3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
2009年中国・チベット調査レポート~工藤報告vol.4~
 
 お待たせいたしました! 中国・チベット調査団はいよいよチベットはラサへ。今回も引き続いて看護課の工藤がレポートをさせていただきます。

 


ポタラ宮前広場にて


ポタラ宮でチベット族に変身!? 工藤技師(左)と秘書青柳(右)

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9日目の夜
-9月25日(金)-


 ポタラ宮・ノルブリンカ・大昭寺(ジョカン寺)・八廓街(バルコル)を巡りました。

ポタラ宮
 まず我々がやってきたのはポタラ宮です。広場で記念写真をとりました。2年前の調査に引き続き、民族衣装を着せて頂き、スポットライトをあびている私(3443通信No.155を参照)。 

 今回は青柳秘書(前回は写真係)も道連れです。
 このように楽しそうに写真撮影をしておりますが、傍らでは多数の警察関係者が隙の無い鋭い視線をこちらへ向けておいででした。その方角へカメラを向けることはもちろんご法度です。

 広場を散策した一行はついにポタラ宮参拝へ。ポタラ宮はダライ・ラマが冬に住まう宮殿で、高さ116m(山を含む)、東西360m、南北300m、総面積41km2にもおよびます。宮殿の外壁が赤色と白色に分かれています。赤い建物は紅宮(コウキュウ)と呼ばれ、『宗教』に関わる事を司っており、白い建物、白宮(ハクキュウ)と呼ばれるところは『政治』を司っていました。

 ポタラ宮へ入場する際にもセキュリティチェックが必要ですが、2年前より格段に厳しくなっていました。

  液体物の持ち込み制限があり、前回同様ペットボトルの水はNGでしたが、更に今回は目薬程度の容量でも禁止とのことで、大変驚きました。空港で行う国際線のセキュリティチェックよりも厳しいのです。

  ポタラ宮へ入るためには石でできた長い階段を歩いて登らなくてはなりません。まるで、無限の光景と悠久の歴史を目の当たりにするために用意された、試練のような険しさでした。

  これも、み仏のお心でしょうか?

  ラサでは古くからヤクのバターの灯明が貴重な照明です。バターロウソクで明りをとっているポタラ宮では、そのバターに誘われてたくさんのネズミがでるそうです。宮殿に住みついたネコはそのネズミ退治に活躍し、とても重宝されているそうです


鋭い目つきの、ネズミ捕り名人!?ポタラ猫


入場ゲートを抜けた先にある中庭からの眺め


ポタラ宮の、み仏の試練
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ノルブリンカにて

ノルブリンカの花々(虫たちも沢山集まっています)

笹(写真右側)とヒノキ(写真左側)の回廊


大昭寺(ジョカン)の正面

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ノルブリンカ
  ポタラ宮を後にした我々は昼食をとり、ノルブリンカへ向かいました。

 ノルブリンカはダライ・ラマ夏の離宮です。花や樹木に溢れ、小川や池がありとても優雅な心地良い雰囲気に包まれていました。無機質で閉鎖的な雰囲気のポタラ宮とは対照的に、柔らかく開放的な場所でした。

 ダライ・ラマ14世の離宮『タクテン・ミギュ・ポタン』チベット語で『永劫普遍の宮殿』。外見はチベット様式ですが、内部には各国から贈られたラジオやレコードプレーヤーなどが飾られており、近代的な香りがしました。

大昭寺(ジョカン)・八廓街(バルコル)
 ノルブリンカを満喫した一行は『大昭寺(ジョカン)』・『八廓街/八角街(バルコル)』へ。大昭寺では入り口前の広場で五体投地が繰り返されます。熱心な巡礼者等が祈りに没頭する姿には、心を揺さぶられるものがありました。何度も何度も。己の罪を悔い改めようと。一心に願いを叶えようと。不乱の祈りを捧げます。

 チベット訪問5回目となるベテラン勢のお1人、稲川先生の八廓街でのお話です。『リュックを地面に置いた途端に銃を構えた警察官がやってきた』。ご本人ではなく、荷物が『爆発物』、『危険物』と思われたらしいのです。同様に地面に座り込むのも危険な行為として禁止されていました。不審な行動をする者が居ないかどうか、一挙手一投足に眼を光らせている様子で、終始見張られているかのような独特の緊迫した雰囲気がありました。

 のんびりとした時間が穏やかに過ぎていた2年前とは、やはりどこか違う感じがしました。

日本にもあった!? マニ車
 マニ車とはチベット仏教で用いられる仏具の一つです。
 そのマニ車にまつわるお噺をひとつ。

 ドイツ人の医師であり博物学者でもあるケンペル(1651~1716年)は、出島勤務後、ヨーロッパに初めて日本を紹介したことで知られる人物です。花粉症の原因でもある日本の『杉~sugi~』を世界に知らしめたのも彼の功績です。彼の日本での数々の経験は死後に『日本誌』として発表され、黒船のペリーなど後世に大きな影響を残しました。ケンペルは自著の中に日本の文化を紹介しています。『ケンペル』という研究書(ミネルヴァ書房)の中の記述に、

 『ケンペルは黒い紗を張った巨大な六角の灯篭のことを指してクルマドウと呼んでいる。この不思議な灯篭(とうろう)は、「将来のことや未知のことを予知する」ために、車のように回すことができるものだった。ケンペルは好奇心を抱いて、謎に満ちたこの灯篭(とうろう)の情報を入手しようと試みた。しかしケンペルが得ることができた情報は、この中に「大いなる神聖な書物」があり、そのため「不可思議な驚嘆すべき効能」があるのだ、ということだけであった。ケンペルはそれ以上の情報を教えてもらうことはできなかった。それについてわれわれは、当時の日本語文献から知ることができる。それによれば、大乗仏教の五大経典が巨大な木造の保管庫に納められている。この保管庫のことをケンペルは灯篭(とうろう)と呼んでいるのだが、それが巨大な車(輪蔵)の上に置かれている。この車は仏陀の教えの象徴なのであるが、これを回すと、五つの経典を全て読破したのと同じだけの御利益があるとされる。』とあります。


参拝者が五体投地をしています(大昭寺)


八廓街(八角街)/バルコルの様子

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 これはまさに、チベットの「マニ車」そっくりです。マニ車は回すごとに(時計回りにと決まっています。)一回経文を唱えたことになると言われる仏具で、多くの巡礼者が手に携えています。いつの時も仏への祈りを忘れないその姿勢は厚い信仰心の現れなのでしょう。これは、日本の仏閣にもチベット仏教と同じルーツがあることを教えてくれている、とても興味深い記述です。

 それでは、次回はいよいよ2009年中国・チベット調査レポートも完結編となります。チベットを離れた我々は四川省の省都・成都へ向かいます。そこには四川大地震の被災地への訪問、国宝指定の演劇・川劇鑑賞など盛りだくさんなイベントが待っているのです。

 お楽しみに!

看護課  工藤 智香


マニ車(手持ち): 手に持って時計回りに回します。


西村先生とマニ車。素敵なマニ車を7個も購入して、ご満悦の表情です。


マニ車(据え置き):歩きながら手のひらで次々と時計回りに回します。
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関連リンク: 用語集 索引:チベット
関連リンク: 用語集 索引:アレルギー調査

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