献的には外科的に、つまり耳周辺の皮膚を切開して固形化した印象剤を摘出した報告も見られ、安易に考えるべきではないことが理解できます。補聴器の装用には、耳鼻科医の関与が必要とされる根拠のひとつです。

(3)耳硬化症
若年性・両側性・進行性の伝音難聴で、白人に多く日本人など有色人種に少ない疾患です。

耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)のうち、アブミ骨の底板と前庭窓(卵円窓)の癒着が生じるための難聴です。

その初期には、周囲が騒々しいとむしろ良く聞こえるように感じる印象が見られ、ウィリスの錯聴と呼ばれます。聴力像には特徴があって、周波数2000ヘルツ付近の骨導閾値が上昇することがあり、カールハルトの陥凹と言われます。

骨の病変を鼓膜上から透見できることがあり、鼓膜はやや紅色を呈します。これをシュワルツェの兆候と呼んでいます。
治療はアブミ骨を摘出し、人口アブミ骨を挿入するアブミ骨摘出術が行われます。

図24 左側内耳奇形症例の聴力像(右)
図25 左側内耳奇形のCT(左)
左側内耳構造の形成不全が観察される。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

3.内耳
内耳とは、前庭窓(卵円窓)・蝸牛窓(正円窓)より奥に位置する、蝸牛と半規管・耳石器などを指しています。

(1)内耳奇形
内耳の先天性形態異常のために、高度難聴を呈します。診断にはCTが有効で、内耳構造が見つからないので判明します。図24・25に症例の聴力像と、CTをお示しします。左側内耳構造の、形成されていないことが判ります。

(2)遺伝性難聴
詳しくは、他項に譲ります。ここでは、ワールデンブルグ症候群の1例をお示しします(図26・27)。図27からは、前頭部の一部白髪と虹彩異色とが、明確に見てとれます。

図27 ワールデンブルグ症候群症例
矢印は前頭部の一部白髪と虹彩異色。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。
図26 ワールデンブルグ症候群症例の聴力像
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

(3)胎生期難聴
妊娠初期に母体感染などが生じて発生した難聴を、胎生期難聴と称します。
わが国で一時期社会問題となった胎生期難聴に、先天性風疹症候群があります。

風疹は約10年周期で流行するとされますが、1965年沖縄県における風疹の大流行によって、罹患した妊婦から難聴・心奇形・白内障を有した新生児が、多数生まれました。

妊娠と感染の時期により発生率が異なり、妊娠3ケ月以内の罹患では50%以上に先天異常が見られますが、4ケ月以降の感染では発生頻度が少なくなります。

(4)突発性難聴
原因不明の急性感音難聴のことです。一側性に発症しますが、稀に両側性となることもあります。めまいや耳鳴を伴うことも多いのですが、めまい発作を繰り返すことはありません。

突発性難聴の原因として推測されているのは、内耳の微小血管の循環障害説・ウィルス感染説・内リンパ水腫説などです。

突発性難聴とそっくりの形で発症する急性感音難聴の一種に聴神経腫瘍があり、鑑別診断は不可欠です。

この突発性難聴では、発症後1週間以内に治療を開始できるかどうかが、予後を左右する最大の条件と考えられており、早期の耳鼻咽喉科受診が重要です。

難聴の形としてはさまざまのそれを示し、聾に近い高度難聴から低音部に限局した軽度の難聴まで、種々の障害型が見られます。 突発性難聴の治療として、ステロイド剤・ビタミン剤・血管拡張剤の投与や、高圧酸素療法が施行されます。

(5)メニエール病
めまい・耳鳴・感音難聴が主症状で、繰り返し発作が起こります。耳鳴と難聴はほとんど一側性ですが、稀に両側性のこともあります。めまいの発作時にはぐるぐる回る回転性のそれが特徴的で吐き気を伴いますが、間歇期にはフラフラする並行障害を呈します。難聴も発作期に悪化し間歇期には軽快しますが、低音域から中音域の聴力が変動し、発作反復の後中等度から高度難聴として固定することが多いと言われています。

この難聴は内耳神経細胞の障害に起因していますので。聴力検査では補充(リクルート)現象が陽性となります。メニエール病の本態は、内耳の内リンパ水腫とされています。このため治療には、鎮暈剤や安定剤以外に利尿剤が使用されます。

(6)音響刺激による感音難聴
強大な音響に突然曝されて起きる音響性外傷と、騒音に長期間暴露され続けて生じる騒音性難聴(職業性難聴)とに分類されます。

前者は、ロック・コンサートやディスコなどで、予期しない大音量を浴びた場合に発生し、高音域の感音難聴を来します。

後者は長期間の騒音刺激により、周波数4000ヘルツ前後から聴力が悪くなり始めます。当初は日常会話に差し支えないので気付かれにくいのですが、進行すると普段の会話にも不自由するようになります。

前者はまだしも、後者は治療効果が期待できませんので、予防が第一です。その意味で近年職場健診などで、1000ヘルツ(日常会話領域の聴力)と4000ヘルツ(騒音性難聴初発領域の聴力)を選択的に検査するようになって、発見が容易になりました。

(7)老人性難聴
他項に譲ります。


(8)薬剤による難聴
ストレプトマイシン・ゲンタマイシンなどアミノグルコシド系薬剤によるものや、利尿剤・サリチル酸系薬剤によるもの、キニーネなどによるそれが有名です。

いずれに対しても、症状の早期発見と発見された場合の薬剤中止が原則なのですが、ストレプトマイシンでは中止後も難聴のひどくなって行くことがあり、要注意です。

(9)内耳腫瘍による難聴
ごく稀に、内耳内の腫瘍で難聴を来すことがあります。図28は、内耳内神経鞘腫による急性感音難聴発症前後の聴力像で、図29はそのMRI(矢印は腫瘍)です。

図29 内耳内神経鞘腫症例のMRI
矢印が腫瘍。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

図28 内耳内神経鞘腫症例の聴力像
急性感音難聴発症前(右)と発症後(左)の聴力
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。



4.聴神経
第8脳神経である聴神経は、内耳蝸牛から内耳道を通じて脳幹に至ります。
この内耳道内から頭蓋内にかけて、神経鞘腫の発生することがあり、聴神経腫瘍と呼ばれます。

良性の腫瘍で発育が緩慢であるために、急激な臨床症状を呈することは少ないのですが、時に突発性難聴のような急性感音難聴で発見されることがあります。

またすごく珍しいことなのですが、両側性にしかも家族性に発症することがあり、NF2と呼ばれています。
図30は、急性感音難聴で発症した50歳女性・両側聴神経腫瘍症例の聴力像で、図31はMRIです。

図31 図30症例のMRI
矢印が腫瘍。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

図30 50歳女性・両側聴神経腫瘍症例の聴力像と眼振
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

図32・33は、同じく急性感音難聴で発症した23歳女性・両側聴神経腫瘍症例の聴力像とMRIで、前述の50歳女性の長女です。ここにお示しした図31・33の矢印が腫瘍で、両側内耳道内に造影剤で白く染色されています。

図33 図32症例のMRI
矢印が腫瘍。
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。

図32 23女性・両側聴神経腫瘍症例の聴力像と眼振
※画像をクリックすると拡大写真がご覧いただけます。



院長による難聴の医学コミック
『難聴・早期発見伝』

デジタルブック掲載
院長による中耳炎の医学コミック
『中耳炎世界の冒険』

デジタルブック掲載
院長によるめまいの医学コミック
『さつきさんの憂鬱』

デジタルブック掲載
   
関連リンク: No171「ノーサイドクリニック研修レポート」




トップページへ 前ページへ