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ラジオ3443通信 突発性難聴によるめまい

江澤アナウンサー(以下An.): 三好先生。前回は良性発作性頭位眩暈症つまりBPPVのお話を伺ったんですけど。さまざまの多彩なめまい疾患について進む前に、治療に一刻を争う突発性難聴のめまいについて、少し教えてください。

三好院長(以下Dr.): そうですね。めまい疾患の中でも、油断すると二度と元の健康な状態に戻ることのできない、そんな疾患もありますからね。
  とくにこの突発性難聴は、早期発見・早期治療がとても大切な病気ですから。今回は突発性難聴によるめまいについて、ご説明しましょう。

An. : おさらいになるかも知れませんが、三好先生、突発性難聴ってどんな病気でしたっけ? 名前を聞くと、急激に起きる病気みたいな・・・・・・。
Dr. : ある日、ある瞬間に急に耳の聞こえが落ちて耳鳴りがし、グルグルやフラフラなどいろんなめまいが起きる病気です。
  通常このめまいは、繰り返さないとされていて一時的ですし、聞こえの急激な悪化の陰に隠れて目立たないものなんですけど。

fmいずみ第1スタジオの前で
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An. : それでもめまいは、バカにできないんですよね。
Dr. : これまで勉強して来ましたように、耳の中つまり内耳の神経は、音を感じるかたつむり管とめまいを感じる耳石器や三半規管から成っています。そしてこれらは内側で、リンパ液で繋がっているんです。

An.: それじゃあなかなか、無関係ではいられませんね。
Dr.: そうなんです。お隣同士、いわば町内会みたいに隣接しているもんですから、ご近所で何か起きたら我が家にも少なからぬ影響はある。そう考えなくっちゃ。

An.: 突発性難聴では、ご近所にどんな影響が起きてるんですか?
Dr.: 突発性難聴の原因はさまざまで、原因を断言することは難しいんですけど、内耳の血管がつまっちゃった場合とか、ウィルスによる感染とか、そんな病態が内耳の神経に起こっていると考えられます。
  そして、その病変の範囲が小さいとかたつむり管だけの症状、つまり聞こえの悪化や耳鳴りが目立つんですが、くわしく検査すると耳石器や半規管も無関係ではないらしく、めまい検査で異常が判ります。

An. : 地震のマグニチュードみたいですけれど、震源地の揺れすなわち病変が深刻だと、大きな揺れが耳石器そして半規管に伝わるんですね。
Dr.: ですから、地震に例えれば震源地の深さや位置を確定するために、突発性難聴でもめまい検査は重要なんです。

An. : 突発性難聴は、早期発見・早期治療が重要と聞きました。
Dr. : 実際の地震でも、震災が起こってからすぐに復旧対策を立てることができれば、被害は最小に抑えられますよね。でも震災が発生してから何日もすぎちゃうと、がれきの下に埋もれていた被災者もいつまでも無事ではいられません。

An.: 突発性難聴でも、同じなんですね!
Dr.: もしも、内耳の血管がつまっちゃって突発性難聴が発生していたら、一刻も早くその詰まりを除去してやらないと。そこから奥の内耳の神経は、いつまでも無事じゃありませんからね。

An. : がれきの下みたいに、酸素が届かなくなっちゃうと、大変ですものね。
Dr. : そのために専門医では、内耳の神経の機能を回復させるビタミン剤や、酸欠状態による組織の水膨れを抑えるステロイド剤、などによる治療をただちに開始します。
 それに組織の酸素不足を補うために、酸素タンクに全身を入れる、高圧酸素療法をするんです。

An.: 酸素タンクに入るんですか?
Dr.: 江澤さんみたいなオツムの血の巡りが良いヒトは、まねしちゃいけませんよ。頭の回転が速くなり過ぎますからね(笑)。

An.: でも、それって効きそう……。
Dr.: 耳のために良いことは、全部徹底して治療に使うってことですよ。

An. : 早期発見、早期治療が大切なことはよく判りましたが、その目安ってどれくらいなんですか?
Dr.: 聞こえがヘンになってから、1週間以内。遅くっても10日間のうちになんらかの手を打たないと、手遅れだと考えられています。
こちらは第2スタジオです。
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An.: それじゃ、ある日突然耳の聞こえがヘンになったら、すぐにその足で耳鼻科を受診しなくっちゃいけないんですね。
  三好先生、それ以外にも突発性難聴で注意すべき点は、なにかありますでしょうか?
Dr.: 突発性難聴のような、ある日突然耳がヘンになりめまいや耳鳴りを伴う疾患の中に、脳腫瘍の潜んでいることがあります。

An.: 脳腫瘍ですか!?
 それって、もしかすると命に関わる病気じゃないんですか?
Dr.: こういった形で発症する脳腫瘍は、聴神経腫瘍と言って、脳から内耳へ行く第7脳神経にできるものが多いんです。
 最近では、MRIなど精密診断機器が身近にありますから、比較的早いうちに診断がついちゃうんですけど。ちょっと前までは、腫瘍が大きくなってから症状がはっきりして、それから耳鼻科受診という順番だったんですよ。

An.:  現在ではそんなに心配することはない、と言うことですね?
Dr.: 治療法も進歩していますし、こうした脳腫瘍による突発性難聴も、早期発見・早期治療の大原則に則って対処すべきですね。

An.: 聴神経腫瘍以外にも、めまいの原因となる脳の病気があるんでしょうか?
Dr.: ウチでの経験ですと、小脳の腫瘍でめまいが発生し、日曜日午前中に子どもさんの運動会会場から、すぐに当院を受診された方がおられます。

An.: 日曜日ですか。
Dr.: ウチは、土・日・祝日も診療していますので、急激なめまい発作で受診される例も、少なくないんです。

An.: 急病人には、助かりますよね。
Dr.: そのせいで、土・日・祝日診療は急病人で外来が混乱しちゃうんですけど。その小脳腫瘍のときには、ごく簡単な検査で脳腫瘍と判っちゃったので、その場で脳外科へ紹介状を書きました。
 脳外科で調べ、「もう少しで命に関わるところでした」というご返事をもらった際には、正直こちらもヒヤッとしました。

An.: エーッ!
Dr.: それ以外にも、小脳や内耳に血液を送っている脳血管の梗塞、つまり血管の詰りのせいで急激なめまいを起こし、土・日・祝日に当院に駆け込む症例も、やはり少なくありません。

An.: 三好先生、最初のお話と重なるかもしれないんですけど、めまいは早期発見・早期治療が大切だと言うこと、そしてめまいはめまい専門医で診てもらうことがとても重要なんだ、と言うことがしっかり身に染みて理解できました。
Dr.: 「一を聞いて十を知る」のは、江澤さんのお得意ですもの、ね(笑)。

An.: それでは三好先生、有難うございました。
Dr.: 有難うございました。


関連リンク: 索引 ラジオ3443通信
  索引 げんき倶楽部杜人
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  索引 突発性難聴

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No.193
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