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HIJコーナー 補聴器の選び方と買い方(2) -スタイルの決定と装用側-

 

院長が理事を務める日本ヒアリングインターナショナル(HIJ)から補聴器についてのアドバイスです。工藤技師の報告と併せてお読み下さい。
 
補聴器を選ぶときには、先ず耳かけ型にするか耳穴型にするかなど補聴器の見た目「スタイル」を決定することから始まります。また、両耳につけるか片耳につけるか、片耳なら右耳にするか左耳にするかなど装用側を決定することも決定しなければなりません。

スタイルを決める際に「見た目」を優先事項にして耳穴型補聴器を希望される方が多いようですが、実際に補聴器をつけてみると耳かけ型の補聴器の方が見立たないことも少なくありません。その逆に耳穴型の方が目立ってしまったり、あるいは「メガネを普段使うので耳かけ型は邪魔になるのでは」と心配されていたわりには耳かけ型でも特に装着脱には問題がなかったりなど最近の補聴器はデザイン面・機能面でさまざまに改良が施され一世代前の補聴器と比べてずいぶん進歩してきました。装用スタイルの決定は実際に耳につけて三面鏡などで自身の姿を見たり、メガネやサングラスをしたりなどして判断する方がより適切でしょう。耳穴型よりも高性能な耳かけ型補聴器が登場するなど技術革新の目覚ましい現在、補聴器のスタイル決定は購入者の自己決定権に委ねるべきとの考え方が現在の主流になりつつあります。

欧州の場合手厚い福祉制度・補聴器給付制度などを背景に、「高齢者の感音難聴は両耳装用が良い」との考えが支配的です。訴訟社会である米国では購入希望者には必ず「片耳装用の期間が長くなると装用していない耳の機能低下(聴覚の廃用症候群)が生じること」を教え、それでも片耳装用を希望した人にのみ片耳での補聴器の販売をするようです。

しかし、補聴器の給付という点で福祉後進国とも言える日本では補聴器をほぼ自己資金で調達しなければならない状況にあり、また補聴器装用の開始時期が他先進国と比べても遅い(難聴が進行した)時期から装用開始する事例が多いため、所得などの課題も重なり片耳装用をやむなく選択するというケースが多いように思います。障害者自立支援法や都道府県毎に定めている給付・支給事業の多くは、申請時に特別な理由が明記されていない限り、片耳装用しか給付支給対象に認めていないことがほとんどです。医学的には本来両耳装用であるべきですから、給付・支給の申請に際しては、診断書などを発行してくれる医師とよく相談していくことが大切でしょう。

中川雅文(HIJ理事長)


関連リンク: 用語集 日本ヒアリングインターナショナル

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