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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

2012年中国アレルギー調査~雲南の旅~旅レポ2

看護課 浅野 佳代

楽園と呼ばれたシャングリラ

看護課 浅野 佳代 看護課 浅野 佳代

 9月14日(水)、シャングリラに到着したのは、日も落ちて暗くなってからでした。

 シャングリラは、昆明から約710㎞、雲南省の西北端にあるデチェンチベット族自治州で、チベットの影響を強く受けています。

 標高3276mの高地で2002年までは中甸と呼ばれていましたが、映画化された小説『失われた地平線』(ジェームス・ヒルトン著)の舞台になった、理想郷シャングリラのモデルであると地方政府が主張しシャングリラ(香格里拉)と改名されました(ガイドブックより)。

 ホテルに向かうバスの中で、ガイドのラムさんから高地での注意点として(観光客の中には、高山病にかかってしまう方がいるそうです)水分を取ること、ゆっくり行動し、走らないこと、入浴はさける等の説明を受け、ホテルで簡単に夕食をすまし、早々に休むことになりました。

気圧の関係でパンパンになった袋 気圧の関係でパンパンになった袋

 私が持参した気圧計も686気圧を示し(仙台では1013気圧)空気が薄いことが、わかります。各メンバーの血中酸素飽和度が90%前後に低下していました。

 安静にしていると問題はないのですが、一昨年に行ったチベットのラサ程ではないけれど、動くと胸が苦しくなってきます。これからは、低酸素状態との戦いです(おおげさなようですが、一昨年の経験から私は低酸素には弱いようで今回もかなり不安がありました)。

酸素飽和度・呼気中二酸化炭素群圧の測定器 酸素飽和度・呼気中二酸化炭素群圧の測定器

 睡眠調査のための簡易モニターのセンサーを、鼻と指に取り付け、就寝しました。なかなか寝付けず、さすがにぐっすりとは眠れませんでした。朝起きた時は軽い頭痛がありました。
 頭痛は持参した鎮痛剤ですぐ治まりました。後の簡易モニターの解析では睡眠時の酸素飽和度は80%前後で、夜間低酸素状態が続いていたことがわかります。頭痛もするわけです。

 また空気がひどく乾燥しています。ホテルには加湿器が備え付けられており、フル稼働させていました。シャングリラも、季節は雨期で天候はどんよりとした曇り。雨も多い時期のようでしたが、気圧が低いのと気温も低いため、空気中に含まれる水分が極端に少ないようです。

 朝食後、メンバーそれぞれの酸素飽和度・呼気中二酸化炭素分圧を測定し、その後ガイドさんの案内でシャングリラの観光へでかけました。

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 午前中、シャングリラから東に約22㎞離れた国立公園・普達措(プタツォ)国家公園に行きました。総面積は1313km2ありますが、観光客が行ける所は限られています。公園ゲートから、標高3500mを越える場所にある高山湖・属都湖へ、シャトルバスで行きました。

 湖の周りにはきれいな遊歩道が整備されており、ハイキングが出来るようになっていました。

遊歩道 遊歩道
属都湖 属都湖
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 緑に覆われた湿原は美しく、苔むした森の風景は、日本の屋久島の森に似ていました。

 ただ、標高が上がるにつれ、空気は薄くなっているようで、私は思うように歩けず、少し遅れてみんなについて行く状況。頭もボッーとしてきます。公園ゲートに戻ってきてやっと楽になりました。このあたりまで来るとほんの数百mの差でも体でその違いを感じることが出来ます。

 シャングリラの街の小さな食堂で昼食をとり、(この時は全く食欲がなく殆どなにも口にできませんでした)、午後は、ナパ海と呼ばれる草原にいきました。

街の小さな食堂で昼食 街の小さな食堂で昼食
標高3500mの高原 標高3500mの高原
標高3500mの苔? に覆われた木 標高3500mの苔? に覆われた木
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理想郷を思わせるナパ海の草原 理想郷を思わせるナパ海の草原
馬に乗って草原を行く森秘書 馬に乗って草原を行く森秘書
建築中の建物(チベット風) 建築中の建物(チベット風)
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 ここでは、馬に乗って草原の中央まで行くことができました。

 この草原は色とりどりの草があり、灰色と緑の印象しかないシャングリラの中で、理想郷のイメージに一番近く感じた場所でした。シャングリラは5月~7月が、高山植物が咲き乱れ美しい季節になるそうです。

 シャングリラの中心部は小さな町で、中国の他の都市にみられるような高層ビルはありません(標高の高いこの地域に高層ビルの建築は難しいとのこと)。

ホテルからの眺め ホテルからの眺め
街角の風景 街角の風景
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 郊外に出ると、牧草地や農地が広がっています。牧草地には、馬や羊、ヤク・豚などが放牧されていました。ヤクはチベットの人々にとって大切な生き物です。

 頭の骨は魔よけ(おみやげ屋で売っていました)。ヤクの毛で作った布は丈夫でお寺の装飾やテントに使われ、ヤクの肉は大事な蛋白源であり、チベット人にかかせないバター茶もヤクの乳からとります。シャングリラの人の約60%はチベット族だそうです(ガイドさんによる)。10年前までは80%がチベット族だったそうです。道路脇には、建築中の建物が多くみられ、畑ではちょうど麦でしょうか、作物の刈り入れを行っている様子が見られ、昔の日本の稲刈りの様子と似ていました。草原では子供たちが鬼ごっこみたいな事をして遊んでいました。

 その風景は、中国というよりも、一昨年に訪れたチベットの林芝(リンチー)の雰囲気に似ています。林芝とシャングリラはちょうど同じくらいの標高に位置しています。環境も暮らしている人々もチベット族が多いわけですから、似ているのもうなずけます。

 この日も夕食はホテルでとり、2日目の睡眠時の呼吸測定のセンサーをつけ就寝。気温は10℃をきっており、寒い夜となりました。

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農作業にいそしむ人達 農作業にいそしむ人達
遊んでいる子どもたち 遊んでいる子どもたち
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