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fmいずみ ラジオ3443通信 耳の日(8)

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

fmいずみ ラジオ3443通信 耳の日(8)目次

152話 発話法とグラハム・ベル一家

An.: 三好先生、前回は「耳の日」のお話から、電話機を発明したアレクサンダー・グラハム・ベルの話題になり、実はベルはもともと「発話法」に携わる言語療法士だった、とのご説明を伺いました。
 「発話法」って、江澤たちが習ったリスナーが聞き取り易い発音方法の訓練とか、そんなものと理解してよろしいんでしょうか?
Dr.: その通りです。それだけでなく、言語療法士の行なう発音練習には、あとで述べるように、様々の内容が含まれます。
 江澤さん。アナウンサーとしての、発音練習の特訓。キツくなかったですか?
An.: キツい・キツくない、よりもまず、途惑ってしまいました。
 江澤が考えていたのと、まるっきり違うんですもの。
Dr.: と、言いますと?
An.: 口の形が、外から見てはっきり判るくらい、大げさなほどに口を動かす訓練。まぁ、これは予想していた通りだったんですけれど。
Dr.: 江澤さんには、いったい何が想定外だったんでしょうね?
An.: 江澤は訓練以前はしゃべるとき、どちらかと言うとおしとやかで(笑)、東北人特有の口篭もるような話し方だったんですけど。
Dr.: どのように変身したんでしょうね、江澤さんは(笑)。
An.: 発音をするのに、口元からではなくって、お腹の底から声を出すんです。
 「ア」一つにしても(実演する)、口元だけの「ア」じゃなくって、お腹の底から息を吐いて『ア』っていうふうに(笑)。
Dr.: 江澤さんの『ア』は、よく通る、リスナーにもはっきり聞こえる発音ですね!
An.: でもこの発音を身に付けるのに、腹筋つまりお腹の筋肉を駆使するものですからぁ。
Dr.: しゃべったあとで、すごくお腹が減っちゃう(笑)?
An.: お腹が痛くなるんです(笑)。
Dr.: 普段から、お腹で声を出す習慣が身に付いていればまだしも。
An.: 最初の頃は、腹筋が痛くってたまりませんでした(笑)。
 寝入った後、布団の中でお腹の筋肉がつってしまって・・・・・・(笑)。痛くって目を覚ますんです。
Dr.: 江澤さんの特訓のそれも、発話法の1種類なんですけれども、ね。
 グラハム・ベルがその父親から教わったのは、発語でもっとも重要な口の形をビジュアル化して、誰でもどんな発音でもその口の形を真似すれば、正確な発音ができるようになる、いわば発音の記号化システムだったんです。【ラジオ3443通信 耳の日(7)参照】
An.: おもしろそうですけれど、先生。グラハム・ベルの父親は、それで何をしようとしたんでしょうね?
Dr.: グラハム・ベルの一家は、もともと英国の北東部にあるエディンバラ近辺の、セント・アンドリュース地方の生まれだったんです。
An.: もしかすると、世界一有名なゴルフ場のある、あのセント・アンドリュースですか?
Dr.: 江澤さんは、趣味が豊かですね(笑)。
 電話を発明したベルのおじいさんが、このセント・アンドリュース・グラマー・スクールという、正式の英語を教える学校の発音の教師だったんです。
An.: 英語の発音を教育していたんでしょうか? それなら江澤も一度、教わってみたいような(笑)。
Dr.: 英語の弁論と朗読を、教育していたんですけれど、それに加えて吃音つまりどもりの矯正も、担当していたんです。
An.: それじゃきっと、本場ものの英語つまりいわゆるクィーンズ・イングリッシュも、教えていたんでしょうね?
Dr.: 同じ国内であっても、交通や通信そしてマス・コミュニケーションが行き渡っていないと、各地方の言語はずいぶん違っていたみたいですし。
An.: そう言えば江澤の子どもの頃、地元でしか通じない言葉があったのを覚えていますが、仙台でも仙台周辺でしか通用しない言葉がありましたよね(笑)。
Dr.: お隣の中国でも、マンダリンと称される標準的な発音が全国的になったのは、つい最近のことです。
An.: 世界の7つの海を制覇した英国でも、事情は似たようなものだったのかも知れませんねぇ。
 英国では、標準語的な正式の発音が、クィーンズ・イングリッシュだったんでしょうけれど。
Dr.: 江澤さんの言われるように、英語にもきっと仙台弁みたいな英語は、あったんでしょうよね。
 そんな、いわば「センダイ・イングリッシュ」(笑)の矯正も、ベルのおじいさんそしてお父さんも、プロとして手懸けていたんです。
An.: なんだか、1つの物語になってもおかしくないような、興味深いお話ですね!
Dr.: ベルのお母さんの名前は、イライザって言うんですけど。
 この「イライザ」を主役に、下町英語をしゃべりまくる花売り娘が大活躍する、ミュージカルがあります。江澤さんのご存じの。
An.: せ、先生。それはもしかすると、オードリー・ヘップバーンの「マイ・フェア・レディ」じゃありませんか!?
Dr.: 江澤さん。ハワイじゃなくって、ロンドンへご招待しますよ。
 ベル一家の友人だった、バーナード・ショーがベル一家のエピソードを元にストーリーを作り、戯曲を書きました。
An.: それがミュージカル化されて、ヘップバーンのあの映画になったんですね!
Dr.: 江澤さん。ここにそのDVDを、持ってますが。
An.: 本当に「原作:バーナード・ショー」って書いてありますね。ステキ!
Dr.: 3月3日「耳の日」生まれの、グラハム・ベルについては、もっともっとおもしろいエピソードがあります。次回をお楽しみに。
バーナード・ショー原作のマイフェアレディ バーナード・ショー原作のマイフェアレディ
セントアンドリュースのグラハム・ベルとイライザ セントアンドリュースのグラハム・ベルとイライザ

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