3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

fmいずみラジオ3443通信ピアス3

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

fmいずみラジオ3443通信ピアス(3)目次

185 お守りとしてのピアス

An.:  三好先生。前回のお話では、人間が病気になるのは、人体の外側から悪さをする何ものかが体内に侵入して、人体を冒すためだと信じられていた、とのことでした。
 ですから人が病気になると、それが例えばお腹の病気だったら、ヒマシ油を飲ませて下痢をさせたんですよね?
Dr.:  それは体内に取り込まれた、悪い要素を人体外に追い出そうとしたからです。
An.:  それと先生、昔のヨーロッパでは、「瀉血」と言って、体内に溜まった悪い血液を切開して取り出す治療法もあったそうですね?
Dr.:  それを担当したのが、当時のヨーロッパで外科医を兼ねていた床屋さんで・・・・・・。
An.:  今でも床屋さんの目印である「ねじりん棒」は、血液と包帯を象徴していた(笑)。
Dr.:  それについて有名なのが、前回も話題にしましたロッシーニのオペラ「セヴィーリアの理髪師」です。
An.:  主人公のフィガロが初めて登場するとき、何と瀉血のことを歌うんでしたよね(笑)!
Dr.:  第1幕のフィガロが登場するシーン。そこで歌われるのが「おいらは街のなんでも屋」という、有名な歌です。江澤さん、ホラ、「フィーガロ、フィガロ、フィガロ、フィーガロ」ってやつですよ!
An.:  たしかその歌のセリフには、「こちらでは髪を剃ってくれ」などの本来の床屋業務以外に、「メスもはさみも用意している」そして「瀉血のためのヒルも持っている」といった内容が盛り込まれていて(笑)!
Dr.:  それらのエピソードに、ピアスのナゾを解くヒントが実は隠されているんです(笑)。
An.:  先生、それはなんでしょう?
Dr.:  病気は、体の外側から悪いものが体内に侵入して発生するので、それらを体の外に追い出してやれば病気は改善します。
An.:  逆に考えれば、悪さをする成分が人体内に入ってこないことも大切かと。
Dr.:  それが、近代医学で言う予防です。
An.:  予防と言いますと、先生。具体的には?
Dr.:  ロンドンでのコレラ流行が、紅茶飲用のための生水の煮沸によって、結果的に解決したことや、19世紀後半にドイツの有名な細菌学者ローベルト・コッホが、生水の濾過によってコレラの発生を予防したことなどが、それです。
An.:  江澤が三好先生から、何回も伺った「英国紅茶の旅」の効用なんですね(笑)!
 三好先生のお話の流れでは、ピアスもどうやら病気の予防と関連がありそうな・・・・・・。江澤はなんだか、そんな気がしてきました。
Dr.:  さすがは1を聞いて10を知る江澤さん。人間に害を及ぼすバイ菌や、あるいは得体の知れない魔物が存在した場合、それらは人体のどこから体内に入ってくるでしょう?
An.:  江澤の知っている限りでは、たいていのバイ菌はコレラみたいに口から入ってきます。それにスギ花粉症の場合には、鼻から侵入しますし。
Dr.:  スギ花粉症で眼が痒くなるときには、江澤さん?
An.:  ああ、そうそう。見開いた目玉からも人体に入ってきますよね(笑)。
Dr.:  つまり江澤さん。人間の体にはいくつか、外界と接触する穴が開いているんです。
 そしてそれらの穴は、人体に危害を加える要素が入り込み易い構造になっていると、古代から考えられていました。
An.:  そういうことだったんですか、先生!
Dr.:  ですから、病気などの厄災から人体を護ることのできるように、穴の部分にお守りをする習慣が古代から、伝わっているわけです。
An.:  そう言えば先生、家なんかの建築物でも、悪さをする魔物が内側に入らぬよう、玄関はじめ入り口に魔よけを置きますよね!
Dr.:  昔話を読んだり聞いたりしても、家屋内に魔物が入り込まぬよう、神社からもらったお札を貼ったりする習慣は、おなじみです。
An.:  お札もそうですけれど、三好先生。
 お守りには、さまざまの種類があるような気がします。
Dr.:  お札はたしかに一般的ですけれど、狛犬や沖縄のシーサーなどの聖獣も身近です。
An.:  宝石も神秘的な光が、お守りに良さそう!
Dr.:  3種の神器、つまり草薙の剣、勾玉、鏡もすべて光るものでしたよね。
An.:  光るものが魔よけに?
Dr.:  魔物の住む「暗闇」を照らし、明るくしてしまう力があると、信じられていたでしょうから。
An.:  光のもとには、魔物は住み着けませんね?
Dr.: そうしてみると、魔物に魅入られがちな若い女性が、人体の入り口である耳などに光る宝石を装着するのは、なぜでしょう?
An.:  判りました、三好先生。
 耳の穴は、鼻やのどそして他の人体の穴同様に、外界に開いている窓口であって、そこからは魔物が入り込み易いと信じられてきたんですね!
Dr.:  それに対して、どのように魔物の侵入を防いだら良いのでしょうね、江澤さん?
An.:  それぞれの穴の入り口に、宝石などの魔よけを固定して装着すれば良いんです(笑)。
Dr.:  そうすると、大仏様や観音様になごりをとどめるほど古代から愛用されてきた、あの耳たぶのピアスは?
An.:  耳の穴から魔物が入らぬよう、お札代わりに宝石付きのピアスを装着した、その名残です(笑)。
Dr.:  そうですね。恐らくこうして人体の入り口に魔よけを固定することで、人体を恐い病気や魔物から護りたいという、古代人の信仰の現れと思われます。
An.:  お年頃となった女性が、なんとなくおしゃれとしてピアスを着けたがるのも・・・・・・。
Dr.:  あるいは妙齢の女性が、魔に魅入られ易いとの言い伝えのせいかも知れません。
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