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fmいずみ ラジオ3443通信 耳の日(4)

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

fmいずみ ラジオ3443通信 耳の日(4)目次

147話 補聴器装用と耳掃除

An.: 三好先生、前回までのお話で、耳が聞こえにくいこと、すなわち難聴にはさまざまのタイプがあって、大きな声が万能ではないことについて、伺いました。
 そしてその中でも老人性難聴は、すべての人間が長生きする場合避けて通れない話題ですので、すこし詳しくご説明頂いてます。
 もちろんこの老人性難聴に対しても、こまやかな心遣いは大切なんですけれども、電話機を発明したあのグラハム・ベルが、実は難聴者のパートナーのために、当初は補聴器を開発しようとしていたとのエピソードも聞かせて頂き、補聴器を活用するためのいくつかの注意点について、お話が進んでいました。
 最近の補聴器はデジタル化が進んで、性能が昔と比べてすっごく良くなっている。江澤は先生から、デジタル化の原理まで教えて頂いて、納得しています。
 それでも補聴器装用には、その前にチェックしておくべきポイントが、あるんでしたよね?
 先生!
Dr.: 補聴器の機器それ自体の、すばらしい性能を活かすためにも、実はまず補聴器を使用するお年寄りの耳を、耳鼻科で良く観察しておく必要があります。
An.: 専門医である耳鼻科医の管理が必要なことは、江澤にも良く判りますが・・・・・・。具体的には、どのようなことを耳鼻咽喉科では診てもらうんでしょうね?
Dr.: 江澤さんは子どもの頃、お母さんに耳掃除をしてもらった思い出が、あるでしょう。とくに今日のような晴れた日には、縁側でお母さんの膝の上に寝かされて。片耳を上にして待っていると、お母さんがそっと江澤さんの耳を優しく覗き込んで、竹の耳掻きで少しずつ耳穴をこすってくれた、そんな記憶が。
An.: 縁側・・・・・・。なつかしいですね、先生。
 あのポカポカとした日差しとお母さんの膝の温かさとは、今でも江澤の思い出に残っています。
Dr.: そのなつかしい記憶は、一生忘れられないかもしれませんねぇ。
 ところで江澤さん。この頃は、ちゃんと耳掃除を自分でしてますか?
An.: はい!! 昨日の夜に耳掃除しました。
Dr.: 江澤さん、老人性難聴で補聴器の必要な方は、果たしてきちんと耳掃除を受けているでしょうか。
An.: 先生、耳掃除にはお母さんの手と、縁側とが必要不可欠ですけれど、縁側のある家自体今ではそんなに多くないような気がします。
Dr.: ということは、お年寄りの耳穴には、もしかすると・・・・・・。
An.: 耳かすが一杯詰まっているなんてこと、ゼロじゃなさそうです。
Dr.: 昔の補聴器は、ごくフツーの耳栓で耳穴にあてがっていましたから。
An.: 耳かすがあっても、そんなに不都合じゃなかった(笑)?
Dr.: それは言い過ぎですけど。現在のデジタル補聴器ですと、耳穴の内側の音響効果もすべて計算に入れて音を増強しますから。耳かすで耳穴がゆがむと、その影響さえ馬鹿にできないんです。
An.: ヘェーッ!
Dr.: 補聴器の耳栓は、今では耳の穴の形を採取して、使用する方の耳穴の特性を十分に計算に入れて、補聴効果を上げているんです。
An.: すごいんですねぇ。
Dr.: ですから、補聴器装用の前に耳鼻咽喉科で耳穴を確認しておく。それはぜったい必要なんです。
An.: 知りませんでした。
Dr.: それからお年寄りの中には、昔むかし子どもの頃に中耳炎の手術を受けたことのある方もおられまして。
An.: 今のように、有効な抗生物質のなかった時代、ハナ垂れ小僧さんもたしかに多く見かけましたけれど。先生、急性中耳炎などの耳の炎症もたくさんいましたよね。
Dr.: その急性中耳炎でも、ひどいタイプになると髄膜炎にまで至るものも、時に見かけまして。
An.: それは、手術が必要になるんでしょうか?
Dr.: 私の祖父と父親も耳鼻科医だったんですけれども、その時代には耳の緊急手術を受ける子どもさんも、珍しくなかった。そんな記憶があります。
An.: 子どもの時分に耳の手術を受けたお年寄りって、耳に手術の傷跡が残ってるんでしょうか?
Dr.: 耳の穴の形が、凹んでいたり、他のお年寄りとは少し形が違います。
An.: そういうお年寄りでも、補聴器はフツーに使用できるものなんですか。
Dr.: 先程お話ししましたように、現在の補聴器はその高性能をムダにせぬよう、耳穴の形まで採取して音響効果のアップに役立てます。
 その際に、耳の穴の形をいわばセメントみたいな柔らかい、そして後で固くなる素材を使用して、耳穴の形を確認するんです。
 ところが、子どもの頃の手術で耳の穴の歪んだお年寄りでは、耳穴の型を採取しようとして、セメントみたいな素材を注入すると。さぁ大変(笑)!
An.: そのセメントみたいなのが、耳穴の中で固まって、絶対に取り出せなくなっちゃうわけですね。想像するだけで、恐ろしいような。
Dr.: 耳鼻科医に診てもらわずに、補聴器店だけで耳型を採取しようとして、そのセメントみたいな材料が術後の耳から取り出せなくなってしまう。
 そんな事故が、あちこちで起こっているみたいなんです。
 幸い、耳鼻科医を受診すれば、これを除去してもらうことは、簡単なんですけど。
An.: もしも近くに耳鼻科医のいない所で、そんな事故が起こったら・・・・・・!
Dr.: そのお年寄りは死ぬまで耳の中に、セメントみたいなものをいれたままになっちゃう、かも(笑)?
An.: 江澤はそんなの、絶対イヤです(笑)。補聴器は、耳鼻科医の診断を受けてから、お店で購入しましょう!
 おもしろいような、コワイお話でした。
縁側での耳掃除 縁側での耳掃除

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148話 難聴の種類(1)

An.: 三好先生、前回までは難聴つまり聞こえの悪い状態について、主にお年寄りの年齢的なそれを中心に、お話を伺って来ました。
 でも先生のご説明では、難聴にはさまざまの種類があって、一口では形容し切れないとのことでした。
 先生、難しくってなかなか理解しにくいのも判りますが、もう一言ずつで結構ですので、解説の続きをお願いしたいんですけど。
Dr.: 私は江澤さんのおねだりには、非常に弱いので・・・・・・。
 続きです(笑)。
An.: 先生、難聴の原因として先生がおっしゃった中で、滲出性中耳炎の話題がこのOAの80回で出てきました。
 老人性難聴と合併すると、余計に聞こえが悪化するとも伺いましたけれど、具体的にはどんな風に悪くなるんでしょうか?
Dr.: さすがは江澤さん。それは、とっても重要な質問です。
 難聴には、大きく分けて2種類あります。1つは、伝音難聴もしくは伝音性難聴と呼ばれる、中耳炎のような聞こえの悪さ。
 もう1つは、感音難聴あるいは感音性難聴と称する、老人性難聴のような聞こえの悪化です。
 もちろん、この両方の重ね合わさった混合性難聴と名付けられたタイプもあります。
An.: 先生、それは実際にはどんな難聴なんでしょうか。
Dr.: 江澤さん、人間が耳で音を聞く場合、耳から入った音はどこへ届くでしょうね?
An.: やっぱり最終的には、脳に到達するんだろうと、江澤は思います。
Dr.: 江澤さんは、耳って言葉は人体のどの部分を示すんでしょう。
An.: それは先生、耳たぶなど外へ出ている部分のことが、真っ先に頭に浮かびます。
 ウサギさんのお耳、なんてことも連想しますし。
Dr.: 医学用語では、耳介と呼びますが、ウサギのたとえで判るように、これは集音器の1種ですね。
An.: そう言えば「耳を聳てる」なんて表現もありますし、ひそひそ話のときなどは耳たぶに手のひらを添えることもあります。
Dr.: その耳介で集めた音は、耳の穴へと入って行きます。
An.: 耳掃除のときにいつも考えるんですけど、耳穴ってどれくらいの深さなんでしょうね?
Dr.: 成人では耳の穴、これを外耳道って呼ぶんですけど、大体 3.5㎝くらいあります。
An.: 耳かきはそれ以上、深くさしこんではマズイですよね(笑)。
Dr.: キズがついちゃいますからね(笑)。
 それについても、後ほどお話ししますから。
An.: 外耳道の奥には? 先生。
Dr.: 46回目のOAで話題にした、鼓膜が存在します。
An.: 空気の振動である音を感じて、細かく振動するんでしたね。音は音波、エフエム泉のお仕事です(笑)。
Dr.: 鼓膜の裏側、そこのスペースを中耳腔って言いますが、鼓膜に連なる3つの小さな骨があります。
An.: 音の物理的振動は、鼓膜からその骨に伝わるんでしょうか?
Dr.: この3つの骨は耳小骨って呼ばれるんですけど。音は、この3つの骨を伝わって内耳に到着します。
An.: その骨は、音の繊細で微妙な振動を伝えるんですから、すっごく小さな骨なんでしょうね?
Dr.: 内耳に一番近い位置にあるアブミ骨という骨は、人間の体でもっとも小さな骨で、その高さは 3㎜しかありません。
An.: 内耳ってたしか、めまいの原因として有名なBPPVの、三半規管のあるところだったような気がします。
Dr.: さすがは江澤さん。ここまで触れてきたように、耳は耳たぶだけでなく、外耳・中耳・内耳と3つの部分からなっています。
 そして内耳にはめまいを感じる三半規管、体の方向を感じ取る前庭、そして音を感じる蝸牛すなわちかたつむり管が存在します。
An.: アレッ、先生。音は、外耳と中耳までは「伝わる」もので、内耳では「感じる」ものなんですか?
Dr.: そこに気が付きましたか、江澤さん。鋭いですね。
 音つまり音波の振動は、外耳と中耳までは揺れの物理的エネルギーなんですけれども。内耳ではそれを電気的エネルギーに換えて、電気信号として脳へ送るんです。
An.: 脳は、聴神経などの神経を介して、電気信号を感じ取るわけですね。
 聴神経のことは、このOAの5回目に教えて頂きましたものね。
Dr.: こうした聴覚に関する体の構造は、音を伝える部分と、音を感じる部分とに別れています。
 前者すなわち音を伝える外耳と中耳を、音を伝えるシステムという意味で、伝音機構と言います。
An.: それじゃ後者、つまり音を感じる部分は感音機構ですね!
Dr.: その通りです。ですから難聴は、外耳もしくは中耳の病気で生じる伝音難聴と、内耳あるいはそこから脳に至る神経に原因があって発生する感音難聴と、その両者の重なった混合性難聴とに分類されます。
An.: その難聴の分類って、現実の生活場面ではどんな違いになるんでしょう?
Dr.: 耳の病気の種類によって、聞こえの悪さのタイプと程度は異なります。
 耳の不自由な人の場合も、その原因となる病気によって、聞こえ方が違いますから。
An.: それじゃ耳の病気の知識は、耳の不自由な人に対応するためにも、最低限必要ですね。
Dr.: お話は続く、です。お楽しみに!
Dr&An 本日は、ありがとうございました。
耳の日 耳の日

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