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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

げんき倶楽部杜人

~シリーズ 学校健診その21~

 耳・鼻・のどに関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって30年余り。今回は2013年1月にfmいずみで放送された内容を紹介する。

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

~シリーズ 学校健診その21~

An.: 三好先生、前回は先生が昆明市で珍しい食事に出合ったという話題から、イナゴのつくだ煮とハチノコのお話を伺いました。こうした昆虫食は、動物性タンパク質の摂取量が少なかった江戸時代や、第二次世界大戦時にもあったそうですね。
Dr.: 広島原爆の実態を描いた漫画「はだしのゲン」にも、夕食にイナゴを食べるシーンがあります。
An.: それは、世界大戦中のお話ですよね。
Dr.: 実際この時代には、特に農村部でタンパク質の摂取量が不足していたので、栄養を補うためにどんな食品が適しているのか、研究がなされました。
An.: その結果は?
Dr.: 農村の主な食品300種類を分析検討した結論として、タンパク質含有量と消化吸収の面から、動物性食品ではイナゴが最も優れていると報告されたんです。
An.: ビタミン類はどうなんでしょう?
Dr.: イナゴはその点でも優秀で、ことにビタミンAがたっぷり含まれているんです。
An.: へぇー、ちっとも知りませんでした。イナゴだけではなく、ハチノコも栄養満点のような気がしますよね。もしかすると、先生が昆明市で召し上がった珍しいお料理というのは、昆虫だったんでしょうか!?
Dr.: さすがは1を聞いて10を知る江澤さん。その通りです。1998年5月に昆明を訪れた際に、ハチノコ料理を生まれて初めて口にしました。
An.: 先生…平気でしたか? 喉を通らなかったとか、そういうことはありませんでしたか?
Dr.: 世界各地で調査旅行をしていると、そういうことはありますからね。その翌年には、西安医学院などとの調査でサソリのフライも食べていますしね。
An.: サソリのお話はまた伺うとして、ハチノコ料理のお味はいかがでしたか?
Dr.: 後から調べてみると、昆明市や西双版納市辺りでは、スズメバチの唐揚げや油炒めが盛んなんですね。
An.: 先生が召し上がったのも?
Dr.: 油炒めだったんですが、これがとても香ばしくて。青島ビールが昆明市のホテルにはなかったので、よく冷えたカールスバーグビールで頂きました(笑)。
An.: どのように調理するんでしょうか。
Dr.: 手元に「昆虫食文化事典」という本があるので(笑)、そこから引用します。「唐揚げを作るには、直径40㎝、深さ15㎝くらいの柄付き鍋に菜種油をたっぷり入れて1分くらい加熱する。そこにハチノコ200gくらいを投じ、水分が飛ぶまで5~7分置いておく。その後ハチノコを油から上げ、塩を振り掛けて表面が黄みを帯びるまで炒めて出来上がる」。
An.: リアルな表現ですねぇ。でも先生、そんな本が出版されているんですね。
Dr.: なんでもありの世界ですよね(笑)。

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栄養満点の冬虫夏草

An.: その他にも雲南省で珍しいものを食べたんですか?
Dr.: 品薄で実際に口にすることはできなかったんですが、冬虫夏草もメニューでは見てきました。
An.: それは一体何ですか?
Dr.: これについても、昆虫食文化事典が大活躍です。読みます。「冬虫夏草は、バッカクキン目のCordyceps属に属する子嚢(しのう)菌の子座とその寄主である昆虫の複合体のことである」。
An.: それって何のことでしょうか(笑)?
Dr.: 虫の背中にキノコが生えていて、とても栄養があるので漢方薬に使用されるんです。
An.: 奇妙な名前ですよね(笑)。
Dr.: チベットで採れるんですが、現地では昔、このキノコが冬の間は虫の姿で過ごし、夏になると草になると信じられていたので、その言い伝えによるものです。
An.: やはり、すごく栄養があるんでしょうか?
Dr.: 1993年8月に、ドイツのシュツットガルト市で世界陸上が開催されましたよね。
An.: 中国の女性ランナーたちが大活躍しましたね、確か。えーっと、馬(マー)軍団という名前の。
Dr.: 1万mで金・銀、3000mで金・銀・銅、そして1500mで金メダルをゲットして、世界中がびっくりしました。
An.: 当時、ドーピングの疑惑もありました!
Dr.: 軍団を率いていた馬俊仁コーチがそれを否定し、高地トレーニングと冬虫夏草の服用の成果だと主張しました。
An.: それで冬虫夏草が…。
Dr.: あらためて有名になりました。この冬虫夏草の中でも、コウモリガに寄生するチベット産のものが、一番効果があるとされています。
An.: でもどうやったら、そんな姿の漢方薬ができるんでしょうね。
Dr.: 私たちが通ったチベット鉄道の途中にある「那曲(ナチュ)」と呼ばれる標高5000mの地域の冬虫夏草が、とても有名です。そのお話は、またの機会に。
An.: 高地トレーニングと冬虫夏草、両方のお話が伺えるかと(笑)。楽しみです。本日はありがとうございました。
馬軍団と冬虫夏草 馬軍団と冬虫夏草

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