3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
院長の学会発表ファイルより

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 それでは、スギ花粉症についてみてみますと、私たちが研究を開始する以前は、スギ花粉症は日本にしかないものと考えられていました。


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 栃木県栗山村には有名な日光スギがあり、北海道白老町でもスギの人工林がありましたが、中国にもスギに対するアレルギー反応があるので、スギ及びスギ花粉症は中国にも存在する、つまり日本特有ではないのではないか、と考えられました。

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 そして、実際に調べてみますと、中国の各都市でスギ花粉の飛散が確認されています。

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 加えて日本の林野庁の資料には、中国産のスギである柳杉(りゅうざん)が植生していると書かれています。


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 中国の南京植物園を調べてみますと、日本スギのそばに中国産スギという木がありました。


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 日本スギと中国スギの花粉を、光学・電子顕微鏡で調べてみると同じであることがわかりました。  もし、日本スギと中国スギが同じ性質をもつのならば、中国にもスギ花粉症の人がいるのではないかと、考えられます。


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 そこで、日本スギと中国スギのDNA分析を行いました。

 中国の天目山スギの30サンプル、日本の屋久島にあるスギの30サンプルを比較したところ、遺伝子同一度は97%一致するという結果になりました。人間でいえば、双子ではないけど兄弟だと言えるわけです。 しかしそれでは、中国と日本の間には日本海という大きな隔たりがあるのに、同じ植物が存在しているのか、疑問が生じます。


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 実はスギが地上に出現した、200万年前には中国と日本は陸続きだったのです。


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 その時代の世界は、氷河により大陸全土が陸続きになっており、人類はアフリカから南米の南端まで歩いていったと、考えられています。その証拠に中南米の子供には、今でもお尻に蒙古班があると聞きます。

  中国と日本の距離でいえば、同じ植物が陸続きに植生していても、何ら不思議はないのではとないかと考えられます。


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 私たちは、1999年に『世界で初めての日本以外のスギ花粉症症例』を発見しました。

  この方は、1989年の春、孫文のお墓である中山陵に行ったときに、アレルギー症状が出現し次第に1年中症状が出てきたため、1998年に南京医科大学を、受診し日本以外で初となる、スギ花粉症症例が発見されたのです。

  その原因は、200万年前にあったという壮大なお話になるのです。


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 以上の話から、ある種のアレルギー症状が出ているのであれば、その場所に原因物質がないと錯覚されていたとしても、実際にはアレルゲンが存在するものと考えられるのです。

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関連リンク: 用語集 学会発表
  No.174 院長の学会発表ファイルより(1)
  No.174 院長の学会発表ファイルより(3)
  No.174 院長の学会発表ファイルより(4)
  No.149 開院15周年記念&コミック出版記念パーティ(3)
スギ花粉症研究のお話

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No.174
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