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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

2016年アレルギー調査レポ8 〜ノモンハンを巡る旅〜 総務課 青柳 健太

 引き続きまして2016年中国アレルギー調査レポートをご紹介します。

●前回のあらすじ

 日ソの国境紛争の記録が残るノモンハン戦争陳列館の見学後、運転手さんの居眠りハラハラ・ドキドキ運転か‑ら無事生還し、温泉場のアル山に到着したところまでお話が進みました。

●6日目 9月19日(月)アル山

 まるで冬を思わせる肌寒いアル山の朝。澄んだ空気を胸に吸い込みつつ空を見上げると、紅葉で彩られた峰と蒼空が見えています。
 いわゆる絶好の行楽日和です。
 私は、寒さに負けない半袖姿で気合を入れて、丸1日をかけてアル山国家森林公園内を散策します。

○阿尓山国家森林公園(図1)公園の入口

(図1)公園の入口 (図1)公園の入口

 アル山市の北を流れるハルハ川。秋が深まりをみせる川沿いには、暖色系の色合いに染まった森林がどこまでも続いています。
 ハルハ川の上流を目指して1時間あまり。大興安嶺山脈の南端に位置するアル山国家森林公園に到着しました。
 公園内を周遊するバスのターミナルには、数台のバスと時間待ちをしている観光客の姿が見えます。

○三譚峡(図2・3)

 最初に訪れたのは、はるか大興安嶺山脈を発してモンゴルとの国境であるノモンハンを巡り、ホロン湖とボイル湖に注ぐハルハ川の源流である三譚峡です。
 水量豊富な川の平均水深は2m程で、峡谷の長さは約3kmあるそうです。川の周囲は長年の侵食で削り取られた険しい崖がそびえています。
 中には、寝ている牛の形を模したように見えることから“臥牛譚”と呼ばれる崖などもあり、壮大な自然の風景を楽しむことができます。

(図2)素晴らしい景観の三譚峡 (図2)素晴らしい景観の三譚峡

(図3)今にも崩れそうな崖際の松 (図3)今にも崩れそうな崖際の松

○地池(図4)カルデラ湖の「地池」

 「地池」と呼ばれるこの湖は、崩壊した噴火口に雨水が貯まってできたカルデラ湖で、形成されたのは今から258万年から1万年前の更新世と考えられています。
 名前の由来は、後述の山の頂上にある「天池」より低い位置にある湖という事から命名されたそうです。
 湖面の標高は1123m。湖の形は楕円形をしており、地質は密集した玄武岩でできています。
 周囲には湖を1周できる散策路が整備されており、大体15分くらいで回ることができます(図5)森林浴を楽しめる散策路。

(図4)カルデラ湖の「地池」 (図4)カルデラ湖の「地池」

(図5)森林浴を楽しめる散策路 (図5)森林浴を楽しめる散策路

○昼食「山泉山床」(図6)昼食会場の「山泉山床」

(図6)昼食会場の「山泉山床」 (図6)昼食会場の「山泉山床」

 バスターミナルのある集落には、観光客用のレストランがいくつかあります。
 その中の1つで昼食をとります。
 昼食後には約1000段の階段を登ると言われていたのですが、勢いに押されてビールも4本注文……(アワアワ)。

○豆腐とほうれん草のスープ(図7)豆腐とほうれん草のスープ

(図7)豆腐とほうれん草のスープ (図7)豆腐とほうれん草のスープ

 少し独特の香りのする豆腐とほうれん草のスープです。味付けはシンプルな塩味で、モンゴル方面では良く食べられている料理だそうです。

○細切りジャガイモの野菜炒め(図8)細切りジャガイモの野菜炒め

(図8)細切りジャガイモの野菜炒め (図8)細切りジャガイモの野菜炒め

 ジャガイモ、ニンジン、ピーマンなどの野菜の食感を活かすため、強い火力でサッと炒めた料理です。そこはかとなく漢方の香りがしたので、恐らく「八角」が含まれているのかな?

○たっぷりキノコ炒め(図9)たっぷりキノコ炒め

(図9)たっぷりキノコ炒め (図9)たっぷりキノコ炒め

 中国の東北地方近辺では良くキノコ料理が出てきます。それは北朝鮮との国境にある長白山がキノコの名産地だからでしょうか。
 たっぷりのキノコをニンニクと醤油ベースの味付けで料理し、独特の甘味とキノコ特有の香りがあります。キノコ好きにはたまらない一品ではないでしょうか。

○揚げ豚肉の甘酢餡かけ(図10)揚げ豚肉の甘酢餡かけ

(図10)揚げ豚肉の甘酢餡かけ (図10)揚げ豚肉の甘酢餡かけ

 私の一番のお気に入りだったこの料理。薄切りにした豚肉に片栗粉? をまぶして油で揚げます。そして、甘酢ベースの餡かけをからめて出来上がり。
 ツンと鼻に抜ける甘酢の香りと、サクサクとした豚肉の食感が絶妙です。

○ナスの焼き浸し(図11)ナスの焼き浸し

(図11)ナスの焼き浸し (図11)ナスの焼き浸し

 現存するナスの中で最古の品種と呼ばれるのが中国ナスだそうです。ただ、料理に使われたのが中国ナスかどうかは判別が出来ません(汗)。
 たっぷりのニンニクを使って炒めたナスは、ナス特有の吸収力の高さも相まって、醤油が良く染みこんでおり、そのガツッとくるニンニクの香りがたまりません。

○白菜の漬物スープ(図12)白菜の漬物スープ

(図12)白菜の漬物スープ (図12)白菜の漬物スープ

 具材は白菜のみですが、その酸味のある味は初めて味わう料理でした。
 東北地方では、冬に食べるための保存用食料として「酸菜」と言われる白菜の漬物があるそうです。
 甕の中に白菜を詰め込み重しをのせて自然発酵させます。
 主に鍋の材料として重宝されるそうです。

 昼食を終え、公園散策に戻ります。

○神秘の湖・アル山天池(図13)カルデラ湖の「アル山天池」

 こちらもカルデラ湖の1つで、麓から998段の階段を登ることで見ることが出来る湖です。
 麓には整備されたお土産屋が並んでいますが開店しているお店は一部のみ。店先ではカードに興じるおばちゃん達がいました(図14)カードに興じるおばちゃんズ。
 この心臓破りの階段はなかなか気合が入っており、湖が見えてきた頃には参加者の息はあがっていました(図15・16)。
 まるで天を写す鏡のように見える事から天池と呼ばれるようになったそうです。いわゆる天鏡湖ですね。
 天池の標高は1284m、湖面の大きさが東西450m、南北800mあります。
 この天池には4つの神秘的な事象があります。
 1つ目は、この池には流れ込む、もしくは流れ出る川がないにも関わらず、何日も雨が降り続けたり、逆に雨が降らなくとも水位が変わる事がないそうです。
 2つ目は、閉じた湖にも関わらず水がとても綺麗なことです。
 3つ目は、魚が棲んでいないことです。過去に放流をしたことはありましたが増える様子もなく、死んで浮かんでくる魚も見られなかったことです。
 4つ目は、水深がとても深いことです。以前、誰かがロープに石を括り付けて湖に沈めてみましたが、300mを超えても石が湖底につくことはありませんでした。
 確かに、耳を澄ませてみると木々の擦れる音以外には鳥の声1つとして聞こえず、静寂のなかにある湖という印象がありました(図17)静寂の湖でもありました。
 天池の景観を満喫した帰りに待ち受けていたのは、768段におよぶ下り階段だったのは言うまでもありません……(図18)途中で見かけたチョウセンリス。

(図13)カルデラ湖の「アル山天池」 (図13)カルデラ湖の「アル山天池」

(図14)カードに興じるおばちゃんズ (図14)カードに興じるおばちゃんズ

(図15)気合を入れて登ります! (図15)気合を入れて登ります!

(図16)あまりの長さに立ち尽くすガイドの胡さん (図16)あまりの長さに立ち尽くすガイドの胡さん

(図17)静寂の湖でもありました (図17)静寂の湖でもありました

(図18)途中で見かけたチョウセンリス (図18)途中で見かけたチョウセンリス

○故事にならう杜鵑湖(図19)カルデラ湖の杜鵑湖

 ハルハ川の上流に位置する杜鵑湖は、火山の溶岩流によってハルハ川が堰き止められたことで創られました。
 水深は平均2.5mでさほど深くはありません。周辺にはかつての火山活動を思わせる溶岩石がいたるところに点在し、ところどころに溶岩の流れたトンネルに続く穴が開いています(図20・21)。
 この湖の由来は、春先に周囲に咲くツツジから取られたと説明されていますが、看板には杜鵑と書かれています。
 はて……と思って調べてみると、中国では一般的にツツジを杜鵑と書くそうです。
 古代蜀(現在の四川省。三国志に出てくる蜀とは別の王朝)の王様・杜宇は民衆に農耕を推進して治世を行いました。しかし宰相の謀反によって王位を簒奪されて逃亡。再び王位を得ることは出来ずに亡くなり、その魂が杜鵑に生まれ変わったと言われています。
 そして、3月の種まきの時期になると杜鵑が鳴いて知らせてくれるそうですが、その時、鳴きすぎて喉から出た血に赤く染まった花がツツジであったことから、杜宇が鳴くと書いて「杜鵑」と呼ぶようになったそうです。 
 さらに北東上流には松葉湖という湖があり、そこがハルハ川の水源となっています。

 晴天に恵まれた公園散策でしたので、帰る頃には参加者の顔はうっすらと日焼けで紅くなっていました。

(図19)カルデラ湖の杜鵑湖 (図19)カルデラ湖の杜鵑湖

(図20)溶岩石がいたるところに (図20)溶岩石がいたるところに

(図21)溶岩が噴出した穴 (図21)溶岩が噴出した穴

○夕食「九鼎香火鍋」(図22)しゃぶしゃぶの店「九鼎香火鍋」

 良く歩いてお腹が空いた一行は、アル山市内の大通りに面したしゃぶしゃぶのお店に行きました。
 まず、基本的な鍋のスープを選びますが、鳥出汁ベースの辛くない物、見るからに赤く辛い物の2つがあります(図23・24)。
 そこに黒酢、ゴマ油、ラー油などの調味料を加えることで、バリエーション豊かなオリジナルの鍋が作れるようになっています。
 それから鍋に入れる具材を肉類、野菜類、キノコ類などの中から選んで注文します(図25~30)。
 大皿にまとめて盛り付けられた料理よりも、自分の食材が確保できるのでゆっくりと食と写真撮影を進めることができました。



つづく

(図22)しゃぶしゃぶの店「九鼎香火鍋」 (図22)しゃぶしゃぶの店「九鼎香火鍋」

(図23)鳥出汁ベースの辛くないスープ (図23)鳥出汁ベースの辛くないスープ

(図24)こちらは辛いスープ (図24)こちらは辛いスープ

(図25)豚の薄切り肉 (図25)豚の薄切り肉

(図26)ハムと牛肉 (図26)ハムと牛肉

(図27)ジャガイモと豆腐スープ (図27)ジャガイモと豆腐スープ

(図28)鳥肉団子 (図28)鳥肉団子

(図29)葉野菜の盛り合わせ (図29)葉野菜の盛り合わせ

(図30)好物のニラ (図30)好物のニラ

散策地点を示した地図 散策地点を示した地図