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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

げんき倶楽部杜人

~シリーズ 学校健診その27~

 耳・鼻・のどに関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって30年余り。今回は2013年2月にfmいずみで放送された内容を紹介する。
[An.…江澤アナウンサー、Dr.…三好院長]

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

~シリーズ 学校健診その27~

An.: 三好先生、前回は高地トレーニングのお話から、高山病の話題も含め「はだしのアベベ」のエピソードを聞かせていただきました。標高の高い場所では空気が薄く、酸素濃度が低いために酸素欠乏状態になりやすいこと。けれどもその低い酸素濃度に慣れると、血液中の赤血球が増加し体の隅々まで酸素を送り込みやすくなるので、持久力がつきマラソンのようなハードなスポーツに強くなること。そんな内容でした。
Dr.:その高地トレーニングを行う一方、冬虫夏草で栄養補給していたことが、馬(マー)軍団の陸上競技での驚異的な記録の秘訣(ひけつ)だったんですね。
An.: 三好先生たちの調査グループも、その冬虫夏草で元気いっぱい調査活動に励む予定だったんですね?
Dr.: 残念ながら、現地のレストランでは冬虫夏草が品切れでした。また次回の雲南省調査の楽しみに、これはお預けとなりそうですね(笑)。今回の調査旅行のハイライトは、実は最後の訪問地、西双版納(シーサパンナ)でした。
An.: 西双版納とは、どのような所なのでしょう。
Dr.: 雲南省は中国の中で南アジアに最も近い場所なのですが、その雲南省でもミャンマー、タイ、ラオスに隣接している南西部の地域です。
An.: なんだかとてもエキゾチックな感じがしますね!
Dr.: 少数民族の多い雲南省ですが、西双版納はタイ族がたくさん住んでいる地域です。
An.: きっとタイの国と近い関係にあるのでしょうね?
Dr.: もともとタイ族の人々の住んでいた地域の一部がタイの国になったと聞いています。ですから国境を隔てていても民族的には近い仲間なのではないでしょうか。
An.: ではタイ族の文化も、恐らくタイの国の風習によく似た雰囲気を持っているのでしょうね。
Dr.: 黄金のパゴダ、つまりタイ風の寺院が見られ、現地の人は高床式の住宅に住んでいます。西双版納のタイ式民族村は伝統的な住居がとても印象的で、仏舎利(ぶっしゃり)塔が美しく、信仰心のあつい住民が多いことが分かります。
An.: 仏舎利って何でしたっけ?
Dr.: 仏様の遺骨を納めた建物のことです。黄金で覆われているので、とても目立ちます。

 

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高床式で文化遺産を保存

An.: 確か正倉院の建物が高床式と聞きましたが、高床式の住宅とは、どのような構造なんですか?
Dr.: 江澤さんは本当に物知りですね!シルクロードからのさまざまな文化遺産を保存している正倉院は、その中身こそいわゆる西域、つまりウルムチやトルファン、そして中央アジアからカスピ海や黒海のほとりを通ってローマに至る通路の文化的財産なんですけれど。
An.: 先生はシルクロードもローマも行ったことがありますものね。
Dr.: 江澤さんも今年はシルクロードにご一緒しますからね!
An.: 楽しみですぅ(笑)。
Dr.: これらの地域は乾燥した気候が多いので、文化遺産は湿気を避けて保存される必要があります。
An.: でも日本はどちらかというと、湿度の高い気候がメーンです。
Dr.: 奈良市の東大寺大仏殿の脇に位置する正倉院も、内部に保存する遺産を乾燥させたまま後世に残す、そんな目的で建てられたものです。
An.: 高床式住宅は南アジアの湿気の多い地域の住宅ですから、内部の湿度を下げるような構造になっているのでしょうね。
Dr.: 建物は地面に直接建てられていると地面の湿気を吸い上げやすく、とてもじめじめします。マンションのような建物でさえ、高層階に比べて1階は湿度が高く、ダニが増加したりカビが生えたりすることがありますからね。
An.:南アジアでは、なおさらですよね。
Dr.: 西双版納の民族村では地面に毒ヘビや有害な昆虫類がいて、家屋内に侵入したりします。
An.: 怖い!(笑)
Dr.: ですから、そうした脅威を避けるためにも高床式の家が役立つんです。実際、民族村の民家の1階部分の柱は丸木のままではなく、わざわざ削って角が付くようにできています。
An.: それはなぜ?
Dr.: ヘビが柱に巻き付いて、住居部分まで登ってきたりしないようにするためです(笑)。
An.: 想像したくないです(笑)。
Dr.: 暑いので、床も壁も風の通り道となるよう、あっさりつくられています。
An.: 涼しそうですね。
Dr.: 実はこうした外気の通り抜けやすい家屋構造も日本に伝わってきていて、在来工法と呼ばれています。
An.: そういえば昔の日本の家屋も、夏が過ごしやすい代わりに冬は家の中でも外気が入り込んで寒かった記憶があります。
Dr.: ダニ、アレルギーとの関連で、その話題は次回ゆっくりご説明します。
An.: 本日も時間がなくなりました。お話の続きが、とても楽しみです。
黄金のパゴダ(西双版納) 黄金のパゴダ(西双版納)

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