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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

げんき倶楽部杜人
〜シリーズ 学校健診その30〜

 耳・鼻・のどに関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって40年余り。今回は2013年3月にfmいずみで放送された内容を紹介する。

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

げんき倶楽部杜人 〜シリーズ 学校健診その30〜目次

〜シリーズ 学校健診その30〜

An.:  三好先生、前回は雲南省の高床式住宅からお話が発展して、ロシア式の「壁で建てる家」、つまりツーバイフォー住宅のお話を聞かせていただきました。高床式住宅にルーツを持つ開放型住宅が、京都から全国に広がったこと、それは夏を快適に過ごすには良いけれど、仙台のような寒い冬を耐えるには少し無理があることなどを伺いました。そしてそれらの住宅には、それぞれ健康的に生活を楽しむための、住宅に適応した住まいのルールがあること、それを無視するとアレルギー疾患などの現代病にたたられる場合があることも教えていただきました。でも先生、そんなたたりなんて、この現代に起こり得ることなんでしょうか?
Dr.:  たたりは、もちろん冗談です。でも、住まいのルールについて全く知識がないと、本当にアレルギー疾患が増加したりして、何のために高価な住宅を手に入れたのか分からなくなってしまいますからね。
An.:  でも先生、どうしてアレルギー疾患が増えるんでしょうか? それが分かれば、病気になんてならずに済みますよね。
Dr.:  この番組ではこれまで、花粉症について詳しくお話ししてきました。ですが、耳鼻咽喉科以外の領域も含めると、アレルギー疾患の原因としてもっと重要なのはダニです。
An.:  ダニって、布団なんかにくっついている、あのダニですよね?
Dr.:  ダニにもいろいろな種類がありましてね。西双版納(シーサパンナ)のような熱帯雨林に住んでいるダニとか、プールの中に生息しているダニとか…。
An.:  プールの中ですって!?
Dr.:  アレルギー疾患の原因となるのは、家の中にいるダニですけどね。
An.:  イエダニって言うんでしょうか?
Dr.:  江澤さん(笑)、イエダニというのはネズミの寄生虫のことですから。まぁ、家の中にはいますが、アレルギー疾患の原因ではありません。家の中にいてアレルギー疾患の原因となっているのは、ヒョウヒダニと呼ばれるダニなんです。
An.: もしかすると現代の家の中には、そのヒョウヒダニがすごく多いとか?
Dr.: さすがは1を聞いて10を知る江澤さん。そうなんです。
An.: でも一体、どうしてなんでしょう?
Dr.:  以前にもお話ししましたが、京都の冬の生活における火鉢など、開放型住宅の暖房は局所型、つまり家の中の一部分だけを暖めるものでした。
An.: そうそう、先生のお話にあった尻火鉢みたいな、それが当時の暖房でしたよね。
Dr.: それに対してロシア型のログキャビンの暖房は、どんなものでしょう?
An.: 先生、分かりました。ペチカみたいな、部屋全体を暖める暖房ですよね。ペチカ燃えろよ、お話しましょ~、昔、昔よ…燃えろよペチカ~♪
Dr.:  やっぱり1を聞いて10を知る江澤さん。ログキャビンに住むような極寒の地は、尻火鉢では寒くて仕方がありません。家全体を暖める全館暖房なんです。
An.:  でも先生、どうしたらそんな寒い地域でログキャビンを建てられるのでしょうか?
Dr.: 地面がツルツルに凍り付いているので、切り倒した丸太を運搬するための車は必要ないんです。そりさえも不要です。いくら重い木材でも、そのままロープを付けて馬で引っ張れば…。
An.: 地面の上を滑って、簡単に移動できるんですね!
Dr.: ですから、凍土の表面を滑らせて運んだ丸太を、そのまま横に木組みすればたちまち…。
An.:  ログキャビンの出来上がり、なんですねぇ。
Dr.: そのログキャビンは凍土の上に建つ家で、すごく寒い環境ですから。戦前のサハリンに住んでいた日本人みたいに、たき火をして寒さを防ぐのは無理です。
An.: 無理ですか(笑)?
Dr.: ペチカやオンドルのように、家全体を暖める全館暖房であることが必要です。しかも火を絶やすことは死を意味しますから。
An.:  火を消すことはないんですね?
Dr.: それを連続暖房と言うんですが、極寒の地では全館暖房・連続暖房のログキャビンに住まなければ、とても大変なんです。
An.: 長く、長〜く、火をともすんですね?
Dr.: 昔話ができるくらい、長い時間ともすんです(笑)。
An.: それに比べると、確かに兼好法師の住まいの提言は、長い冬向きではありませんね。
Dr.: 「冬は、いかなる所にも住まる」ですからねぇ。
An.: そういえば先生、冬向きのログキャビン、つまり今のツーバイフォーの家では、暖房はどうなんでしょう。
Dr.: 本来こうした家に適合している全館暖房・連続暖房ではなさそうですね。ダニやアレルギーが増えたのは、もしかするとそのせいかも…。
An.: 続きは次回のお楽しみです(笑)。本日はありがとうございました。
身も心も温まるペチカ 身も心も温まるペチカ

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