3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

fmいずみラジオ3443通信咽頭異物2

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

fmいずみラジオ3443通信ブタクサ花粉症(2)目次

182 ブタクサの由来

An.:  三好先生、この仙台市でも季節は移ろい、いよいよ次のスギ花粉症シーズンが目の前です。
 こうした花粉症の中でも日本では、3大花粉症と呼ばれるのが、スギ・カモガヤ・ブタクサによるそれだ、と伺いました。加えて、ことにスギ花粉症など日本人の国民病扱いされるほど多発しているけれども・・・・・・、3大花粉症のいずれも、第二次世界大戦前はまったく注目されていなかったと聞きました。
 戦後に政策的になされた、スギの一斉大量植林とそのスギの花粉発生年齢である樹齢30年のお話は、とっても首肯けましたし、牧草であるカモガヤの日本人の食生活の洋風化の進展に伴う、植生面積の増加つまり牧場の拡大の話題も、すごく興味深く拝聴しました。
 そして前回から3番目の、ブタクサ花粉症増加のご説明が始まりましたけれど、この物語も「目から鱗」みたいな展開になりつつあります。
 先生、江澤はまだ半信半疑みたいな心の状態なんですけれど、もう一度だけ聞かせてください。
 あの「黒船」のペリー提督の艦隊が、横浜に初めて上陸したときに、その荷物にブタクサが紛れ込んでいたっていうのは、・・・・・・ホントに本当なのでしょうか(笑)?
Dr.:  繰り返しにはなりますが、このテーマは今回がOA第182回目となるラジオ3443通信でも、まったく初めての解説ですので。実は、スギ花粉症が1979年に猛威を振るい国民病となるまでは、日本人に一番多く見られる花粉症はブタクサ花粉症でした。
An.:  ちっとも知りませんでした。
Dr.:  幕末の1853年、ペリーが日本を訪れた年は、世界的に歴史の激動が始まった時期ですからね。
 だって江澤さん、この1853年という年号に、見覚えはありませんか(笑)?
An.:  このOAのこれまでの流れの中に、その数字自体は出てきませんでしたが・・・・・・。
 でもなんとなく、憶えがあります。
 ちょっと・・・・・・、待ってください、先生。そうそう、1853年は確か、あのクリミア戦争の始まった年号でした。
 このOAでは、第85回目にナイチンゲールのエピソードとともに、クリミア戦争の際の外科手術のやり方について、触れられています。
Dr.:  クリミア戦争という戦争は、どのような戦争でしたっけ、江澤さん?
An.:  世界最大の面積の国家である当時のロシアが・・・・・・。
Dr.:  と言うことはロシアは、俗に言う「ランド・パワー」の国家であって、陸軍国だった?
An.:  しかもロシアは、全土が北に偏していて、すごく寒い国ですから。
Dr.:  「シー・パワー」を、なんとか確保しようと思っても・・・・・・。
An.:  冬には港がすべて凍ってしまって、使いものにならない(笑)?
Dr.:  ですからロシアはどうしても、不凍港つまり1年中凍らない、つまり船舶の出入りに不自由しない港が必要だったんです。
An.:  だから、ロシアは当時南下政策、つまり南への領土拡大に熱心だったんでしょうか?
Dr.:  その結果として、この日本へもロシアのアプローチが。
An.:  思い出しました三好先生。
 だって三好先生のご先祖が、当時ロシアからの南下政策に対して、北海道白老町に北方警備の責任者として派遣されていました。
Dr.:  けれどもロシアの日本担当者だったプチャーチンは、皮肉にもこのクリミア戦争で日本への到着が遅れ、日本政府との正式な接触がペリーの後になってしまいます。
An.:  そんな経緯があって、ペリーの日本寄港が歴史的に先行し、それが日本におけるブタクサ花粉症の拡大に至る、なんて・・・・・・!?
Dr.:  花粉症の歴史でさえも、すごく摩訶不思議(笑)な感じがします。
An.:  先生のお話ではブタクサは、北米に繁殖していた、とのことでした。
Dr.:  ブタクサの自生地はもともと、北米のロッキー山脈より東側の合衆国、ことにオハイオ州やイリノイ州でした。
An.:  それをペリーが日本に移植した(笑)?
Dr.:  けれどもなんと言っても、戦後の進駐軍の日本全国への駐留のときに、ブタクサ花粉も全国に拡大したのが大きなきっかけとなりました。
An.:  それで先生、お話は最初に戻りますけれども・・・・・・。ブタクサって、なんだか面白いネーミングは、いったいどこから(笑)?
Dr.:  ブタクサの英語名を、"Rag-weed"って言うんですけれども。
An.:  "Rag" と"weed"の2文字からできた単語なんですね?
Dr.:  さすがは1を聞いて10を知る江澤さん。
 これら2文字のうち"Rag" には、「ぼろくず」とか「いやしい」とかいった意味があり、それを日本語の「ぶた」に当てはめたみたいなんです(笑)。なんだか、笑ってしまうような意味付けですけれど。
An.:  江澤が辞書で調べたところ、"weed"は「雑草」という単語でした。
 でしたら、"Rag" と"weed"の2文字を合わせると・・・・・(笑)。
Dr.:  そうです。「ブタクサ」になつてしまいます(笑)。
An.: (笑)せっ、先生。そんな良い加減な医学用語って、現実に存在するんですね(笑)!
Dr.:  エヘン! それでは本日のOAの最後に真面目なアドヴァイスを一言。
An.:  三好先生。マイクをどうぞ!
Dr.:  もうすぐスギ花粉症のシーズンです。
 スギ花粉症は、主に鼻粘膜からスギ花粉が人体内に侵入して生じるアレルギーです。
 シーズンが近付いたら、耳鼻咽喉科専門医で鼻粘膜の処置を、早めに受けましょう。
 内服薬や鼻粘膜への点鼻薬も、シーズン中は中断しない方が賢明です。シーズンに入ると、どの専門医も多数の受診者を前に十分な対応ができづらくなります。受診者側の心がけも、とっても大切なんです。
Dr.: An.: 本日もありがとうございました。
南北海道新幹線の開通でインタビューを受ける三好監物 北海道新幹線の開通でインタビューを受ける三好監物

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