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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

20周年記念講演会

講師のご紹介

田中 美郷先生 田中 美郷先生

 帝京大学名誉教授であり、現在は東京都世田谷区で田中美郷教育研究所・ノーサイドクリニックを営まれている田中美郷先生は、耳の聞こえない子ども(難聴児)と、その両親に対して難聴や医療に関する講義を行なわれています。

 ノーサイドとは、陸上スポーツのラグビーで使用される言葉ですが、試合終了という意味を持ちます。これは、選手たちがお互いの健闘をたたえあって再会を約束するということでもあるそうです。
 田中先生は、このノーサイドという言葉に、持てる者・持たざる者というワンサイドからの視点で物事を考えるのではなく、その垣根を取り払いノーサードの理念を持つことが重要だと説いています。

 特に、難聴とは耳の働きに原因があることであり、子どもの能力に問題があるという見方は、子どもの将来に多大な影響を与えると述べられています。

言葉から生まれる概念

 子どもは、両親や周囲の人が発する言葉の刺激を蓄積し、ある一定の年齢にたっすると意味のある言葉を話すようになります。これは、言葉による刺激が考える・推察するという「思考力」を身につけさせるためですが、耳の不自由な子どもの場合、音の刺激を得ることができないため物の概念を覚えることが難しくなります。

 例えば、一般の人に「楽しい」とは何か? と聞くとします。すると、友人と遊ぶことや、趣味に没頭するといった答えが返ってくると思います。しかし、耳の不自由な子どもは、実際は楽しく遊んでいても、それが「楽しい」という状態なのだと認識できないのです。
 「遊ぶ」+「楽しい」というそれぞれの情報を、自然と一つにまとめあげることのできる思考力は、音(言葉)から得る情報の蓄積がとても重要なのです。

 田中先生は、そういった子どもに様々な方法を使って、物の概念を覚えるために必要な指導とケアを、約40年間にわたり実践されてきました。

 今回のご講演でも、貴重なお話が伺えると思いますので、皆様ふるってご参加ください。