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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

fmいずみ ラジオ3443通信 アレルギー調査1

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

fmいずみ ラジオ3443通信 アレルギー調査(1)目次

164話 白老町のアレルギー調査

An.:  三好先生、先生は毎年スギ花粉症を始めとした、アレルギー疾患疫学調査のため、定期的に中国に行っておられるんでしたよね?
 このOAでもこれまで、世界の花粉症の話題を聞かせて頂きました。
Dr.:  江澤さんのよくご存じのように、私は南京医科大学をベースとして、現在中国各地でアレルギーに関わる調査を実施しています。
 この調査は、北海道白老町での学校健診を基礎として、1989年に開始されました。
An.:  今でも先生は毎年北海道へ、定期的に小中学生たちの顔を見に通ってますもの、ね。
Dr.:  国内では白老町だけでなく、現在は日光市に統合されましたけれども、栃木県栗山村でも調査を実施しています。
An.:  白老町と栗山村、この2ケ所の調査の目的は何だったんでしょう?
Dr.:  以前にもこのOAで触れたんですけれども、私が調査を開始するまでは世界中で1つも、こうした本格的なアレルギー調査は存在しなかったんですよ。
An.:  世界で1つも!?
Dr.:  例えば、スギ花粉症という病気を例としてお話ししますと、それまでは病気の頻度つまりどこで何人がスギ花粉症なのか、基本的なことがらについても、まったく調査されていなかったんです。
An.:  江澤には、とっても信じられないような・・・・・・(笑)。
 それは先生、いったいどうして、だったんでしょうね?
Dr.:  自覚症状、まぁ花粉症では「くしゃみ・鼻みず・鼻づまり」のことですが。そんな症状が発生して、自分で病気じゃないかと気付いた人が病院を受診します。
 自覚症状のない人はもちろん、医者へは行きません。
An.:  確かに、病気と思わない人間は病院に用事は、ありませんよねぇ(笑)。
Dr.:  病院を受診した人を相手に医者が検査をして、それから初めて病気と診断されます。
 でもね、江澤さん。そんな状況で病気の頻度なんて、正確に判るものでしょうか?
An.:  三好先生、ラジオ3443通信の聴取率だって、聞いていない人をカウントしなければ・・・・・・、すなわち聞いている人の数だけ数えても、人口の何割が聞いてくださるのか、まったく不明です。
Dr.:  同じく病気の割合に関しても、病院に行かない人の数は、よく判りません。
An.:  ってことはつまり、何かの病気が多いのか少ないのかは、病院の受診の機会に左右されているのかも・・・・・・(笑)。
Dr.:  ましてやスギ花粉症の自覚症状は、「くしゃみ・鼻みず・鼻づまり」です。
 ご本人が、単なるハナ風邪だと判断して、耳鼻科医を受診しないことだって。
An.:  可能性としては、かなりありそうな・・・・・・(笑)。江澤はそんな気がしてきました。
Dr.:  ですからホントに、ある地域の病気の頻度を確実に調査するためには、疫学調査という言い方をしますけれども、一定の年齢の集団全員にまったく同じ検査を実施して。
An.:  先生、それも同じ担当医師が、すべて検査した方が、より良い検査結果が得られそうな感じを受けます。
Dr.:  さすがは1を聞いて10を知る江澤さん。私も江澤さんと同意見でして。
 それを私たちが現実に、そこに在住するすべての小中学生を相手に、アレルギー調査を施行したのがこの2つの地域だったんです。
An.:  江澤にも、やっと成り行きが飲み込めました。
 北海道白老町と栃木県栗山村の2ケ所で、三好先生は小中学生全員を対象として、アレルギー検査を実施して来られたんですね!
Dr.:  私たちのこの調査によって初めて、日本人の花粉症を中心としたアレルギー疾患の頻度が、判明したんです。
An.:  白老町と栗山村を、先生が選んだのは、どうしてなんでしょうね?
Dr.:  以前のOAでもご説明しましたけれど、北海道白老町は幕末に、ロシアの南下を警戒した江戸幕府の命令で、東北6県の各藩が北方警備にあたりました。
 その際に仙台藩が、国後・択捉を始め、北海道の3分の1を領地としてあてがわれた歴史があります。
An.:  思い出しました! このOAの第17回で、先生のご先祖が蝦夷地警備の責任者として、白老町に仙台藩の陣家を建築されたんでしたよね。
Dr.:  三好監物という名前の、私の5代前のご先祖が、ですから今の白老町の基礎を築いたわけなんです。
An.:  それが白老町と先生の、ご縁の始まりだったんですね?
Dr.:  戊辰戦争と明治時代のスタートのせいで、この話題は一時期すっかり忘れ去られていたんですけどね。
 明治100年にあたる1968年に、100年前の歴史を日本各地で掘り起こすブームが、自然発生的に起こったんです。
An.:  それで白老町でも・・・・・・。
Dr.:  そうなんです。そのときに、幕末の仙台藩士たちの埋もれたエピソードを、思い起して記録に残す動きがありました。
An.:  先生のご先祖も、その動きの中で?
Dr.:  白老町に、仙台藩元陣家跡の記念碑がまずできまして。
 それから歳月のために荒れてしまった、歴史的遺産を現代に蘇らせようと、三好監物の遺品を中心に記念館が設立されたんです。
An.:  それじゃあ、きっと三好先生の出番(笑)ですよね!
Dr.:  記念館の完成した1988年に、私たちが仙台から招待されて、記念式典が行なわれました。
 ところがその際に、白老町では耳鼻科医不足のために、耳鼻科学校健診がなされていないことが判明しました。
An.:  それで健診と、調査が始まるんですね!
Dr.:  お話しは続く、です。お楽しみに!
WーAーTーEーR! 三好監物の人形とその前に座る院長(白老町)

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