3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

特別訓練休暇課題レポート「難聴について」看護課 北川 悦子

看護課 北川 悦子 看護課 北川 悦子

 この度、三好耳鼻咽喉科クリニックの看護課に勤める事になりました、北川悦子と申します。こちらでは、「難聴について」のレポートをご紹介いたします。

 耳の聞こえが悪いことを難聴といいますが、難聴は大きく三つの種類にわけられます。


●伝音難聴
 音を伝える部分(外耳・内耳)に障害があって聞こえにくくなったもの。
●感音難聴
 音を感じる有毛細胞や、その興奮を聴中枢に伝達する蝸牛神経や中枢(内耳を含めた内耳より中枢)に障害があって聞こえにくくなったもの。
●混合難聴
 伝音難聴と感音難聴が混じって聞こえにくくなっているもの。
難聴を引き起こす病気には次のようなものがあります。

外耳疾患

(1)外傷性鼓膜穿孔

 耳掻きをして、誤って耳掻きを耳の奥まで突っ込んでしまった場合や、平手打ちなどで耳の外側から強く耳を叩いた時などに、鼓膜に穴の開くことです。
 鼓膜穿孔が余り大きくない場合には、穿孔部分に紙片などをあてがい、鼓膜の皮膚が伸びて再度鼓膜が塞がるようにします(パッチと称する)。

関連リンク:索引:外傷性鼓膜穿孔

中耳疾患

~中耳炎~

(1)急性中耳炎

 子どもが風邪をひいている時や、治りかけに耳の痛みを訴えます。対処法としては、鼓膜を切開し膿を外に出します。

関連リンク:索引:急性中耳炎

(2)滲出性中耳炎

小児の滲出性中耳炎

 アデノイドと呼ばれるリンパ組織がのどの上の耳管開口部近くに存在し、腫れて耳管を塞ぐことが原因で発生します。
 ポリッツェル球というゴム球を使い空気を鼻腔へ押し込み、耳管経由で中耳腔の換気を促します。又は、ゴックンネブライザーと称するジュースなどを利用して、鼻腔内に加えられたネブライザーの圧を口腔へ逃さず耳管へと導いている換気法があります。この換気法は大人にも施行します。

成人病年齢の滲出性中耳炎

 のどの耳管開口部に悪性の腫瘍が存在して耳管を圧迫し、発生している可能性があります。腫瘍も念頭に入れて精査することが必要です。
 鼻腔を通して金属のカテーテルをのどの耳管開口部にあてがい、カテーテルの中から空気や薬剤を耳管、そして中耳腔へと送り込みます。

高齢者の滲出性中耳炎

 耳管の開閉をつかさどる筋肉が年齢的に衰え、中耳の換気が上手くいかず、滲出液が溜まってしまう状態です。老人性難聴に並存することがあり、注意が必要です。

関連リンク:索引:滲出性中耳炎

(3)慢性中耳炎

 子どもの頃からの中耳の炎症で、鼓膜に穿孔が存在し感染により耳だれが出る状態です。慢性中耳炎の一種である真珠腫性中耳炎では、内耳の骨組織を破壊し、感音難聴やめまいを引き起こします。この症状には手術を要します。
 ほかにも、音を振動で伝える骨の動きが悪くなり、難聴症状を引き起こす耳硬化症という症状もあります。これは、中耳にある三つの耳小骨のうち、一番内耳に近いアブミ骨の底に組織変化が生じたものです。

関連リンク:索引:慢性中耳炎

内耳疾患

(1)突発性難聴

 ある日、ある時、突然耳が聞こえなくなります。原因は不明で、同時にめまいを伴うことがあります。発症から一週間以内に治療を開始しないと改善しにくくなります。ごく稀に、聴神経腫瘍が隠れていることがあります。ステロイド剤の内服や注射、高圧酸素療法などが治療法として有効です。

関連リンク:索引:突発性難聴

(2)メニエール病

 内耳の浮腫や水腫により、ライスネル膜がふやけて広がり神経細胞が圧迫されます。それにより水腫が破れ、内耳のリンパ液バランスが崩れて、難聴のほかに、めまいや耳鳴りが生じます。原因は判明していません。
 治療は、通常の鎮暈剤いがいに水腫に対する浸透圧調整剤が用いられます。

関連リンク:索引:メニエール病

(3)老人性難聴

 加齢と共に高音部から聞こえが悪くなり、話しかけられていることは判るが、会話の内容が把握できないことがある状態です。高齢者に話しかける時には、相手の目を見て、ゆっくり、くっきり、はっきりと自分の口元を見せながら話します。
 また、補聴器を使用する場合は、店頭で買い求めず耳鼻咽喉科で検査し、自分に合った物を選択する必要があります。

関連リンク:索引:老人性難聴

(4)音響性外傷

 大音響を突然聞いた時に、内耳の蝸牛がダメージを受けて生じる難聴です。心身ともに不調な時に、ライブやコンサートに行った際に起こる事があります。
 こちらも、突発性難聴と同じように早急に耳鼻咽喉科を受診する必要があります。

関連リンク:索引:音響性外傷

(5)騒音性難聴(職業性難聴)

 何年も大きな音の中で働かねばならなかった人に多く見られます。日常会話で使用しないような高音域から聴力が悪化し、かなり悪くなってから異常が自覚されます。
 予防と悪化防止には、職場環境の整備や耳栓の使用がかなり有効です。

関連リンク:索引:騒音性難聴
関連リンク:索引:職業性難聴

後迷路性・中枢性疾患・心因性疾患

(1)聴神経腫瘍

 良性の脳腫瘍で発育はゆっくりですが、腫瘍内部に突然出血を起こすことがあり、その際、腫瘍全体も大きくなります。その結果、聴神経を圧迫して突然的に難聴になります。

関連リンク:索引:聴神経腫瘍

(2)機能性聴覚障害

 聴覚に関する器官(耳の各部、神経、脳幹)に、器質的病変のないものです。ABRなどの他覚的聴力検査で異常所見は見られないのに、純音聴力検査で聞こえの悪化が観察されます。詐聴(意図的に難聴を装うこと)と心理的ストレスから発生するものがあります。

 以上のように、難聴に関わる疾患は非常に多くあり、今回のレポートで勉強した事を、今後の仕事で活かせるようにしたいと思います。

三好彰監修「まんが みみ・はな・のどシリーズ」(7) 「難聴早期発見伝」の表紙 三好彰監修「まんが みみ・はな・のどシリーズ」(7) 「難聴早期発見伝」の表紙