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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
2009年中国・チベット調査レポート~工藤報告vol.2~
 


西寧空港


西寧のチベット寺院にて、
チベット族のガイドと
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 前号に引き続きまして、看護課の工藤智香が2009年中国・チベット調査についてご報告させて頂きます。

5日目 -9月21日(日)-
西安-西寧-ラサ


 西安飛行機で西安から西寧へ向かいました。お昼過ぎ、西寧へ到着です。

西寧市

 西寧は標高2000mを越える高地にある街です。低酸素の影響か少し息苦しさを感じました。ガイドはチベット族の若い女性で、チベット文化について詳しく案内してくれました。

 西寧市はダライラマ14世の出身地であり、青海省の省都です。
  
 青海省の名前は、省内にある青海湖に由来しているそうです。青海省は、青蔵高原の東北部に位置し、省全体が海抜3000~5000メートルの高地にあります。広大な草原がひろがり中国の主要な牧畜地区のひとつです。

  

 青海省の住民は漢族のほか、チベット族、回族、土族、ラサール族、モンゴル族、カザフ族などがいます。

 西寧の気候は比較的穏やかで、特に盛夏の気候はさわやかで、避暑地にぴったりだそうです。旅行に適しているのは5月~9月です。



西寧駅

軟臥車の室内
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西寧駅

 西寧駅では飛行機並のセキュリティチェックがあり、持っていたペットボトルの中身を係員の目の前で飲み、安全を確認する場面もありました。一瞬、天空列車はホントに空を飛ぶのかと思ってしまった私でした。

 夜9時過ぎに出発した列車は、およそ25時間をかけて終点ラサへ向かいます。

 丸一日は寝台車での旅です。列車のラサへの到着は翌日の夜となります。

青蔵鉄道

 天空列車とも呼ばれるこの列車は、2006年7月に運転を開始しました。西寧からラサまでは約2000キロ、日本の本州を縦断するほどの距離があります。車窓からはチベットの素晴らしい風景をみることができました。列車内の電光掲示板には標高や駅の名前、停車時間、外気温などが中国語、チベット語、英語で表示されます。ゴルムド駅からラサまでは平均高度4500mという標高の高い地点を通過するため、酸素の供給が開始されます。これで車内気圧は平地の8割程度に保たれています。飛行機のような加圧システムも作動します。エアコンと同様の車内拡散式の酸素供給システムと酸素マスクの2方式で酸素不足の解消に努めているようです。

 上の写真が車内の様子です。今回は幸いなことに1等寝台をご用意いただき、ゆったりと過ごすことができました。

 2段ベッドの4人部屋です。窓は大きく、曇らないよう2重ガラスになっているそうです。


車窓より


コンパートメントの並ぶ
一等寝台(軟臥車)車両
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車内の廊下

 列車内には車掌さんが常駐しています。女性の車掌さんの多かったのが印象的でした。

 乗車後間もなく、乗客健康登録カードへの記入を求められました。標高3000m以上の高地に耐えられる健康体かどうか、高地についての知識はあるかなど、これから旅をする場所が他と比べ一味違っていることを感じさせてくれた出来事でした。

6日目 -9月22日(月)-
ゴルムド駅・ココシリ自然保護区


 一晩かけて青海省を走り続けた列車は、最初の停車駅であるゴルムドに到着します。朝日が昇りきらないうちに駅に入った電車は、機関車交代のため約20分間停車しました。米国製の機関車に交代し、パワーアップした列車はこの先に待ち構えている標高5000mを越えるチベットの山々に挑みます。

食堂車

 食堂車は列車の中央にあり、チベットの雄大な景色を見ながら食事を楽しむことができます。

 車窓から美しい景色を眺めることができました。

崑崙山脈

 ゴルムド駅を過ぎてしばらくすると、崑崙山脈の峰々がみえてきました。

 中国内地とチベット自治区の境目を横断しており、東西に約3000km、標高6000m以上の高山が200峰以上連なる大山脈です。

 写真(下)は、崑崙山脈を横断する国道(青蔵公路)です。

 澄み切った空、雪を湛えた山々の広大なスケールが目の前に広がり、思わず息をするのを忘れてしまいそうでした。


健康登録カード

朝のゴルムド駅

食堂車(左より院長・新井先生・社長・殷先生)

全長2000kmのチベット鉄道

右下にトラックの列が見えます
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ココシリ自然保護区

 やがて列車はココシリとよばれるチベットの秘境地帯を走り抜けます。


ココシリ(1)
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 北の崑崙山脈、南のニェンチェン・タンラ山に挟まれた世界第3位の広さを誇る無人地帯です。ここには約230種類の野生動物が生息しています。

 ココシリの名前は、モンゴル語で『青い丘』を意味しますが、転じて『美しい娘』という意味もあるそうです。

 稀少な野生動物が生息していることで有名で、冬に多くみられるそうです。今の時期は比較的動物が少なく、今回はあまりみることは出来ませんでした。


ココシリ(2)

ココシリ(3)

ココシリ(4)
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ツォナ湖 -標高4549m-

 青い水をたたえた大きな湖は、現地では聖なる湖と言われます。湖畔には駅がありましたが残念ながら下車できませんでした。

 列車内は、酸素の供給と加圧システムが働いているのですが、平地とは異なる厳しい環境のために高山病の症状を訴える方が出始めました。息苦しさ、倦怠感、頭痛、発熱などの症状が主なものでした。酸素の吸入と睡眠で皆さん少しずつ回復していったものの、体力的に負担の大きな25時間であったようです。とはいえ、このような素晴らしい景色の中に身を置くことができた体験は、大変貴重なことだと思います。


ツォナ湖(1)

ツォナ湖(2)

ラサ駅
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ラサ駅

 青蔵鉄道終着駅のラサへ到着です。ついに25時間に及ぶ鉄道の旅もこれで終了です。到着時刻は21時過ぎ。辺りはすでに真っ暗でした。駅は降車する人でごった返し、迎えに来ていた専用バスまでは、闇の中を重い荷物を引きずりながらの移動です。

 明日は、ラサ市より300kmほど南西にあるチベット第2の都市シガツェへ向かうため、早目の就寝です。

 次号からは、いよいよチベット編へ突入します。

看護課  工藤 智香

 なお、今回のチベット調査のムービーを1月1日、当院のHPにUPしました。
 ぜひご覧下さい。 http://www.3443.or.jp

2009年チベット調査 旅レポ(1)   2009年チベット調査 旅レポ(3)

 
関連リンク: 用語集 索引:チベット
関連リンク 用語集 索引:アレルギー調査

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No.180
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