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2020年3月号

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はじめに

去る2019年11月15日(金)、仙台市戦災復興記念館で行われた、仙台日伊協会創立40周年記念事業、創作オペラ「ウーノ」を鑑賞して来ました。

オペラを作ろう!

創立40年が近づくにつれ、毎定例会時には会員の皆さんから創立40周年の集大成として、記念に何かを残したいという種々の声が挙がっていました。
 そんな中でも、あまりにも非現実的で実現は難しいだろうなと思われたのが創作オペラ。
 初めてのオペラ製作、会員による本場イタリアでの海外公演。私の予想とは裏腹に、なんとなんと、あれよあれよと言う間に創作オペラが記念事業に決まりました。

オペラ「ウーノ」とは

凱旋講演のレポを書く前に、少しだけ創作オペラ「ウーノ」のあらすじを綴ります。
 タイトルにもなっている「ウーノ」。これはイタリア語で数字の1を意味します。物語では、このウーノという名の男の子が主人公になります。
 いつも一人ぼっちのウーノが、友達が欲しいなっ! と、友達探しの旅に出るところから物語が始まります。
 意気込んで出発はしたものの、そう簡単に友達は出来ず落ち込んでいるところに、ゼロという救世主が現れます。
 1と0は(つまり君と僕)10にも100にもなれるのだから、友達は無限にいるのだよっ! と勇気づけられて、ウーノが元気を取り戻すという何とも心の温まるストーリーです。
 音楽以外の部分(ストーリーや劇中の台詞)は全て会員の皆さんの立案。約1年という歳月を要し、「ウーノ」の台本は完成しました。

仙台での凱旋公演

私は、定例会に足を運ぶ度に、オペラに係わる皆さんの苦労を目の当たりにしていたので、凱旋講演のこの日をどれだけ楽しみにしていたことか……、そんな思いを胸に、いざ上演会場の扉を開けると、着席出来る席が見当たらない程の満席!
 この光景を見て、まだオペラ鑑賞は始まっていないというのに、思わず「ブラボーッ!」と叫びたくなりました(笑)。フライングにも程がありますね。
 2019年5月のイタリア・ミラノ市での上演では、目の肥えた本場の観客の前で堂々とオペラを披露し、拍手喝采を浴びた皆さんの仙台公演……(図1、2)。
 いざ始まってみると、ステージは糸が張り詰めたような緊張感に包まれました。言葉の一つ一つを噛みしめ、一語一語に気持ちのこもった発声。
 出演者の皆さんがこのオペラに懸けるありったけの想いを垣間見た気がしました。
 ふと気付けば一時間という上演時間はあっという間に過ぎ、会場は割れんばかりの拍手の嵐。大泉会長を筆頭に、観客はスタンディングオベーション。オペラの開始前から、ひたすら喉の奥に仕舞い込んでいた「ブラボー!」の一声。私の一声は、鶴の一声になった事でしょう(笑)。
 盛大な拍手の嵐をステージで浴びる皆さんの顔は、一段と輝きを増し、やり切った安堵感と共に幸福感で満ちていました。

最後に

院長が役員を務める仙台日伊協会は、仙台とイタリアの親善活動に取り組む事をスローガンにしています。創作オペラに懸けた皆さんの情熱は、言葉の壁をも超えて、この上ない親善活動になったに違いありません。大事なメッセージが込められているこの作品……皆々の心にきっと届いた事でしょう。

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図1  イタリア・ミラノ市のオペラ会場      図2  風格のある会場の空気に包まれて

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