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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
ラジオ3443通信

 院長が、FMいずみ797『Lady、 Go!』に出演しました。パーソナリティは江澤さおりアナウンサーです。

●『めまいって何? 専門医って?』
   
アナウンサー(以下An.)めまいって、わたしたちが考えると、『グルグル回る』とか『フラフラする』って感じが強いんですけれど、正体が良く判りません。
  三好先生! 一言で『めまい』って何ですか?


ソフト&キュートがウリのパーソナリティ江澤さおりAn.

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三好(以下Dr.)『めまい』という言葉には、いくつかの意味が含まれていて、原因もそれに応じていくつかあるんですけど……。『一言で』って言われると、こっちがめまいを起こしっちゃいますよ。まぁ、お手やわらかにお願いします。
An.  そんな、江澤のウリはソフト&キュートなんですから(笑)。
Dr.  と言うわけで、やさしくご説明させて頂きますね。
 お話しのとおり、『めまい』には『グルグル回る』感じのめまいと、『フラフラする』感じのめまいがありますね。それに『目の前が暗くなる』感じのめまいや、『まっすぐ歩けない』感覚も、めまいの訴えの一つとなります。
An.  へ~、めまいって結構複雑なんですね?
Dr.  それに、それぞれ背景となっている病気がありまして、耳の中の三半規管の病気やら、血圧の異常とか、中には脳から来るめまいとかありますから。
An.  脳に原因があるんですか?
 恐いですね。
Dr.  用心するに越したことは無いんですけど、でも原因をきちんと調べてきめ細かに対応することは、もっと重要なんです。
An.  具体的には、どんな病気がめまいの原因になるんですか?
Dr.  まず『グルグル回る』めまいなんですけれど、これは耳の中にある三半規管に原因のあるめまいのことが多いんです。
An.   三半規管って名前は、聞いたことがあります。
Dr.  人間の耳の中には音を感じ取る『かたつむり管』と、めまいを感じる『三半規管」そして『耳石器』、とがあります。
An.  人間は耳でめまいを感じるんですか!
Dr.  ですから、耳の病気でめまいを起こすことが、とっても多いんです。その意味では、めまいがしたら、まず耳鼻科医に相談してもらうのがベストなんですよ。
An.  めまいがしたら、まず耳鼻科ですね?
Dr.  耳には体のバランスを感じるセンサーが入っていて、耳の病気でめまいを起こすんです。ですから、有名な『メニエール病』なんてそれこそ内耳、つまり耳の神経の病気の代表ですよ。
An.  メニエール病って、恐い病気のような気がします。
Dr.  めまいを起こす病気の代表ですが、内耳の神経全体がダメージを負って、めまい・耳鳴り・聞こえの悪化が同時に起こる病気です。それこそ『それでも地球は回っている(笑)』って言いたくなる病気ですよ。


Dr.「めまいの勉強は三重苦でした」

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An.  まあ……(笑)。それ以外にも、耳の病気でめまいを起こすことがありますか?
Dr.  くわしい説明は次の機会に、ということで今日は病気の名前だけお話ししますけれど、メニエール病だけでなく『突発性難聴』とか『良性発作性頭位めまい症』とか、ひどいめまいを起こす耳の病気があります。しかも大切なことは、こうした耳が原因のめまいは、早期発見・早期治療が欠かせないということです。
An.  次のお話しを楽しみにしていますけど、最後に先生一つだけ……。先生が今回取得された『めまい専門医』について、お聞きしたいんですけど。なんでも宮城県内でお一人だけ、と伺いました。そんなに少ないんですか?
Dr.  天然記念物みたいですね(笑)。めまいだけじゃないんですけど専門医制度というのがありまして。
An.  その領域のスペシャリストですね?
Dr.  めまいについては、『めまい平衡医学会』という学会が認定しているんですけどね。まず、その学会で研鑽して10年以上の経験のあること。


An.「10年前……私は生まれてなかった……」

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An.  10年前からですか……。私はまだ生まれていなかったかも(笑)。
Dr.

 それだけじゃなくて、めまいについての論文が10以上あること、めまいに関する学会発表が10以上あること。

An.  ぜんぶ、10以上なんですね!
Dr.  これを三重苦とは言わないんですけど。でも、それくらいの勉強は必要なんです。
An.  県内でただ一人、というのが実感できますよね。
Dr.  そんなわけで、次からめまいを起こす病気について、病気の原因や治療法についてご説明します。
An.  本日のお話しのまとめですけれど、めまいは耳の病気のことが多いということ、早期発見・早期治療が大切だということ、そして耳からのめまいは耳鼻科医に相談すると良いこと。
Dr.  すごい! 百点満点ですね(笑)。
An.  それでは次のお話しを、今から楽しみにしています。
 
●『犬が西向きゃ尾っぽは東』
 
An.  三好先生。復習になりますが前回は、めまいは耳の病気のことが多いということ、早期発見・早期治療が大切だということ、そして耳からのめまいは耳鼻科医に相談すると良いこと、についてお話しを伺いました。


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Dr.  今回は具体的にめまいを起こす病気について、少しくわしくお話ししましょう。
 まず有名なメニエール病ですが、これは内耳の神経に水ぶくれが起こり、このために音を感じるかたつむり管や、めまいを感知する耳石器、そして三半規管という神経の、機能が悪化する病気です。
 さて、第一の質問です。音を感じるかたつむり管の機能が悪くなると、どんなことが起こるでしょうか?
An.  ええっと、やっぱり聞こえがヘンになるとか……、もしかすると耳鳴りなんかもするのかしら?
Dr.  今日も、ハナっから絶好調ですね。その通り、音がひずみますし、聞こえ自体も悪くなります。それだけじゃなくって、耳の聞こえの神経の異常放電のために、耳鳴りがします。
 それじゃ、第二の質問。めまいを感じる耳石器や三半規管などに機能障害が起きたら、どうなるでしょう?
An.  めまいが起きる?
Dr.  座布団10枚、ってところですね。正解です。それじゃこのめまい、『グルグル回る』でしょうか、それとも『フラフラする』めまいでしょうか?
An.  なんか、両方起こりそうですね。
Dr.  ますます大正解ですね。メニエール病の、発作の最中にはグルグル回るめまいが起きますし、発作と発作の間にはフラフラする不安定な症状が続きます。その間、ずっと吐き気がありますし、気分は良くないですね。
An.  それって、ひどそうですね。
Dr.  メニエール病だけじゃないんですが、めまいの最中には目玉が実際にグルグル回るんです。
An.  いやだ、それじゃめまいって、ホントに目が回るんですか?
Dr.  めまいという言葉はもともと目が舞う、という語源だったらしいんですけど、それはともかく、めまいのときのこの目玉の回転を、めまいの診断ではすごく重んじるんです。だから耳鼻科の診察では、患者さんの目に特別なカメラを付けて、目玉がどの方向にグルグル回るのか良く見るんです。
An.  カメラで目玉を見るんですか!? 目玉の回るのが見えるんですか?
Dr.  面白いもんで、目玉が右まわりに回っているときは、患者さんの体は左向きに傾きますし、患者さんの外の世界は右向きに回転しているように、感じられます。
An.  外の世界は、体の傾きと逆方向に回転するんですね。
Dr.  それを、「犬が西向きゃ、尾っぽは東」というんですけど(笑)。目玉の回転する方向が、患者さんご本人の感じるめまいの方向と一致します。それでこの目玉の観察は、めまい診察で重要なんです。


An.「めまいは早期発見・早期治療が重要」

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An.  目玉がグルグル回るって面白そうですけど、わたしたちがフツーに見てもすぐに判るものなんですか?
Dr.  特殊な赤外線カメラを使用して記録しますので、まあやはり耳鼻科医の得意分野かとは思いますね。
An.  一度、見てみたいような気もします……。
Dr.  それは冗談として、早期発見・早期治療が大切なめまいのもう一つ重要な病気に、突発性難聴があります。
An.  それは突然、起こるんですか?
Dr.  ある日、ある瞬間に急に耳の聞こえが落ちて耳鳴りがし、グルグルやフラフラなどいろんなめまいが起きる病気です。人によっては、朝目が覚めた瞬間に聞こえの悪化やめまいに気付くこともありますが、それは睡眠中に突発性難聴が起きていて、目覚めと同時にそれに気付くせいだと言われます。
An.  さわやかな目覚めじゃなくって、『めまいとともに起きぬ』ですね。いやですね。
Dr.  突発性難聴のめまいはメニエールと違って繰り返さないんですけど、この病気は出会い頭を逃しちゃいけないんです。
An.  『一期一会』とか……。
Dr.  症状が起きてから1週間以内に治療を受けないと、99%聞こえは戻りませんからね。耳がおかしいなと思ったら、すぐに耳鼻科医へ駆け付けて頂かないと、間に合わなくなっちゃうものですから。
An.  聞こえは元には戻らない……。
Dr.  『返せ!戻せ!』って叫んでも、俊寛じゃあるまいし、そんなにうまく行くもんじゃありません。早めの耳鼻科受診が、すべての基本です。


Dr.「座布団10枚ですね」

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An.  三好先生、1週間以内、ですよね。
Dr.  遅くとも、10日間を過ぎると完全回復は難しいですからね。
 それともう一つ、突発性難聴で忘れてならないのは、原因不明の突発性難聴と錯覚していると、中には脳腫瘍が背景に潜んでいたりすることも、ゼロじゃないんです。
An.  脳腫瘍ですか!
Dr.  脳に原因のあるめまいについては、別の機会にご説明しますけれど、突発性難聴だと思い込んでいるとそうした背景疾患を見過ごすこともあります。やはりめまいは、早期発見と早期治療が不可欠ですし、耳がヘンだと思ったらめまい専門医を受診する心がけが、すべてを左右することになります。
An.  三好先生、ありがとうございました。本日のお話しのまとめですけど、めまい・耳鳴り・聞こえの悪化はメニエールを、めまいや聞こえの悪化で目が覚めたら突発性難聴を、それぞれ考えること。とくに突発性難聴では1週間以内が勝負となるので、一刻も早くめまい専門医で診察すること。
Dr.  座布団10枚どころか、TV番組だったらハワイヘご招待ってとこですね(笑)。
An.  それでは、次回もよろしくお願いします。
 
●『体操で良くなるめまい』
 
An.  三好先生。前回は座布団10枚とハワイヘのご招待、ありがとうございました。今回、江澤は、どこにご案内頂けるんでしょう?
Dr.  それはやはり、めまいの医学、まさに迷路の世界へのナビゲーターです!
An.  わたし、迷子になっちゃうんですか?
Dr.  実は、めまいのセンサーである耳の中の三半規管やかたつむり管のことを、非常にややこしい構造になっていることから、『迷路』と呼ぶんです。ですからめまいの医学は、迷路へのご招待でもあるんですよ。


Dr.「三半規管は第六感の半分……」

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An.  つまり、めまいのお話しの続きってことですか。
Dr.  今日も、朝からサエてますね(笑)!
An.  今日のお話し、楽しみです。めくるめくようなめまいストーリーの、ちょっとスリリングな展開ってとこですよね。
Dr.  今回は、すごくグルグル回って恐いけど、良い治療法に巡り合うと、一瞬で治っちゃうめまいのお話しです。
An.  一瞬で治るんですか。
Dr.  耳の中に、めまいを感じる耳石器という装置のあることはお話ししました。三半規管の脇にあるこの装置には、体の位置を感じ取る神経細胞の上に石が載っています。そして石は、体の傾きを神経細胞に伝える役割を果たしています。
An.  面白そう。
Dr.  ところがなんかの拍子に、まぁ交通事故とか体をぶつけた後が多いんですけど、この石が装置から剥がれて三半規管に入っちゃうことがあります。そうすると、どうなっちゃうでしょう?
An.  石が三半規管の中を、フラーリフラリと揺れ動く?
Dr.  すごい! どこで見て来たんですか?
An.  江澤の第六感です(笑)。
Dr.  三半規管の2倍の直感ですもの、めまいのことなんかお茶の子ですね(笑)。
 その、第六感の半分の三半規管の中を石がフラフラ揺れると、この動きが三半規管のめまいを感じる神経を刺激し、そのたびに体はめまいを感じます。三半規管は体の回転を感じる装置ですから、そこの神経が刺激されるとまるで体が回転しているような、グルグル回るめまいが起きるんです。
An.  フラフラ・グルグル、ですか(笑)。
Dr.  本人はそれどころじゃなくって、ちょっとした体の方向転換で、世界中がグルッと回っちゃうんですから仰天です。方向転換というほどでなくっとも、高いところにある小物を取ろうとして首を上に捻る、靴ひもを結ぼうとして屈む、眠ろうとして頭を枕に沈める。そういった瞬間に地球が回転するので、ご本人にはまさに恐怖体験です。
An.  それはコワソーッ!
Dr.  このひどいめまいは、せいぜい1分間で自然に治まっちゃうんですけどね、でも夜寝ていても寝返りをうった瞬間ごとにフワーッ・グルーッでは、とても落ち着いて寝ていられませんよ。
An.  悪夢にうなされそうですね。
Dr.  ところがこのめまい、「良性発作性頭位めまい症」って言うんですけどね。
An.  三回読むと、舌を噛みそうな名前ですね。
Dr.  ですから、簡単に略してBPPVって言うんですけど。これはめまい体操みたいな感じの、一種のリハビリ的な操作で治るんです。
An.  体操で治るんですか。
Dr.  このBPPVは、三半規管の中を石がフラフラ動くために神経が刺激されて起きるんで、石を三半規管から追い出してやれば良いんです。
An.  いったい、どうやって……。
Dr.  三半規管の中の石は重力の作用で、姿勢を変えるたびにフラフラ動くんです。ですから、体の方向転換で石が神経を刺激するんですね。それを応用して、刺激になる体の向きと逆向きに体をひねれば……。
An.  そうか! 石は元の位置に戻っちゃいますよね!
Dr.  そのために耳鼻科医では、BPPVのめまいを起こす体の向きと逆向きに、体をねじる治療をするんです。それをエプリー法と言って、今一番注目されているめまいの治療法なんです。
An.  最先端ってことですね。
Dr.  さすが冴えてる第六感! その通りです。
 そして三半規管の中の石が元の位置に戻ると、あんなに悩まされためまいがウソみたいにすっきり無くなります。
An.  ウッソーッ!
Dr.  BPPVも長引いたり、何回か繰り返したりしていると、石も一つじゃなくって何個かの細かい石が三半規管の中に浮かんでいることがあって、エプリー法を反復することもありますが。基本的には……。
An.  その体操で良くなるんですね。
Dr.  もちろん症状の変化に合わせて、めまい止めの注射をしたり飲み薬を併用したりしますけれど。でも体操で良くなるめまいなんて、なんだかワクワクするじゃないですか?
An.  それこそ今日のテーマである、めくるめくようなめまいストーリーの、ちょっとスリリングな展開そのものですね!
Dr.  江澤の第六感に拍手!
An.  ありがとうございます。さて、今日のまとめです。すごくグルグル回って恐いけど、良い治療法に巡り合うと、一瞬で治っちゃうめまいがあって、良性発作性頭位めまい症つまりBPPVと呼ばれる。これは、三半規管の神経を浮遊している石が刺激してめまいが起こるので、体操みたいに体を捻る治療で治せる。
 三好先生、体操で治すときにも正確な診断が必要なんじゃないでしょうか?
Dr.  やはりめまい専門医での診察が、理想的ですね。
An.  次回、最終回のお話しが楽しみです。
 
●『めまいはめまい専門医へ』
 
An.  今日は、楽しいめまいのお話しの最終回です。三好先生、めまいは「グルグル回る」めまいと、「フラフラする」めまいと、それから「目の前が暗くなる」たちくらみ型のめまいと、「まっすぐ歩けない」タイプのめまいとに分かれる、ということでしたよね。


Dr.「サイフの底が空っぽになるとメマイが……」

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Dr.  「グルグル・フラフラ」のタイプについては、耳の病気を中心にこれまでご説明して来ました。そこで今回は、たちくらみ型めまいと、まっすぐ歩けないタイプのめまいについて、まずお話しします。
An.  「目の前が暗くなる」って、どんな感じなんですか? 江澤の将来はいつもバラ色なんで、ピンと来ないんですけど。
Dr.  江澤さんでも体験あるでしょ。『空っぽになってしまった自分のサイフの底を覗いた瞬間』とか。
An.  ああ、それなら毎日体験します(笑)。
Dr.  それを、『目の前が真っ暗』って言うんですけど、めまいでも一瞬クラッとして気が遠くなる感覚があって。こうした感覚は、たいてい脳の循環つまり血の巡りの悪化が原因です。
An.  それは、具体的に言うと?
Dr.  体のバランスを取るのは、耳の神経と小脳を中心とした脳なんですけれど、この耳と小脳に血液を送っている血管は同じなんです。それで起立性低血圧って言うんですけど……。ホラ、小学校の朝礼なんかでも、長いこと立っていると脳貧血を起こして倒れちゃう子どもとか、いますよね。


対談後の江澤An.のその夜

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An.  知ってます、知ってます。
Dr.  ODと呼ぶんですが、その起立性低血圧で耳や小脳に血液を送る循環システムの調子が悪くなると、血の巡りが悪化して立ちくらみが起こるんです。
An.  それじゃ、血の巡りが悪いとおサイフの底が空っぽになる……。
Dr.  それは、お金の巡りが悪いんです(笑)。
 このODは意外に多くて、原因不明のめまいとして当院を受診する方の、相当の割合を占めています。
An.  どうして原因不明なんですか?
Dr.  めまいの血圧測定では、安静時つまり寝てる時の血圧と、その直後の立位すなわち立たせた状態での血圧変化を、10分間連続測定するんです。そうするとODでは、10分間に血圧が目立って低下しますから、判ります。ホント小学校の朝礼での脳貧血とそっくりですよ。
 これで診断がついちゃうんですけど、血圧の10分間連続測定は、フツーお医者さんではやりませんからね。
An.  そりゃあ、測定しなきゃ発見できませんものね。
Dr.  困ったことにこのOD、単独で起きるとは限らなくって、他の、たとえば耳が原因のめまいなんかにまぎれて医者に来ます。そうすると原因不明の難病扱いをされて……。当院でも原因不明のめまいとして、いくつか大病院を受診して、やっぱり判らなくって、当院で血圧を側ったら、判っちゃった。
An.  判っちゃった?
Dr.  後から思えば、単なるカン違い(笑)だったんですね。
 でもそんな風に、2つ・3つと複数の原因が交錯すると、たしかにめまいの本質が見えにくくなることはありますよね。
An.  それじゃ最後の、『まっすぐ歩けない』タイプのめまいって、どんなものがあるんでしょう?
Dr.  こうしためまいの中には、むずかしい名前が多くて、アーノルド・キアリ奇形とか、シャイ・ドレーガー症候群とか。
An.  それ、なんですか?
Dr.  脳の先天性奇形や、変性疾患と言いますが、少しずつ脳のバランスをとる仕組みが崩れて行く病気が、すごく数は少ないんですけど、まぎれこんで来ます。
An.  それって耳鼻科の病気じゃ……。
Dr.  専門は耳鼻科医じゃないんですけど、それを区別するのには耳鼻科医も関わります。
An.  『まっすぐ歩けない』タイプのめまいは脳が原因のことが多く、その治療は耳鼻科の専門じゃない。でもその診断は、耳鼻科でも扱うということですね。
 そう言えば三好先生、『グルグル回る』・『フラフラする』めまいでも、脳に原因のあるめまいもあるって聞きました。
Dr.  脳の中の体のバランスに関わる部位、つまり小脳や脳幹に病気が起こると、『グルグル・フラフラ』のめまいが起こります。その部位の脳の血管の病気、つまり出血や梗塞そして脳腫瘍でも、こんなめまいの起こることがあります。
An.  そんなときは、どうすれば・・・。
Dr.  同じ『グルグル・フラフラ』めまいでも、耳に原因のあるそれと脳の病気のめまいでは、目玉の回転の特徴が違います。ですから、耳鼻科医お得意の目玉の回転観察で、脳の異常を疑います。そしてCTやMRIを撮影すれば、たいていそこで診断がつきます。診断さえつけば、その後は脳神経専門医へ紹介して精密検査ですよね。
An.  三好先生、ありがとうございました。
 先生のお話しのまとめですけど……。
 めまいって、一言で言うけれども、その中身には色んな病気があって、それを一つ一つ解きほぐして診断して行く必要がある。
 だけど数から言うと耳に原因のあるめまいが多いので、めまいはまず耳鼻科医のそれもめまい専門医に診てもらうと良い。
 めまい専門医では、目玉の運動観察などの特殊な検査をして、耳からのめまいか他に原因のあるめまいか、区別する。
 耳に原因があれば、めまい体操など特色のある治療法を行い、耳以外の部位つまり血圧や脳に原因のあるめまいでは、鑑別して専門医を紹介する。
Dr.  その通り、めまいに限らず医学って、きちんとした根拠を元に診断や治療をすすめて行くことが大切なんです。
 今回はめまいについて、色々と勉強して頂きましたが、くたびれましたか?
An.  いいえ、江澤は絶好調です(笑)。三好先生、貴重なお話しを、どうもありがとうございました。
Dr.  ありがとうございました。

めまいについては、院長の医学コミック6『さつきさんの憂鬱』にも掲載されています。

関連リンク: 索引 めまい
  索引 良性発作性頭位眩暈(めまい)症(BPPV)
  索引 fmいずみ 79.7Mhz
  索引 エプリー法
  索引 ラジオ3443通信
  索引 げんき倶楽部杜人
  ムービー 良性発作性頭位めまい症(BPPV)を治す体操療法『エプリー法』

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No.182
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