3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
院長の学会ファイルより
 
2月27日(金)、職員が病気に対する正しい知識を学び、患者様への普及に役立てるため院内勉強会を行いました。
今回は、院長が日本耳鼻咽喉科学会にて発表した内容について、勉強しました。



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 われわれは今回、家族性両側性聴神経腫瘍(NF2)の2家系を経験しましたので、ご報告させて頂きます。
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 症例1は、1996年5月に三好耳鼻咽喉科クリニックを受診した、18歳の女性です。後刻判明したのですが、本症例の父親が35歳のときに、両側聴神経腫瘍にて脳外科による摘出手術を受けています。ここでは父親を、症例2として扱うこととします。

スライド3
 受診後の経過ですが、聴力は変動を繰り返しており、2000年の脳外科のMRIでは内耳道に腫瘍陰影なしと、診断されています。
しかし難聴の増悪が見られ、再度撮影したMRIでは、両側内耳道に造影される腫瘍陰影が発見されました。

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スライド4
 聴力像の変化です。
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 ご覧のように両側難聴は時期により変動し、腫瘍の発見まで診断に悩む結果となっています。
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 2000年時の腫瘍陰影なしと診断されたMRIと、2003年の腫瘍発見時のMRI(矢印)です。
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 腫瘍発見時の眼振所見を、お示ししました。本症例は脳外科受診後、γナイフの適応となりました。
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 症例3は50歳の女性で、2006年5月急性難聴のために三好耳鼻咽喉科クリニックを受診しています。
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 聴力像と眼振所見です。
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スライド10
 造影MRIにて、両側内耳道に濃染像を認めます(矢印)。
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 受診後3日目に実施されたMRIにて腫瘍が発見され、東北大学耳鼻科にて経過観察中となっています。
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 症例4は症例3の娘で、2007年1月に急性難聴のために三好耳鼻咽喉科クリニックを受診しています。
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スライド13
 聴力像と眼振所見です。
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 ステロイドと低分子デキストランの使用で、聴力は一旦正常に復します。
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 しかし造影MRIにて、両側内耳道に腫瘍が観察されます(矢印)。
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 腫瘍発見後は、東北大学耳鼻科にて経過観察となっています。
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 両側性聴神経腫瘍は、以前はレックリングハウゼン病と混同されていましたが、現在では遺伝子型の異なる別の病気と認識されています。
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 今回われわれの報告した2家系・4症例は、家族性両側性聴神経腫瘍であり、神経線維腫症2型つまりNF2と診断されました。
通常NF2型の聴神経腫瘍は、30歳までにほとんど全員が発症するとされています。今回報告した症例3は初診が50歳ですが、聴神経腫瘍そのものは30歳までに発生しており、その後サイレントであった可能性を否定できません。
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院長に替わり反省する院長の
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スライド19
 症例3および症例4の聴神経腫瘍発見に際しては、症例1・2の経験が非常に役に立ちました。いわばわれわれに対する学習効果があったと、表現できるかも知れません。
突発性難聴を思わせる急性難聴の症例に対して、いつの時点でMRIを実施すべきか迷うことがあります。しかし聴神経腫瘍の頻度は、以前想像されていたよりもはるかに高いようにも感じられます。あるいはMRIは必須と考えた方が良いのか、現時点ではわれわれには断言できずにおります。
スライド20
 われわれはここで、家族性両側性聴神経腫瘍の2家系・4症例を報告しました。
2家系目の症例の早期発見には、第1症例の診断に苦労した経験が役立ちました。
急性難聴症例におけるMRI撮影の時期について考え直しを迫られると同時に、これまでこのような症例を見逃していた危険性についても、われわれ自身深く反省しているところです。
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関連リンク: 3443通信 No.172 院長の学会発表
  用語集 聴神経腫瘍
  用語集 めまい
  用語集 学会発表
  用語集 脳腫瘍

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No.172
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