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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

日中友好特別講演スギ花粉症のお話2

 前号に引き続き、院長が駐日中国大使館の韓志強公使の要請で講演した、スギ花粉症のお話をご紹介します。

アレルギーの診断

(図1)アレルギーの診断の流れ (図1)アレルギーの診断の流れ

 アレルギーを診断するには、まず患者からお話を聞き、耳鼻科で言えば鼻の中の粘膜を診て、鼻が腫れているか、鼻水が出ているか、過敏状態になってくしゃみが出やすい状態になっているかを診断します。そしてアレルギー検査で原因を調べ、その原因に対する治療をするのがアレルギーの治療です(図1)。
 スギ花粉症にかかった場合、薬を飲んだり注射をしたり免疫療法などで治療をしますが、病気に対する最大の治療は予めの予防にあるので、スギ花粉が体内に入らないようにするのが最大の治療法と言えます。

花粉症の予防策

 予防以外の治療法としては、花粉に対する治療、人間の体に対する治療、症状を抑える医療、手術をするなどの方法があります。
 今年の日本では、スギ花粉の飛散量が多いと言われており、私たちの住んでいる仙台では去年の3倍の花粉が飛散すると言われています(図2)。
 スギ花粉が多く飛ぶような日には外に出ない事が望ましいですが、どうしても出る必要がある際はしっかりと防御をしましょう。
 実際の予防効果として、マスクをする時としない時では症状が違います(図3)。
 それと合わせて、目に花粉が入らないようにゴーグルもお勧めです(図4)。

(図2)2014年と比べた今年のスギ花粉の飛散量 (図2)2014年と比べた今年の
スギ花粉の飛散量

(図3)マスク着用で差がでるくしゃみの数 (図3)マスク着用で差がでる
くしゃみの数

(図4)しっかりガードします (図4)しっかりガードします

 今は様々な商品が売られていますが、マスク・ゴーグルを装着するだけでもかなり花粉症を防げます。
 他には、花粉が付きにくい素材の上着を着る。帰宅した時は上着を払い、花粉を家の中に入れないといった工夫が重要です。
 また、部屋では空気清浄機を使用して清浄な状態にする。掃除機は排気によって花粉を床から舞い上がらせるので使わない様にする。床掃除は昔ながらの方法ですが、お茶ガラを床に撒いてほうきで掃くといった方法が挙げられます(図5)。

(図5)昔ながらの掃除法 (図5)昔ながらの掃除法

薬を使った予防と治療

(図6)点鼻薬 (図6)点鼻薬

(図7)点眼薬 (図7)点眼薬

 お薬についてですが、今はどんどん新しいお薬が出ているので個別の製品名は出しませんが、飲み薬、鼻にさす薬、目薬などがあります(図6・7)。前述のマスク・ゴーグルと併用すれば、より効果が高まります。

免疫療法

 あと免疫療法と言って、体を少しずつスギ花粉やダニといった原因物質に慣らしていって、体に過剰反応を起こさないようにする方法もあります。しかし長い期間が必要になりますので、たかが数ヶ月の花粉症シーズンの為に何年間も注射などをし続けるのは負担が大きいような気もしますし、ショックや副作用も心配されます。

鼻に対する外科的治療

 当院では、外科的な治療法として、昔はレーザーなどを利用したのですが、今はトリクロール酢酸という薬を使い、鼻の中の下甲介という出っ張った部分に少し塗って組織を収縮させます。すると、その部分で花粉を吸収しなくなるので過剰反応が起きにくくなって楽になります(図8)。
 韓公使にも是非、こちらの治療をお勧めしたい気持ちです。
 ご清聴ありがとうございました。

(図8)負担のすくない外科的治療 (図8)負担のすくない外科的治療

(図9)記念品を頂きました (図9)記念品を頂きました