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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

fmいずみ ラジオ3443通信 耳の日(6)

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

fmいずみ ラジオ3443通信 耳の日(6)目次

150話 難聴と中耳炎

An.: 三好先生、お話は3月3日の「耳の日」にちなんだ話題から、耳の聞こえの問題になっています。
 耳の聞こえの悪化は、難聴と言いますけれど、それにはいくつかのタイプがあるんですよね?
 具体的には、伝音難聴・感音難聴・混合性難聴と表現しますが。
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Dr.: それは江澤さん、実際にはどんな形の聞こえの悪さ、でしたっけ?
An.: 音つまり音波は、耳の穴から人体に入って鼓膜でその振動を受け、電気信号に変換して耳の神経に伝える働きをしています。
 耳の神経は、電気信号となった音の情報を脳へ送り、脳はそれを認識します。
 音波、音の物理的エネルギーを電気信号に変換するまでの、外耳と中耳を伝音機構と、電気エネルギーになった音信号を脳に伝える内耳と聴神経とを、感音機構と称します。
Dr.: 人体のどこが病気になると、どんな難聴になるんでしたっけ?
An.: 伝音機構すなわち外耳と中耳に病気があると、音の物理的エネルギーがうまく耳の神経に届かないので、伝音難聴になります。
 そして内耳や聴神経に病気があると、音の電気信号が脳にちゃんと入っていかないので、感音難聴となります。
Dr.: さすがは1を聞いて10を知る江澤さん。それじゃ混合性難聴は、どうして起きるんでしょう?
An.: 外耳や中耳だけの病気なら伝音難聴のみですし、内耳や聴神経に限って病気が起きているならば、感音難聴だけなんですけど。
 人間の病気って、1ケ所だけとは限りませんから。
Dr.: と言いますと?
An.: 老人性難聴は内耳から奥に原因があって、耳の聞こえが悪化しますけれども、例えばそれに中耳炎が一緒に発生することだって、ゼロじゃありません。
 人生、いろいろですから(笑)。
Dr.: その逆も、ありましたよね?
An.: 今ではあんまり見かけませんけれども、昔はハナ垂れ小僧さんなどで、耳垂れのある子どもも、たしかにいたと。江澤の記憶では、おぼろげですが(笑)、まちがいなく町のあちこちで観察しました。
Dr.: 耳と鼻は、ウラ側で繋がっていますから。
An.: 三好先生、それは「耳管」って言う柔らかい管が、鼻の奥・のどの上から鼓膜の内側つまり中耳腔に、のびているんです。
Dr.: このOAの、第76回でご説明しましたよね?
An.: それでハナ垂れ小僧さんの青っパナのバイ菌が、のどの炎症そのままに中耳腔に入り込み、結果的に中耳炎になっちゃうんでした。先生、江澤はクリアに76回目のOAの記憶が、よみがえってきました!
Dr.: そんなわけで、昔は多かった中耳炎。しかしその頃、中耳炎程度では病気扱いしてもらえなかったものですから。
An.: こじらせて慢性化してしまうことも、多かったわけですね!?
Dr.: そうすると、有害なバイ菌をわざわざ鼓膜穿孔状態の耳の中で飼育しているようなものですから。
 バイ菌の毒素が、いつかは内耳の神経に波及して、神経の性能を低下させるようなことが起こります。

バイキンの進入

An.: この場合、鼓膜穿孔つまり中耳炎の鼓膜の穴のために、伝音難聴が最初に生じていて。それに加えて、中耳炎のバイ菌の毒素のために、やがて内耳の神経の感度が鈍くなりますから。
Dr.: それは感音難聴ですもの、ね。
An.: 伝音難聴プラス感音難聴になってしまい、最終的に混合性難聴の状態となります。
Dr.: 昔はそれで問題にならなかったのかも知れませんが、中耳炎に限らずやはり病気はほったらかしにしちゃあ・・・・・・。
An.: 現代ならそれは、むしろ心がけ次第と言わざるを得ません。病気は自分でチェックするくらいの心構えは、必要ではないかと。
Dr.: それと関連するかも知れませんが、老人性難聴に中耳炎の合併することがあって・・・・・・。これは気付かれにくいんです。
An.: 先生、その中耳炎は?
Dr.: 以前、話題として取り上げた、滲出性中耳炎なんです。
An.: あまり耳が痛くならないタイプの、中耳炎だったような(笑)?
Dr.: 鼓膜の内側に、水みたいな炎症性の液体が貯留して、鼓膜の動きが鈍くなるんです。
An.: 音波を受けても鼓膜は、それに応じて細かく動くことができなくなっちゃうんですね?
Dr.: 前にもお話ししましたけれども。この滲出性中耳炎、小さな子どもとお年寄りに多いのが特徴なんです。
 ただ、子どもの滲出性中耳炎と老人のそれとでは、原因がだいぶ違ってきます。
An.: と、言いますと?
Dr.: 子どもでは、鼓膜内外の気圧調節をして鼓膜が振動し易いように働く耳管の、つけ根にアデノイドと呼ばれるリンパ組織があって。
An.: それが耳管をふさいで、空気の入れ替えつまり換気を悪化させるんでしたよね?
Dr.: 老人では、耳管を開閉させてやる筋肉の筋力が衰えて、やはり換気が悪化します。
An.: それでお年寄りには、滲出性中耳炎が起こり易いんですね。
 アレッ。そうするとお年寄りでは、老人性難聴に滲出性中耳炎が併存して、聞こえは?
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Dr.: 一層悪化しがちです。
 重要なことは、滲出性中耳炎による聞こえの悪化は治療で改善できる、と言うこと。
An.: 年齢による聞こえの悪化と、諦めてしまわずに、耳鼻科医で診察を受けることも必要。
Dr.: そのためにはご自分で、ときどき聞こえの変化をチェツクする。そんな心構えが。
An.: 重要なんですね、先生。
 本日も、ありがとうございました。

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