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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集
 
 
三好耳鼻咽喉科クリニック ラジオレポート(2)
 専門医としてめまい診療を行う「三好耳鼻咽喉(いんこう)科クリニック」。院長を務める三好彰医師は、30年以上にわたって耳鼻咽喉科の診療に携わる。今回は4月号に引き続き、ラジオで放送された、めまいに関する話題の中から、「体操で良くなるめまい(BPPV)」についての話を紹介する。
 河北ウィークリーせんだい別冊『げんき倶楽部6月号』にて、FMいずみ797『Lady.Go!』から、院長による『体操で良くなるめまい』の話題が紹介されました。

[An.…江澤アナウンサーDr.…三好院長]
An.  三好先生、今回、私はどこにご案内いただけるのでしょうか?
Dr.  めまいの医学、まさに迷路の世界です!
An.  私、迷子になってしまうんですか?
Dr.  実は、めまいのセンサーである、耳の中の三半規管やかたつむり管のことを、非常にややこしい構造になっていることから、「迷路」と呼ぶんです。迷路へのご招待でもあるんですよ。
An.  今日のお話、楽しみです。
   
●世界が回るBPPV
Dr.  今回は、すごくグルグル回って怖いけど、良い治療法に巡り合うと、一瞬で治ってしまうめまいのお話です。
An.  一瞬で治るんですか。
Dr.  耳の中に、めまいを感じる「耳石器」という装置のあることは、前回お話ししました。三半規管の脇にあるこの装置には、体の位置を感じ取る神経細胞の上に石が載っています。そして石は、体の傾きを神経細胞に伝える役割を果たしています。 ところが、なんかの拍子に、交通事故とか体をぶつけた後が多いんですけど、この石が装置からはがれて、三半規管に入ってしまうことがあります。そうすると……。
An.  石が三半規管の中を、フラーリフラリと揺れ動く?
Dr.  すごい! どこで見て来たんですか?
An.  江澤の第六感です(笑)。
Dr.  三半規管の中を石がフラフラ揺れると、この動きが三半規管のめまいを感じる神経を刺激し、そのたびに体はめまいを感じます。三半規管は体の回転を感じる装置ですから、そこの神経が刺激されると、グルグル回るめまいが起きるんです。
An.  フラフラ・グルグル、ですか(笑)。
Dr.  ちょっとした体の方向転換で、世界中がグルッと回ってしまうんですから、仰天です。方向転換というほどではなくても、高い所にある小物を取ろうとして首を上にひねる、靴ひもを結ぼうとして屈む、眠ろうとして頭を枕に沈める。そのような瞬間に地球が回転するので、まさに恐怖体験です。
An.  それは怖そう!
Dr.  このひどいめまいは、せいぜい1分間で自然に治まるんです。でも、夜寝ていて、寝返りをうった瞬間ごとにフワーッ・グルーッではね。
An.  悪夢にうなされそうですね。
   
●めまい体操で治す!!
Dr.  ところがこのめまい、「良性発作性頭位めまい症」って言うんですけどね。簡単に略して「BPPV」って言うんですけど、めまい体操のような感じの、一種のリハビリ的な操作で治るんです。
An.  体操で治るんですか?
Dr.  このBPPVは、三半規管の中を石がフラフラ動くために神経が刺激されて起きるので、石を三半規管から追い出してやれば良いんです。
An.  一体どうやって……。
Dr.  三半規管の中の石は、重力の作用で姿勢を変えるたびにフラフラ動くんです。ですから、体の方向転換で石が神経を刺激するんですね。それを応用して、刺激になる体の向きと逆向きに体をひねれば……。
An.  そうか! 石は元の位置に戻ってしまいますよね!
Dr.  そのために耳鼻科医では、BPPVのめまいを起こす体の向きと逆向きに、体をねじる治療をするんです。それを「エプリー法」といって、今一番注目されているめまいの治療法なんです。三半規管の中の石が元の位置に戻ると、それまで悩まされていためまいが、うそみたいにすっきり無くなります。
An.  本当ですか!?
Dr.  BPPVは、長引いたり何回か繰り返したりしていると、石も一つではなくて、何個かの細かい石が三半規管の中に浮かんでいることがあって、エプリー法を反復することもありますが。基本的には……。
An.  その体操で良くなるんですね。
Dr.  もちろん症状の変化に合わせて、めまい止めの注射をしたり、飲み薬を併用したりしますけれど。でも体操で良くなるめまいなんて、なんだかワクワクするじゃないですか。
An.  ところで三好先生、体操で治すときにも、正確な診断が必要なのではないでしょうか?
Dr.  やはり、めまい専門医での診察が理想的です。エプリー法によって症状が改善された患者さんは、たくさんいらっしゃいますので、次回の放送でお話ししますね。

読者の掲示板
◆うれしい声が掲載されました
げんき倶楽部杜人 6月号
●年齢的に関心を持っています。4月号「三好耳鼻咽喉(いんこう)科クリニック(泉区)の三好先生によるめまいの話は、身近な問題で参考になりました。
(青葉区/鈴木さん・57歳)


関連リンク:     索引 げんき倶楽部杜人
    索引 めまい
      索引 良性発作性頭位眩暈(めまい)症(BPPV)
      索引 起立性低血圧

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