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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

fmいずみラジオ797 3443通信|スギ花粉症の予防(3)

◆番組情報
fmいずみ797「be a live」にて 毎月第1・3火曜10:20~10:30まで放送中‼

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

fmいずみ ラジオ3443通信 スギ花粉症の予防(3)目次

199 過剰防衛

An.:  三好先生。前回の先生のお話では、スギ花粉症は人体がスギ花粉に対する過剰防衛反応を生じた結果である、と。そういうご説明を伺いました。
 それをお聞きして江澤は一瞬、アレッみたいな感じになっちゃいました。
 だって、たいていの病気は、たとえば身近な風邪なんかでもそうなんですけれども。
 体調を崩して、人体の抵抗力が低下しているところへ、風邪のウィルスなんかが体内へ侵入してきて。その結果、風邪の猛威に人体が抵抗しきれなくなって、ダウンしちゃうのかと思い込んでいました。
 ですからスギ花粉症に際しても、花粉の猛威に人体の抵抗力が追い付かなくなってしまって・・・・・・。あんなにひどい、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりが起こってくるのかなぁと。
 でも三好先生のお話しでは、人体が花粉に負かされているかのようなこれら鼻症状は、人体の防衛反応が強すぎる結果、発生するものだと。そう理解して宜しいんですよね?
Dr.:  たしかに江澤さん。あのすさまじい花粉症の鼻症状を味わっている最中に、これが人体の防衛機構の活発化の成果だなんて。
 だれにも信じてもらえないのかも、知れません(笑)。
 でもね、とても優秀な江澤さん。花粉症の3主徴、つまりくしゃみ・鼻みず・鼻づまりが、なんのためにあるのか。
 わたしは江澤さんに、6年前にお話しした記憶がありますよ(笑)。
An.:  あぁっ、そう言えば先生。あれは2010年12月28日OAの、ラジオ3443通信第13話!
Dr.:  その記録を、さっそく手繰って再現してみましょう。
 私の「くしゃみ・鼻みず・鼻づまりは、なんのため、でしょう? カゼをひいた時も、同じことが起きますよね?」との問いがありまして(笑)・・・・・・。続いてやはり私の、こんな答えが。・・・・・・読みます、ね。
 「これは、人体に鼻から有害な物質がはいって来ないようにするための、防衛反応なんです」。
An.:  先生、私、思い出しちゃいました(笑)。
 その第13話、私自身の復習のために、要点をかいつまんで、リスナーの皆様にご紹介させて頂きます。
Dr.:  その美しい声で、ですね(笑)。
An.:  これら3つの鼻の症状のうち鼻づまりは、ウィルスやバイ菌などの有害な異物が、鼻粘膜から体内に入らないようにするための、いわば鼻にフタをしてしまう役割を担っています。ですから、風邪ではひどい鼻づまりが生じます。
Dr.:  鼻みずは?
An.:  鼻粘膜にくっついた異物を洗い流すための、排除機能がその目的です。
Dr.:  それじゃあ、1を聞いて10を知る江澤さん。くしゃみはいったい、なんのため?
An.:  それは三好先生、くしゃみは人体に入ってこようとするバイ菌やウィルスを、鼻粘膜から吹き飛ばすため、なんですね!
Dr.:  すると江澤さん。これら鼻症状は、ウィルスやバイ菌など有害な物質が人体内に入り込まないための、防衛機構なんですねぇ。
An.:  三好先生、有害な物質に対する対策だってことは理解できるんですけれど・・・・・・。
 スギ花粉って、人体にとってそんなにまで悪質な有害物質だったんでしょうか?
Dr.:  思い出してください、江澤さん。それこそが過剰防衛そのものなんですよ。
An.:  そうでした。今の日本とは異なり、昔の日本は決して衛生状態が、誉められるような状況ではありませんでした。現在の日本は清潔な環境が、整っていますけれども。
Dr.:  劣悪な日本の衛生環境に生きる人体の、防衛機能つまり免疫機構だって、必ずしも十分ではありませんでした。
 食料事情そのものが、ひどかった時代ですから、ね。
An.:  江澤も、そんな時代のことは、耳にしたことがあります。
 栄養失調で、死亡することが、決してめずらしくなかった当時のエピソードですが。
Dr.:  現代はむしろ、メタボが医学的テーマになるご時勢ですからね。人体の栄養は十分以上ということができるんでしょうね(笑)。
An.:  ということは、三好先生。人体の免疫機構つまり防衛能力は、とっても向上したんですね?
Dr.:  良いところに気付きましたね、江澤さん。衛生環境が劣悪で、ウィルスやバイ菌の感染の多かった時代。人間側の防衛能力は、残念ながら不足しがちだったんですよ。
An.:  そんな時代には、感染症で亡くなる日本人も、少なくなかったんでしょうね?
Dr.:  それは江澤さん。江澤さんお得意の「風立ちぬ」の時代には、日本人の国民病はスギ花粉症ではなくって、肺結核だったんですよ。
An.:  「風立ちぬ」の書かれたのが1938年ですから。
Dr.:  このOAの第194回目で触れたノモンハン事件が、1939年ですからね。
An.:  それを思うと当時の日本社会の、衛生環境や栄養条件が、かなり理解し易いような気がします。
Dr.:  ですからその頃の日本では、感染症が多くて、それが原因で死亡する方も少なくはなかったんです。
An.:  現代の日本は、それと逆ですからね。
 衛生環境が整い、人体の栄養は良くなりました。
 バイ菌やウィルスが少なくなっているのに、人体は防衛能力を持て余しています。
Dr.:  その余分な防衛能力は、江澤さん。スギ花粉などの、人体に無害な異物の人体への侵入の際に、十分に発揮されます。
An.:  あぁ、だから日本人は戦後激増したスギ植林と、その結果としてのスギ花粉の大量飛散に反応して、全国で鼻粘膜の過剰防衛症状が発生するようになるんですね?
Dr.:  それこそが、戦後の日本でスギ花粉症が多発し、日本人の「国民病」となってしまった最大の原因です。
An.:  先生、今回は江澤の復習もさせて頂きましたが、何回伺っても興味の尽きないお話で。 Dr.・
An.:  どうもありがとうございました。
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