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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

ラジオ3443通信 学校健診特集12 雲南の旅・英国紅茶の旅

112話 西双版納のタイ族園

雲南の豚と人々 雲南の豚
An.:
三好先生、お話は昨年の三好先生の調査旅行の雲南省の興味深い話題から、住居とアレルギー疾患の関連にまつわるストーリー、そしてアレルギー疾患の背景となるダニの増加について、進行しています。
 今回は、雲南省の高床式住宅について、またお話を伺えると聞きました。
 どうぞ宜しくお願いします。
Dr.:
現地の高床式住宅がとても面白いのは、2階に人間が住んでいてですね、1階には何が住み着いているのか、江澤さんは想像がつきますか?
An.:
えっ先生。もしかすると、人間以外の何かが・・・・・・、高床式住宅の1階には居るんでしょうか。
Dr.:
私たちの見て歩いた観光地では、出くわさなかったんですけど。ここに、私の持ってきた本があります。江澤さん、この本の表紙の写真、何が写っているでしょう?
An.:
わっ可愛い! 先生、これは子豚ちゃんですね。葉っぱを啣えて、なんだかニコッと笑っていますよ、先生。豚って、笑うんですねぇ!
Dr.:
この子豚の目尻が垂れてぇ・・・・・・。ホントに笑ってるみたいに見えますね!
 この本が私は好きで、ですね。
An.:
先生、この本はなんていう本なんでしょう?
Dr.:
伊藤真理という写真家の、「雲南の豚」って名前のアルバムなんですけどね。
 私が初めて昆明市に行った1998年、出版されたばっかりの本で、私はこの本を携えて昆明医学院に行ったんです。
 現地の耳鼻科医たちもこの本を見て、笑ってましたけどね。
An.:
先生、もう1冊ありますね。
 「雲南の豚と人々」って本。あっ、同じ伊藤真理さんのご本ですね。
Dr.:
こちらは豚だけじゃなくって、雲南省の人々の生活光景が色々と出て来ます。
An.:
あら先生、このページには話題の高床式住宅があります。とても蒸し暑そうな空気が、写真からも伝わって来て、なるほど高床式住宅はいかにもふさわしい雰囲気です。
Dr.:
これは、西双版納のタイ族の村の光景なんです。
 現地では、タイ族の住んでいる村をそのまま観光名所にしまして、住民が普通に生活している様子を観光客が見て歩くんです。
An.:
江澤も行ってみたいです!
Dr.:
面白かったのは、そのタイ族の村の入り口に、そこを訪れた有名人たちの写真がたくさん飾ってありまして・・・・・・。
 その中になんと、あのキッシンジャーの写真もあったんです。
An.:
キッシンジャーって確か、ニクソン大統領のアメリカで、大統領補佐官をやっていた人ですよね。
Dr.:
当時世界は冷戦構造のさなかにあって、アメリカと中国は敵対していました。しかし、1972年にニクソン大統領が突然中国を訪問し、世界中をビックリさせました。
An.:
ニクソン大統領が、中国の毛沢東首席と握手している光景を、今でもネットなどでは見ることができます。
Dr.:
キッシンジャー補佐官は、1971年に中国を極秘訪問し、中国の周恩来首相と会談、ニクソン大統領の訪中を決定します。
 そんな風に、世界を動かすこともあったキッシンジャーが、まさか西双版納のタイ族民族村を訪問しているなんて・・・・・・。
An.:
三好先生も、ご存じなかったんですね?
Dr.:
やっぱり世界はすべて、この目でじかに見て歩かないと、判らないものだと、しみじみ思いました。
An.:
世界は広いんですね!
Dr.:
西双版納ではこの後、タイ族の伝統的なお祭りである「水かけ祭」を見て来ました
An.:
お祭りの開催される当日は、町中の人々全員が、お互いに水を掛け合うというお祭りですね。江澤も聞いたことがあります。
 先生も、水浸しになっちゃったんじゃありませんか?
Dr.:
タイ族の新年は4月ですので、4月16日から3日間は、相手かまわず水を掛け合います。日本で言えばお正月の3ヶ日ですから、おめでたいんですよね。
 でもそれ以外の普段の日は、ショーとして現地の女性たちが観光客向けに、お互いバケツや洗面器に入った水を掛けっこするだけですから。ちょっと、ものたりない思いをします。
An.:
新年の行事でしたら、何かいわれがあるんじゃあ?
Dr.:
昔々、この地方の人々を苦しめた魔王を退治した7人の娘が、死後も炎上する魔王の首を交互に抱いて、その炎の害から人々を守った。そんな伝説があるんです。
An.:
その娘たちはきっと、すごく熱かったでしょうね。
Dr.:
水には汚れを落とす作用と、火を鎮める働きとがあります。
 そんな伝説の美女たちが、せめて熱さを忘れるように、との人々の念願を込めて、すべての人々に水を掛け合った。それが水かけ祭の、起こりだと伝えられます。
An.:
日本でも、心身を清めるために水を被る習慣がありますね。
Dr.:
それに水は、農業にとって欠かせない存在です。
 身を清めるだけでなく、五穀豊穣を願って「水掛け祭」は行われるみたいです。
An.:
日本人にも、すごく判り易いですね。
Dr.:
この3日間には、集団見合いゲームが行われるんだそうで。「手毬投げ」と言うんですけど。
 見合いをする若い男女が、約10メートル離れて、これぞと思う相手に財布型のクッションを投げます。
 意中の人がそれを受け取ってくれれば、めでたしめでたし、となります。
An.:
新年にふさわしい、華やかな行事なんですね。
Dr.:
調査のお話は、もう少し続きます。
 次回も、どうぞお楽しみに!
Dr.:
ありがとうございました。
#

113話 英国のローマ風呂

An.:
三好先生、お話は学校健診の話題から、先生の健診を母体とした世界各地でのアレルギー調査に発展し、前回は昨年の調査で訪れた雲南省の風物の楽しい思い出話を聞かせて頂きました。
 今回のお話は、どんな話題なんでしょう。江澤はとても楽しみです。
Dr.:
江澤さん。私は先日、とっても面白い映画を見ました。
 「テルマエ・ロマエ」という名前の、古代ローマの浴場つまりお風呂の設計技師が主役の、映画なんです。
An.:
先生、江澤はそれ、知ってます。
 だってその原作のマンガのときから、江澤は大ファンだったんです。
Dr.:
古代ローマのお風呂は、当時のローマ帝国が支配した各地域にその名残を留めていまして。
 私が見て来たのは、英国のウェールズ大学と共同研究をやっていたときに、大学のあるスウォンジーという街の東北に位置する、カエルレオンという小都市の遺跡です
 このカエルレオン、グーグルで探索するとカーリーアンという英語読みの名前になってまして、ちょっと判りづらいんですけど。
An.:
カエルレオンって名前、江澤も聞いたことがあります。
Dr.:
江澤さんは、アーサー王の円卓の騎士の物語を、ご存じですね?
An.:
騎士道華やかなりし頃の、ファンタジーに満ちた伝説の数々は、江澤も大好きでした。妖精マーリンや勇敢な騎士たちがたくさん出て来るんですもの。
Dr.:
私も子どもの頃、あの物語に伝えられる「湖の騎士」サー・ランスロットが大好きでして。良くそのマネをしたりしたんです。
An.:
アーサー王の伝説が、そのカエルレオンにあるんですか?
Dr.:
カエルレオンには、ローマ人の作った円形競技場がありまして。その円形競技場には、ローマ人たちが集まって衆議を尽くす、そんな習慣があったんです。
An.:
ギリシャ・ローマ時代の民主主義政治の原型、みたいなものだったんでしょうか?
Dr.:
この円形会議場こそ、アーサー王が騎士たちに上下の別け隔てなく議論をさせた、円卓伝説の原型なんです
An.:
アーサー王の伝説って、ヨーロッパ各地に残っているようなことも聞きました。
Dr.:
ところがこのカエルレオンからは、1926年の発掘調査のときに、妖精マーリンの木彫りの彫刻が見つかったんです
An.:
それじゃあ本物。
Dr.:
そしてこのカエルレオンの古代ローマ風呂の遺跡、実は「テルマエ・ロマエ」に登場するハドリアヌス帝が関与しているんです。
An.:
ホントですかぁ!?
Dr.:
当時ローマ帝国の一部分だった、英国の南3分の2をハドリアヌス帝が支配したんですけれど、彼が北方警備のためにイングランドとスコットランドの間に作ったのが、英国版「万里の長城」である「ハドリアヌスの壁」なんです。
An.:
そんなことが実際にあったんですねぇ。 江澤は、映画の中だけのことかと思ってました。
Dr.:
やはり映画に出て来るアントニウス・ピウス帝、つまりハドリアヌス帝の後継者は、さらに新しい壁を作り北方への備えとします。
An.:
映画のストーリー通りですね!
Dr.:
こうした軍備を直接担当したのは、ローマ軍のオーガスタ第2師団だったんですけれど、この師団が300年間にわたって駐屯地としたのが、カエルレオンだったんです。
An.:
じゃあローマ風呂も・・・・・。
Dr.:
この師団のために建設されたとされます。
An.:
日本のマンガや映画って、レベル高いんですね。
江澤ももっとマンガを読まなくっちゃあ。
Dr.:
で、あの映画の最後にね。
傷を負ったローマ軍兵士のために、地熱を利用した湯治場を作るんですけど。
An.:
思い出しました。
青森の湯治場の人たちが、木材を集めて家を建て、湯治場の小屋をたくさん作ってました。
Dr.:
あのシーンでね。まず木組みで柱を作り、それにロープを掛けて引っ張って立て、それから横に木組みをして小屋を作っていましたね?
An.:
思い出しました。確かに、木組みした枠を立てて、そこから小屋作りをしていました。
Dr.:
つまりこの日本では、家を建てるときにはあんな順序で骨組みをし、それから屋根をかけて1軒の家ができるんです。
An.:
先生のお話の、在来工法ってことですね?
Dr.:
江澤さん、この写真を見てください。
 家を建ててますね。
An.:
先生、この写真、まず柱を中心に梁を作ってますよ
それをみんなで縦にして、反対側の同じ柱・梁との間に横に木組みをしてますね。
「テルマエ・ロマエ」と同じ家の作り方ですから、これは日本の住宅ですね?
Dr.:
江澤さん。この写真は、私の知り合いの建築家が中国で撮った写真なんです。
An.:
えっ、中国なんですか?
Dr.:
中国の南の広東省に接する1地方の、現実の1シーンなんです。
An.:
それじゃあ、こうした古くから南アジアに伝わる「在来工法住宅」。つまり床を作り柱を立て、屋根を載せてそれから「ハンギング・ウォール」と称するんですけど。つまり源氏物語時代の御簾」、まぁカーテンみたいな感じの壁を作る家屋は、中国南部にも青森にも存在した。
Dr.:
それが「テルマエ・ロマエ」の映画から、理解できるんです。
さて、次回はどんなお話でしょうね?
Dr.・
An.:
どうもありがとうございました。
#

114話 英国紅茶の旅

紅茶を受け皿で
An.:
三好先生、先生はこのゴールデンウィーク(以下GW)、どちらへお出かけでしたか?
Dr.:
江澤さんとのお話で盛り上がっている、ハドリアヌスの壁のある、英国へ行って来ました。GWのお休み中も、江澤さんとエフエムいずみのことが、どうしても頭を離れなかったものですから(笑)。
An.:
英国のどの辺で、今回はGWを楽しんで来られたんでしょう。
Dr.:
以前にもお話ししましたけれど、英国には私の一人娘が嫁いでいまして、3年ぶりにご主人の実家へ、ごあいさつを兼ねて伺ったんです。
An.:
たしか先生のお嬢さんは、サフォーク州というところに、中学校の頃から留学しておられたんでしたね。
Dr.:
3年前に、サマーヒル・スクールというその学校の、音楽の先生と結婚しまして。
昨年、永住権を取ることができたものですから。
An.:
それで先生はときどき娘さんが恋しくて、英国にお出かけなんですね?
Dr.:
今回も娘の顔を見て、ゆっくりくつろいで来ました。
An.:
娘さんも大歓迎で、きっと、いろいろなところを案内してくれたかと。 先生、土産話を聞かせてくださいな。
Dr.:
娘の住むサフォーク州は、英国の東側に位置しています。ロンドンから東北に向かって、車で3時間の距離です。
英国の北西の地域には、低い山並みもあるんですけど、東南部は広いカモガヤの草原がどこまでも広がっています。
牛や馬そして羊などの牧畜が、所々に固まって草を食んでいます。
An.:
世界初の、花粉症発祥の地ですもの、ね。それもカモガヤの(笑)。
Dr.:
広大な牧草地ですから、それを潤す水路が至る所にあり、ゆったりした流れの川が縦横に巡らされているんです。
この地帯は同時に、豊かな穀倉地ですから、実った穀物を粉にするための風車があちこちで回っています。
An.:
(夢見るような面持ちで)先生、それ、ステキですねぇ・・・・・・。
Dr.:
娘が8人乗りのボートを借りてくれまして、家内と私と娘夫婦で3日間、のんびりと船旅を楽しみました。
An.:
先生、それはゴーカですね(笑)。
Dr.:
穏やかに波打つ水面と、緑の草原から昇る太陽、強い日差しをも心地よく感じさせる風の精たち。その中をゆったりと進む、ボートの揺れ。
行く手には白鳥やアヒルたちが、連なって川面を泳いでいます。
すべてを忘れる心地よさに浸りながら、それでも私は江澤さんとエフエムいずみのことを、決して忘れなかったんです(笑)!
その証拠に・・・・・・。
An.:
そう言えば先生、エフエムいずみに、おみやげの紅茶を頂きまして(笑)。どうもありがとうございました。
Dr.:
江澤さんに、この紅茶を味わって頂いて、1を聞いて10を知る優秀な頭脳に磨きをかけて頂こうと・・・・・・。
An.:
うれしいです、先生。この紅茶を嗜めば、たちまち江澤のおツムはすっきり目覚めて、全速力で回転しますから。
でも先生。紅茶を喫むと、どうして頭がサエるんでしょうか?
Dr.:
江澤さんもご存じの通り、紅茶や緑茶そしてコーヒーなどの飲料には、カフェインが含まれていて、それが作用するんです。
もちろん、カフェインの働きだけじゃあなくって、紅茶を喫むためにクッキーを揃えたり、準備しているうちに眠気が覚めるってことは、ありますよね。
An.:
飲み物そのもので言えば、江澤はコーヒーを喫むと、一気に目が覚めるような気がします。
先生、飲み物によって、効き目に違いがあるのは、なぜでしょう?
Dr.:
江澤さん、緑茶や紅茶とコーヒーを比べると、どちらが目が覚め易いでしょうね。
ちなみに、コーヒー豆1gと紅茶・緑茶1gとでは、カフェインの量はお茶の方が多いんです。
An.:
あれぇ?
江澤はコーヒーを1杯、ぐいっと飲み込んだ方が、お手前を頂戴するより、目がサエるような感じがします。
江澤の、これは錯覚かしら。
Dr.:
江澤さん。鉄1kgと綿1kgとでは、どちらが重たいでしょうか?
An.:
そりゃ先生、鉄1kgの方が重たいに決まって・・・・・・。アレッ?
Dr.:
どちらも1kgですから、重さは同じなんです。
それでは紅茶や緑茶1杯と、コーヒー1杯とでは、どちらのカフェイン含有量が多いでしょうね。
An.:
ウーン。先生、判りません。正解を、どうぞ!
Dr.:
コーヒー1杯に含まれるカフェインの量は100mgで、紅茶や緑茶1杯に入っているカフェインは50mgです。ちなみにインスタント・コーヒー1杯も、50mgです。
An.:
それじゃあ先生。コーヒー1杯のカフェインが多い・・・・・・。アレッ?
Dr.:
コーヒー豆1gと紅茶や緑茶の葉1gでは、お茶のカフェイン量が多いんです。
でもコーヒー1杯には豆10gを使用しますが、紅茶・緑茶1杯にはティー・スプーン2杯分、つまり2gしか葉を使いません。
ですから、1杯のコーヒーと紅茶・緑茶を比較すると、コーヒーのカフェイン量が多いんです。
An.:
それで!! 鉄1kgと綿1kgの例え話になるんですね。参りました。
Dr.:
まあまあ江澤さん。ここらで、英国風にお茶の時間にしませんか?
しゃれて、ティー・タイムなどいかがですか。
An.:
それではここで三好先生おみやげの、紅茶とカフェイン摂取の時間とします(笑)。
Dr.・
An.:
本日も、ありがとうございました。

115話 近代に流行った英国紅茶

#
An.:
三好先生、前回は先生のおみやげの英国の紅茶のお話を伺いました。
コーヒーとのカフェイン含有量の比較など、非常に含蓄のあるお話でした(笑)。
Dr.:
英国の、緑におおわれた平原を眺め、午後の紅茶を嗜むと、自分の人生まで豊かになったような、そんな気分になっちゃいます。
でも江澤さん、この英国の緑も紅茶も、わずか150年の歴史しかないんですよ。
An.:
えっそんな先生、英国の美しい自然と紅茶のセットは、何百年もの伝統があるものと、江澤は思ってました。
Dr.:
江澤さん、このOAで以前、ナポレオンとカモガヤ花粉症のお話をしたことがありますが・・・・・・、憶えてますよね?
An.:
先生あのお話、面白かったです。
古代から世界の7つの海を制覇した国家、つまりギリシャ・ローマ・ポルトガル・スペインなどが、没落したのにはわけがある。
それは海の軍備である、当時は木造の軍艦を建造するのに、1隻当たり山一つもの木材が必要だった。
だから、軍備のために国中の山の木々を切り倒してしまって、木材が尽きると同時に国家の防衛ができなくなってしまう。それゆえにその国は、滅亡に至る。
そういうストーリーでした。
Dr.:
で、英国では?
An.:
伝説のネルソン提督が、トラファルガーの海戦でナポレオンのフランス艦隊を撃破したために、当時陸の王者であったフランスは、7つの海にうって出る野望を遂げられなくなった。
ところがフランスに勝った英国では、それまでの海洋国家のように、国中の木々を切り倒したために、国全体がカモガヤなどの牧草地になってしまった。
Dr.:
その光景が、今私たちの見ている、美しい英国の緑の世界に変化してきたんです。
後でお話しするような歴史を経て、ですけれども。
An.:
英国の緑と言えば、英国はガーデニングの本場ですもの、ね。
きっと美しい花々に、英国の緑は彩られているんでしょうね?
江澤も一度、そんな光景を目のあたりにしてみたいです。
写真で見る英国も、お伽話の小人の家のような、古い漆喰作りのひなびた家屋と緑の絨毯、そしてカラフルなお花が印象的ですもの。
Dr.:
そうですね。そんな何百年もの歴史を持つ古い家屋は、イイ雰囲気ですよね。
でもね、江澤さん。
それに対して英国の首都・ロンドンの街並はどうでしょう?
An.:
ロンドンは大都会だから、でしょうか。石作りの、いかにも女王さまのお住まいみたいな建築物だらけ、ですよね。
Dr.:
ロンドンの中でももっとも古い地区は、「ザ・シティ」と呼ばれていまして。
世界の金融街の中心と言われた、証券取引所を中心とする1マイル四方の地域です。
An.:
「ザ・シティ」ですから、ホントに街の中の街って感じですね。
Dr.:
この辺りは本当に石作りの堅固な建物が並んでいて、それらしい雰囲気の街並なんですけれど。
実は1666年の「ロンドン大火」の前は、ザ・シティの家々は漆喰作りの古風な建築だらけだったんです。
An.:
ちっとも知りませんでした。
Dr.:
ロンドン大火以降、木造住宅の建設は禁止されましたので、石作りのアパートだらけになったのが現在のザ・シティなんです。
ロンドンの現在の石作りの風景は、それ以来のことなんですけれども。1ヶ所だけロンドンでは、シェークスピアで有名なグローブ座という劇場が、漆喰作りの建築物として再現されています。
An.:
そうだったんですか!?
Dr.:
ロンドンとは事情は異なりますが、英国の地方都市も産業革命の始まる前には、木材の乱伐によってそれまでの自然ゆたかな光景は一変し、荒れ果てた雰囲気の風景だらけになってしまったんです。
An.:
今の緑豊かな英国の観光写真からは、想像できませんね!
Dr.:
英国の歴史の本にはこう書いてあります。「すでに16世紀には、・森林の消失・と呼ばれる生態学的危機にみまわれていた。」
An.:
そういう荒廃した英国が、現在の緑豊かな自然を取り戻したのは、いつのことだったんでしょうか?
Dr.:
そのお話が、興味深いんです。
英国ではそんな経緯からか、園芸つまり植物を植えて育てることに関心が集まり、世界各国から様々の植物が収集されます。
ガーデニングはですから、この園芸への関心が生んだものなんです。
スギ花粉症の原因である日本スギが、英国に紹介され、クリプトメリア・ジャポニカと名付けられたのも、この頃つまり19世紀半ばのことでした。
An.:
日本の植物も、当時の英国に紹介されたんですね?
Dr.:
日本だけじゃなくって、英国の植物学者は中国からも植物を採取しました。
そんな採取植物の中に、お茶があったんです。
An.:
えっ、それじゃ三好先生。英国人の日常生活に欠かせない紅茶は、19世紀半ばに中国や日本から持ち込まれたことになりますね。
Dr.:
それまで水やエールという英国ビールを飲んでいた英国の人々は、紅茶に夢中になります。昼間っからビールを飲んでいては、産業革命以降の機械化された労働になりませんし、水は例えばテムズ川の水でも汚染されていて、伝染病の危険もありました。
煮沸された、つまり消毒された熱湯を使用する紅茶は、英国人のニーズにぴったりだったんです。
An.:
この紅茶には先生、すごい歴史が背景として存在するんですね。
ますます先生お土産の紅茶で、目がサエて来そうです。
Dr.:
江澤さんとお茶すると、私も目玉がバッチリ開きますよ。
このお話の続きも、どうぞお楽しみに。
Dr.・
An.:
本日もありがとうございました。
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西双版納の水掛け祭り 西双版納の水掛け祭り
カエルレオンのローマ浴場跡 カエルレオンのローマ浴場跡
ウェールズの地図と円形競技場跡 ウェールズの地図と円形競技場跡
木彫りの妖精マーリン(アーサー王伝説より) 木彫りの妖精マーリン(アーサー王伝説より)
中国の建築風景(撮影・八代克彦先生) 中国の建築風景(撮影・八代克彦先生)
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