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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

2011年アレルギー調査レポート シルクロードを巡る旅5

9月21日(水)

ウルムチから成都へ

 この日は、トルファンからウルムチ経由で四川省の省都・成都へ向かうという、強行軍の極めつけとも言えるスケジュールに、団員の疲労はピークを迎えました。

# (図1)深夜の成都空港
時計は0時55分近くを指しています

 お昼前にトルファンをたった一行は、ウルムチ経由で四川省の省都・成都へ向かいます。しかし、ウルムチでは2009年におきた暴動以降、非常に厳しい警備・監視体制が敷かれており、一行の動向にも常に目を光らせているようでした。

 何とか、長いセキュリティチェックを通過し夜の8時過ぎのフライトでウルムチ空港を発ちました。成都双流国際空港への到着が深夜0時近くとなり、急遽翌日からの予定を変更し、体力の回復を図ることにしました(図1)

9月22日(木)

蜀漢の都・成都

 成都市は、アレルギー調査ではほぼ毎年訪れているお馴染みの都市です。
 四川省中央部にある成都市の周囲には、東に中国四大盆地のひとつである四川盆地、西に景勝地としても有名な龍門山脈をたたえ、その豊かな土地を称して「天府の国」と呼ばれていました。

 中国西南部の要衝として古代中国から栄えた成都市は、読者諸氏はよくご存知の三国時代(およそ184年~280年)に、蜀の首都として機能していました。

# (図2)生まれたばかりの子パンダ

 もともとは、同じ劉氏に属する劉璋が支配していた土地でしたが、稀代の名軍師として名を馳せた、諸葛孔明の唱える三国鼎立戦略の要が劉備による蜀支配であったため、内部からの助力を得て支配権を奪い、蜀を打ち立てました。

 そんな長い歴史を感じさせる成都市内には、蜀帝・劉備を祭る墓や、諸葛孔明を祭る武侯祠博物館があります。

 他にも、数十頭のパンダを繁育するパンダ繁育研究基地などがあり、施設内では多くのジャイアントパンダやレッサーパンダが生活しています(図2)

9月23日(金)

世界遺産・九寨溝を巡る

 1992年にユネスコの世界遺産(自然)に登録された九寨溝は、正式には九寨溝国家級風景名勝区と呼ばれ成都市の北約450㎞にある四川省最北部にあります。
 その名の由来は、峡谷沿いにチベット族が暮らす9つの集落(盤信、彭布、故窪、盤亜、則査窪、黒角、樹正、荷葉、扎西)があったことからと言われています。

# (図3)逆Y字型にみえる九寨溝の全景

 九寨溝は、峡谷沿いに点在しているため周囲を標高2、000~4、500mの山々に囲まれており、元々は地元住民以外に立ち入る人がいない地域でしたが、1978年末に専門家による自然保護の主張が認められ自然保護区に指定されました。
 そのため、北側にある公園入り口からは天然ガスを燃料とする専用のグリーンバス以外、車両の乗り入れを規制し、一日の入場者数も制限されています。

 九寨溝は主に、北側から見るとY字型に伸びる渓谷(図3)で、3つの景勝区から成っています(北西にある宝鏡崖景区を含めると4つ)。
 手前からA:樹溝景区、そこから西に伸びるB:日則溝景区、反対に東に伸びるC:則査窪溝景区で構成されます(図3)

 以下、景区ごとに代表的な場所をご紹介致します。

樹溝景区

●火花海(かかかい)

 本景区で最大の湖が火花海です(図4)。太陽光の影響で、水面が火花が散っているように煌くことからその名がつきました。水の流れをたどった先には火花海瀑布があります(図5)

#(図4)魅惑的な火花海の水辺で

#(図5)火花海から流れ落ちる滝


日則溝景区

●諾日朗瀑布(だくにちろうばくふ)

 標高2、365mの地点にある当地で2番目に大きい滝です。幅320m、最大落差25mという迫力の眺めについ足を止めてしまいます(図6)

●鏡海(きょうかい)

 まるで、周りの風景が鏡に映したように湖面に映えることから呼称されました(図7)

 そのため、雲や森、滝や雪山が水面にうつり、「魚は雲の中を泳ぎ、鳥は水中を飛ぶ」とうたわれたそうです。

●箭竹海(せんちくかい)

 大量の箭竹が植生することから名づけられました(図8)。箭竹とは高さ4mほどのイネ科の植物で、矢柄として利用されてきました。

#(図6)迫力満点の大瀑布

#(図7)豊かな自然に囲まれた鏡海

#(図8)幻想的な色合いの箭竹海


●熊猫海(パンダかい)

 その名前のごとく、ジャイアントパンダが水を飲みにきていたと言われる湖です(図9)

●五花海(ごかかい)

 九寨溝の中でも、中心的な位置を占める日則溝景区にある五花海は、特に美しい景色と言われています(図10)。  その理由は、湖底に蓄積した沈殿物にマグネシウムや銅などを含んだ石灰物質が付着し、多種な藻が植生した結果、色彩豊かな色合いにみえるからだと言われています。

●珍珠灘瀑布(ちんじゅたんばくふ)

 五花海から流れてくる水が、珍珠灘と呼ばれる長い斜面を下り、幅310m、最大落差40mもの大滝から流れ落ちます。九寨溝で最も迫力のある絶景です(図11)

#(図9)いまにもパンダが現れそうな熊猫海

#(図10)見るものを魅了する五花海の湖面

# (図11)水飛沫が真珠のようだといわれた珍珠灘瀑布


●五彩池

 九寨溝を構成する2つの渓谷のうち、東側に位置する則査窪溝景区にある湖で、面積は狭いながらも九寨溝随一の青さを誇ります。コバルトブルーの湖面は、水質の良さから6m底の石がはっきりとみえるほどに澄みきっています(図12)

●長 海

 九寨溝で最大の面積を占める湖で、S字型に屈曲しています。長さが5㎞、最大幅600mで湖の両側にはいずれも標高4、000mを超える霊峰が、万年雪をたたえたまま見下ろしています。
 他の湖と比べ、群青色の湖面は九寨溝最奥の秘境といったおもむきが感じられました(図13)

#(図12)自然の水だとは思えないような五彩池

#(図13)透明度の高い長海


調査を振り返って

 本年のアレルギー調査は、大震災の半年後に行われましたが、クリニックの復旧が順調にすすみ無事実施することができました。
 予定通り、今後のアレルギー調査の地盤つくりとなる環境調査をウイグル自治区で行うこともできましたし、高地での睡眠調査によるデータ採取も進んでいます。
 調査実行にあたり、ご協力頂きました方々に心より御礼を申し上げます。
 今後の調査につきましても、随時結果をご報告させて頂きますので、ご期待ください。

2011年ウイグル調査 旅レポ(4)