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fmいずみ ラジオ3443通信 アレルギー調査6

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

fmいずみ ラジオ3443通信 アレルギー調査(6)目次

169 中国スギと紅茶

An.:  三好先生、前回のお話では、以前日本特有の国民病と考えられていたスギ花粉症が、日本だけでなく中国にも存在すること、それは原因つまりアレルギー反応の原因物質。医学用語では「抗原」と呼ぶんでしたよね、先生?
Dr.:  いきなり正解です。今日も絶好調な江澤さん(笑)!
An.: スギ花粉症の抗原であるスギ花粉は、日本スギつまりクリプトメリア・ジャポニカと称されていて、その名前からはまるで日本特産のように勘違いされ易かった・・・・・・。
Dr.:  その通りです、江澤さん(笑)。その調子(笑)!
An.:  でも先生たちの研究では、中国で調査してもスギ花粉にアレルギー検査でプラスとなる、現地の学生が少なくなかった。
Dr.:  アレルギー反応は抗原抗体反応と言って、スギ花粉のような抗原が存在するから抗体が造られ、アレルギー反応になるんです。
An.:  ってことは、抗原が存在しなければアレルギー反応は成立しないし、逆にアレルギー反応が発生している事実は、抗原が必ずその場に存在することの証明となる・・・・・・ってことで良いんですよね? 先生?
 江澤は少し不安になってきました(笑)。
Dr.:  さすがは1を聞いて10を知る江澤さん。まったく、その通りです(笑)。
 つまりこの会話の流れにそれを当てはめると、中国の学生でスギ花粉に陽性反応を示す例の存在したことは、中国にもスギが間違いなく植生していると、断言して間違いありません。
An.: それでは、日本特有と言われ続けてきたスギ花粉症は、中国にも見られるんですね?
Dr.: これは、ここまでのラジオ3443通信の復習にあたりますので、簡単に。
 第一に、日本スギと中国スギとがほぼ同一であることについては、このOAの第16回で話題にしました。
An.: スギそのものは、200万年前の第三紀鮮新世のときに地上に出現したんでしたもの、ね。先生?
Dr.:  日本列島と中国を含む大陸は、氷河期の終了する1万年前まで、陸続きでした。
An.: スギは地続きだった、列島と大陸の間に連続して植生していたことになります。
Dr.:  氷河期が終わり地球が温暖化、融けた氷河で水面が上昇すると・・・・・・。
An.: あら不思議(笑)、日本列島と大陸の大地とは、遠く離れた存在になってしまい、その間には日本海ができてしまいます。
Dr.:  列島と大陸の間に連続して植生していたスギは、江澤さん?
An.: 日本海のために、離れ離れになってしまいますよね(笑)?
Dr.:  つまり、まるで最初から別々の大地にそれぞれ生えていたように見える、両国のスギはそれでは?
An.: もともと、凍てついた両国の大地を通じて広がっていた原始のスギ林は、日本海の誕生とともに結果的に分かたれた存在になってしまった(笑)。
Dr.:  さすが、江澤さん。ご明察(笑)!
An.:  それで三好先生が、日本と中国のスギのサンプルをDNA分析したところ。
Dr.:  両者は97%同じものであることが、実証されたんです。
An.:  サンプルのDNA分析とはまた別に、先生は日本人と中国人の被験者を対象に、中国スギと日本スギの花粉のアレルギー反応を確認しましたね。
 たしか、中国人被験者の鼻粘膜に日本スギのサンプルを挿入したら、ホントに花粉症発作が発生した・・・・・・とか(笑)。
Dr.:  たしか、第16回のOAでお話ししましたけれども・・・・・・、その逆もありましたねぇ(笑)。
An.:  第17回のOAでは先生は、中国の雲南省で採取したスギ花粉を、北海道在住のスギ花粉症の内科医の鼻粘膜に挿入してましたね!
Dr.:  あのときも、被験者にはひどくつらい思いをさせてしまって・・・・・・。つまり人体実験の1種ですから(笑)。
An.:  写真で見せて頂きましたけれども、あの雲南省のスギは樹齢800年の、直径2mもの大木でした。
 たしか木の幹には、「元の時代のスギ」と明記してあったような憶えがあります。
Dr.:  元は当時大国で、このOAの第140回で中国製の陶磁器がトルコのコバルト・ブルーで染色されている歴史を、話題にしました。
An.:  それでは元は、この雲南省にも攻め入ったんでしょうか?
Dr.:  元は1253年に雲南、そして大理石の産地で有名な大理地方に、侵攻しています。
 その一方で1241年には元は、遠く離れたハンガリーに侵略を進め、それどころかウィーンの手前にまで、迫っています。
An.:  同時期に、多方面に進出したんですね!
Dr.:  ですからこのOAの第132回・136回でお話ししたような、ユッケとハンバーグ・ステーキの原型が世界に広まったのも、こんな元の世界侵攻の歴史が、背景となっているんです。
An.:  こうしてお話を伺ってきますと、まるで別々のことを話題にしているようで、実はそれぞれどこかで関連のある会話なんだということが、身に染みて理解できます(笑)。
Dr.:  お話は戻りますけれど、スギ花粉症の抗原であるスギ花粉は、日本スギつまりクリプトメリア・ジャポニカと称されていた・・・・・・。
An.:  中国スギは違うんでしょうか?
Dr.:  このOAの第126回で触れたんですけれど、ね。
 英国で紅茶が大流行した時期、お茶の木を中国で調査し英国まで運び込んだ「プラント・ハンター」のロバート・フォーチュン。この人は植物学者だったんですが、中国でやはりスギを研究し、現地のスギにクリプトメリア・フォルトネイという学名を付けました。
An.:  先生のお話はすごく多彩で、次回が楽しみです。
  

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