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2022年11月(No.333)

 

故・安倍晋三 総理を偲んで

院長 三好 彰


安倍元総理 凶弾に倒れる
 2022年7月8日(金)、日本中を愕然とさせた事件が起きました。

 ——安倍元総理、銃撃される。

 奈良市内にある人通りの多い近鉄大和西大寺駅前。
 街頭演説中の安倍元総理を凶弾2発が襲いました。
 その衝撃的な瞬間を多くの聴衆のスマホが捉え、インターネットを通じて即座に世界中に発信されるやいなや、まさに驚天動地の大騒ぎとなりました。

 安否不明が囁かれる中、奈良県立医科大学附属病院に搬送され懸命の処置が施されましたが、回復の願いも虚しく亡くなられてしまいました。
 日本史に残る史上最長の総理大臣。
 外交に尽力し、各国首脳からの信頼と意見を求められた首相。
 その訃報のショックは多くの国民に深い傷を残し、事件現場や各地の自民党県連が設置した献花台には、年齢を問わず多くの弔問者が訪れました。

 安倍さんとは直接お会いして、会話を交わしたことが何度もあります。
 それこそ、私が後援会長を務める秋葉賢也議員との繋がりで2006年に国会訪問し、当時はまだ官房副長官だった安倍さん(図1)と懇談しましたし、秋葉後援会のパーティーでゲストとして招待された総理としての安倍さん(図2)とご一緒して、貴重な話を伺ったことも記憶に新しいです。

院長と安倍官房副長官(2006年3月2日)
 図1 2006年3月、官房副長官であった安倍さんと

図01 2012年3月
 図2 安倍総理より目立ってますか?


孔子になぞらえたスピーチ
 2012年3月、ゲストに安倍さんを招いた秋葉代議士の後援会パーティーが開催されました。その際の後援会長の挨拶で、私は次のようにスピーチしました。

”苛政は虎よりも猛々しい。

 これは2000年前の中国にいた孔子が言った言葉です。
 当時、孔子は政治指導をするために、中国全土を旅していました。
 ある時、弟子の子路(しろ)と、ある山にさしかかると一人の夫人がさめざめと泣いており、目の前には3つのお墓があります。理由を聞くと婦人は、

「実は、ここで私の父親と夫と息子が人食い虎に食い殺されてしまったのです。とても恐ろしい土地なんです」と言いました。

 孔子は不思議がって、

「どうして、そんな虎の出るような土地に住んでいるのですか? もっと人々と同じように、街の中に住んだら良いではないですか?」

 と孔子が言うと、婦人はこう答えました。

「あそこは、税の取り立てがとても厳しくて、そんな恐ろしい政治の行われている場所に帰ることは出来ません」

 孔子は、子路に振り返って言いました。

「覚えておきなさい。苛政は虎よりも猛々しい。むごい政治というのは、人食い虎よりも怖いのだよ」

 今回、東日本大震災で原発事故が起こり、人々は避難生活を余儀なくされました。しかし、放射能のあふれる土地にも人々は帰っていきます。それを見た孔子ならばきっとこう言うでしょう。

「ご覧、今の政治の害は、放射能よりも怖いんだよ」

 今の日本の現状はそんな状態にありますが、幸い我々には、ここにいる秋葉賢也のような突破力をもった政治家がいます。
 秋葉には、ここにいる皆様にお支え頂き、この現状を突破し変えていくための力をためて、世界を変えていってもらいたいと思っております。
 本日は、秋葉のためにお集まり頂きまして、誠に有難うございました。”


 当時、自民党は歴史的な大敗を喫して下野していた時期にあり、民主党が代わって政権を担っていました。しかし党内の歩調が整わず、実際の政権運用に支障を来たすなど混乱する時期が続いていました。
 そうした現状を故事になぞらえたスピーチに、安倍さんはいたく納得のいく表情を浮かべて何度も頷き、声をあげて笑っておられました。

 人は、亡くなった時にこそ、その真価が分かる。

 まさに安倍さんを表すような言葉だと思います。
 賛否両論が叫ばれた安倍さんの国葬が執り行われましたが、その際に実際に参列できない国民のために20代、30代の有志がSNSのツイッター上で“安倍元総理デジタル献花プロジェクト”を立ち上げました。

 累計で約52万人の方がこのプロジェクトに参加し、私もその中の一人として献花させて頂きました。
 歴史の人になってしまった安倍さんを偲び、彼の成した功績の意味が認知されることを心から願っています。

 URL:https://offering-flower.com/?modal=finish
   (デジタル献花プロゲクト|ツイッター)

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