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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

三好耳鼻咽喉科クリニック開院20周年特別企画~難聴児問題の昔と今 8~三好 彰

 ここでは、No.222に引き続き院長が1975年、岩手医大在学中に作成した「難聴児の社会保障」というレポートをご紹介いたします。

「難聴児の社会保障(8)」

考案Ⅸ

 表Ⅵから表Ⅹまでの統計から、次の様なことが読み取られる。

(ⅰ)

他の施設との連絡が密接であり、病院(一般開業医を含む)から紹介されて来る来所者が多いばかりでなく、直接の来所者もかなりの割合を占めていること。これは特別のPRをしていなくともヒアリングセンターという名前が知られていることを証明していると考えられる。

(ⅱ)

来所者の居住地ではやはり仙台市並びに宮城県(仙台市を除く)が多いが、福島、岩手、山形各県では、特に県北が多く、県南であると東京の施設に行く者が多いとのことであった。それにしても、内訳では圧倒的に児童が多いことに注目して欲しい。

(ⅲ)

聴能訓練・言語訓練・聴力検査でも、就学期以前の幼児がほとんどであること、それにしても盛岡ではこういった訓練、検査を受けるべき児童はどこへ行っているのだろうかと心配になってしまわざるを得ない。

(ⅳ)

相談件数では補聴器相談が多いこと

(ⅴ)

三才児検診(これはアンケートによってピックアップされた者の検査結果であるが)ではかなりの高確率で異常が発見され、しかも異常がある場合にはそれなりの訓練が受けられること。盛岡にも同様な検診の制度はあるが、それほど組織的ではないし、余り効果もあがってはいない様である。

 以上のように、盛岡と較べてみると施設や制度の充実には素晴らしいものがあること、又それだけの効果はあがっていることが明らかではあるが、医師の理解という点では未だしいという感が無いでもなく、診断書に「この患者は補聴器を装着しても効果が無い。」などと書き添えた医師(感音系難聴でも訓練次第である程度の聴力回復は望めるし、効果が無いというのはいい過ぎであろう)がいた例もあって(実際にその患者が保障を受けられなくなってしまっただけに)医師の自覚を促していく必要はあるだろうと考えられる。

b.症 例

 ヒアリングセンターでとってもらったアンケートから重要と思われる項目をピックアップして紹介する。質問項目については研究方法の項を参照して欲しい。

(i)A・H 女 昭和37年10月21日生

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Ⅰ.

1.2才
2.長男が聾なのでいつも気を使っていた。
3.2才の時、児童相談所でヒアリングセンターで教育を受ける様に言われた。
4.仙台市の三好耳鼻科にて治療。同時にヒアリングセンターにて訓練を受ける。又、薬局で難聴に良いからとアリナミンをすすめられて服用。

Ⅱ.

1.イ
2.耳鼻科医
3.保障について、役場の保健課にて

Ⅳ.

1.イ
3.ヒアリングセンター

Ⅴ.

 難聴であると言われた時はずいぶんショックを受けたが、とにかく教育に当たらなければと思い、毎日児童相談所に通った所、そこでヒアリングセンターにて教育を受ける様に勧められて週1回の訓練をセンターで受ける様になり、それから気が楽になった。

Ⅵ.

 ヒアリングセンター

Ⅶ.

 人間関係の良い所で、会社の人達の理解のある所。