3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
院長が学会発表しました。

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 われわれは1989年以来17年間、日本・チベットを含む中国・ブラジルなどで、約2万例の被験者にアレルギー学的疫学調査を施行して来ました。

  その結果、花粉症など1型アレルギーは抗原抗体反応であり、反応の発生は抗原の存在を示唆すること、を確信するに至りました。


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 白老町・栗山村・中国国内などは、花粉症の原因物質となるスギが、その近くに存在していました。ですが、標高3640mのチベット・ラサ市でスギに陽性反応が出ています。

 今までのお話では、アレルギーに反応を起こす人がいれば、原因となる物が存在するということですが、日本で言う富士山の頂上近くの高さにスギが生えているものでしょうか?現地の光景は写真をご覧頂くように、スギが生えているような景色とは思えません。

  ここであらかじめご説明致しますが、スギとヒノキの花粉は同じ性質を持つため、ヒノキの花粉が飛散していればスギに陽性反応が出ることになります。

  標高3640mという植物のほとんど生えない高地で、スギエキスに陽性反応を示す子ども達がいるということは、どこかにスギ(もしくはヒノキ)が生えていると考えられます。

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 そこで、インターネットで調べたところ、大阪の旅行者『和平旅行社』のホームページに『樹齢2600年のスギの大木』と書かれていました。
 更に、『地球の歩き方』という本には、林芝(リンチー)というところに『樹齢2600年のヒノキ』があると、書かれていました。

 早速、私たちはチベット・ラサ市から標高5200mの峠を越え、東方400kmに位置するそこへ、稲川医師(愛知医大)と殷医師(南京医大)を派遣しました。

 写真(ヒノキの木)は、和平旅行社のホームページと同じ角度で撮影した、樹齢2600年のヒノキの木です。

  ですが、ラサ市から400kmも離れた場所から、はたして花粉は飛んでこられるのか、少々突飛な考え方だと思わざるを得ません。

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 右側は、ラサ市の上空から撮影した撮影した写真です(地図・左側)。

 写真中央にあるのが、ダライ・ラマの冬の宮殿ポタラ宮で、その右側に位置するラサ人民医院の屋上で、2005年1月1日から12月31日までの1年間、空中に飛散する花粉を測定しました。

 その結果、ヒノキの花粉が飛散していることがわかりました(スギも少量ながら観測されました)。

  そこで、もう一度写真を見返してみますと、左の方に1ヶ所だけ緑地が確認できます。そこはダライ・ラマが夏の半年を過ごす、離宮ノルブリンカがある場所でした。

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 ノルブリンカは、1959年3月17日のチベット騒乱の際ダライ・ラマが、ここからインドのダラム・サラに亡命をしたことで有名になりました。

  そこには世界の動植物園が建設されており、ヒノキの木も確認できました。私たちは、すぐ隣のホテルに宿泊していましたが、あるとは思っていなかった私たちの目には、ヒノキの木は映っていなかったようです。まさに、灯台もと暗しを実践してしまいました。


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 私たちが証明してきたように、アレルギーとは抗原抗体反応なのでその場所に抗原があるために抗体反応がおこる。つまり、原因があるから結果があり、逆に結果があるならどこかに原因が存在するのだと考えられます。

  富士山の頂上並みの高地に、スギに反応を示す子どもがおり樹齢2600年のヒノキ(スギ花粉と同質)も存在はしますが、400kmもの遠方から花粉が飛散するとは考えられません。


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 チベット・ラサ市では、空中に飛散するスギ・ヒノキの花粉が計測され、ノルブリンカにはヒノキの木が植生しています。  これが、スギに陽性反応を示す原因となっている可能性がきわめて高い、と考えられます。

  結果として、アレルギーとは抗原(花粉)があるゆえにおこる抗体反応(体の防御作用)であり、原因があるから結果があると言う、原理原則は正しいと証明される調査になりました。


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 中国・チベットを結ぶ、西蔵鉄道の駅が出来たので記念撮影をしてきました。

 1日3本しか運行していませんが、1本でおよそ1000人の乗車が可能なため、1日で3000人がチベットに入ってくるそうです。

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▲スライド3 ▲スライド4
▲スライド5 ▲スライド6
▲スライド7 ▲スライド8
 
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関連リンク: 用語集 学会発表
  No.174 院長の学会発表ファイルより(1)
  No.174 院長の学会発表ファイルより(2)
  No.174 院長の学会発表ファイルより(3)
 

No.149 開院15周年記念&コミック出版記念パーティ(3)
スギ花粉症研究のお話


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