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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

fmいずみ ラジオ3443通信 耳の日(7)

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

fmいずみ ラジオ3443通信 耳の日(7)目次

151話 「耳・鼻・のど」と五感の関係

An.: 三好先生、3月3日は雛祭りであると同時に、三好先生の副業(笑)である耳鼻咽喉科では、「耳の日」と称して耳鼻科の病気についての、啓蒙の日時であると伺いました。当然ですが、耳・鼻・のどの病気を扱う耳鼻咽喉科でも、耳の病気についての話題が取り上げられることが多い、とか。当たり前ですよねぇ(笑)。
Dr.: なにしろ日付の名前そのものが、「耳の日」なんですから(笑)。
 でもね、この「耳の日」に、鼻やのどの疾患についてもテーマとして取り上げておくのは、すごく理屈にあったことなんですよ。
An.: えっ。それはいったいどうしてなんでしょうね、先生。
Dr.: それは1つには江澤さん。耳・鼻・のどは実は、ウラ側でつながっていまして。
An.: 耳・鼻・のどに、ウラがあるなんて・・・・・・。江澤は、ちっとも知りませんでした。
Dr.: 江澤さん。耳・鼻・のどは、上気道と称して、人間が呼吸する際に空気や酸素の移動する、構造の一部をなしています。
An.: あぁそう言えば。鼻やのどは、呼吸の際に酸素の行き交う交通路でしたよね(笑)。
Dr.: ですから、このOAの第24回目で話題にしましたように、鼻やのどに狭い部分があって酸素や空気の通過障害があると、上気道の気流の流れがスムースじゃなくなって。
An.: まさつ音がいびきになるんでしたよね、先生(笑)
Dr.: 耳だって空気が充満しているから、ちゃんと聞こえるんでしたよね、江澤さん。
An.: 音は空気の振動を、鼓膜で受け取って、物理的エネルギーとして、内耳に伝えます。
Dr.: その鼓膜が軽やかに振動するためには、江澤さん?
An.: のどと鼓膜の内側、つまり中耳腔の気圧が、耳管という管を通じて、十分に換気されている必要がありますから・・・・・・。そう言えば、耳の働きも気流の流れの影響を、まともに受けているんですねぇ(笑)。
Dr.: ですから、耳・鼻・のどは、一見別々の部位に存在するように見えても、実は上気道の空気の流れで緊密に繋がっている。一連の組織と考える必要があります。
An.: 江澤は、納得です(笑)。
Dr.: それともう1つ。
 第5回目のOAで触れたことがあるんですけど、「五感」という観点から見ても、耳・鼻・のどには関連があるんです。
An.: 「五感」って先生、たしかぁ。「聴覚・視覚・嗅覚・味覚・触覚」のことでしたよね!
Dr.: これらのうち、聴覚は耳が携わっており、視覚は目が、嗅覚は鼻が担当しており、味覚はのどがカバー、触覚は皮膚感覚がメインですが、のどの内側でも感じますし。
An.: 三好先生、視覚以外はみーんな、「耳・鼻・のど」の領域ですねぇ(笑)。
Dr.: 実は江澤さん、私のお得意の「めまい」では、耳鼻科医は何を観察して診断するんでしたっけ?
An.: 先生、それは眼球運動、つまり目玉の動きです・・・・・・。アレッ、てことは耳鼻科医は視覚も含めて、「五感」のすべてを総動員して病気の診断・治療を行なっている?
Dr.: この「五感」を感じる人体の感覚器官を、古くは「五官」。すなわち、感覚を人体内に取り込む5つの「管」とも表現したんです。
 そう言えば中国では今でも、耳鼻咽喉科と呼ばずに「五官科」と名付けられた看板を、見ることがあります。
An.: ってことは先生。「耳・鼻・のど」には、こうした典型的な感覚器が揃っている、人体の急所とも考えられますね。
Dr.: そうなんです、江澤さん。「耳・鼻・のど」で感じ取る感覚のことを、「五感」と呼んでいまして、ですね。だから、一括して耳鼻科医が診断・治療を行なうわけなんです。
 そして、耳鼻科医ではとうてい扱い切れない摩訶不思議な感覚のことを、何と呼ぶんでしたっけ? 江澤さん・・・・・・。
An.: 先生、それはたしか「江澤の第六感」と、名付けられていたような。そんな気がします(笑)。
Dr.: ですから、「五感」を専門に扱う耳鼻科医の私と、「第六感」の人である江澤さんとは、常にペアで仕事をするように・・・・・・。
An.: 解剖学的な、理論的裏付けがある(笑)んですね!
Dr.: 話を、元に戻しましょう(笑)。
 そんな2つの理由から、耳鼻咽喉科領域の疾患は、耳鼻科医が扱うことになっていますし。その耳鼻咽喉科疾患啓蒙の絶好の機会が、3月3日の「耳の日」なんです。
An.: 加えて3月3日は、電話機を発明したグラハム・ベルの誕生日でもあります。
Dr.: 江澤さん。これはとっても、すごく大切なお話なんですけれども。
An.: せ・先生。それは何でしょうか?
Dr.: グラハム・ベルはもともと、耳の不自由な人つまり難聴者に応用できる、独自の「発声法」の言語療法士でした。
An.: 「発声法」って、なんでしょうか?
Dr.: 生れつき、なまりの強い発声の身についた人や、難聴のためにひずんだ発話習慣になじんだ人でも、しゃべるときの口の形を統一することで明確な発音ができる。
 そんなアイディアのもとに、英語に例えれば「下町言葉」を「クィーンズ・イングリッシュ」に矯正したりする訓練です。
An.: そんなことって・・・・・・、可能なんでしょうか? 江澤には、信じられません。
Dr.: でも、アナウンサーの訓練にもあるように、口元をはっきりと動かしお腹の底からしゃべるだけでも、会話は聞き取り易くなりますよね。
An.: そう言えば、江澤もそんな訓練を受けた記憶があります。
 たしかに、お腹の底から力強く話すと会話は聞き取りやすくなるんですが、お腹も空いちゃいますよね(笑)。
Dr.: その発話法が、色々な意味で難聴者にも、活用できるんです。次回は、そのお話です。
Dr and An 本日も、ありがとうございました。
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